表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/55

カレー

カレー屋さんの話です。

再び、C.R.ONLINEにログイン。

事前に調べた、カライガのカレー屋さんの近くで接続をして、昼飯を楽しみにソロプレイをしています。


カライガもリンも今の時間帯はログインしないといっていたし、それと、昼過ぎにカレー屋に行くことをカライガに連絡したこともあり、ログインしていない。

俺は、ちょっと調べたいことがあったし、ログインする旨返したけどね。


まず、ランクだけどこうなっていた。

S:下記全て、もしくはそれに相当する不正行為が発覚した者

A:当社に対して、不当な要求を実行した者。

B:当社に対して、不当な要求をした者。

C:ゲーム内外にて、他者に対して詐欺行為を働いた者。

D:ゲーム内外にて、他者に不当な要求をした者。

E:不当な情報を、ゲーム内外にて流した者。

F:ゲーム内にて、他者が著しく不快になる行為を行ったと通報を受けた者。

G:ゲーム内にて、厳重注意を受けた者。


プレイヤーの個人情報が各段階によって公開されるらしい。

そして、Aがリアルで報道ということなのだろうかね。

そこらへんの事は秘密にしてあるようで、明確なことは書いてない。


後、偏ってるように見えるけど、判らないでもない内容になっているよ。

現実で知り合いだから、金銭の要求をすることもあるだろうし。

そして下手なことをすると、自分の情報がどっかから漏れると。

ちなみに、Gだけは色が黄色で表示されているから、ゲーム内でイエローネームってことなのかね?

F以上はプレイヤーの個人名出てるしね。


街中はちょっと怖かったから、俺は早々に狩り領域に行ったので殆ど分からないけど、すれ違ったプレイヤーの表情からゲームを楽しむという雰囲気は消えていたよ。


今日は、魔法の利用を優先順位を高くして狩りをしてみる。

結果、そこそこ便利だね。

長弓は、矢が無くなると使えないし、拾いにいっても3/4くらいの割合で折れてる。

確率というよりは、単純に倒れる方向なんだけど、そんな制御は出来ないから体感的にこんなもんというだけだったりする。


魔法については、ステータス内にツボのようなマークがあって、使うたびにその中の容量が消費されてる。

ここの運営は、本当に数値で肉体ステータス表すのが嫌いなようだね。

こだわりなんだろうけど、ちょっと不便。


そしてこれは、休息すると回復するから、矢のように消耗品を心配しなくていい。

暫くは、魔法を使ったほうがいいかもしれないね。


そんなことを考えながら、うさぎを4匹程しとめて、街で売ってログアウトする。


さて、昼になったしカライガのカレーを食べに行こう!


---

"本日閉店"

そんな看板があるけど、気にせずに裏に回ってインターフォンを押す。


『おおう、来たか鍵は開いてるから入ってくれ。』

中に入ると、カレーのいい匂いが食欲を刺激する。

しかしまてまて、閉店中のお店で無理を言うわけにはいかないよね。

昨日も行くとしか書かなかったし。


「腹へってるだろう、これでも食って寛いでくれ。」

おおおぉぉぉ、目の前にどんぶりがドンと置かれる。

・・・・・・・・・・・・どんぶり?


「流石に、昨日は仕込みする気になれなくてな、やむなく閉店にさせてもらった。

 蕎麦は市販のものだが、結構うまいぞ。」

目の前にあるのは、カレー南蛮と呼ばれる蕎麦にカレーをかけたものになる。

ダシなどで味を和風に調整するって程度の知識しかないなぁ。


「ありがとうございます、頂きますね。」

一口食べて、カレーとダシのハーモニー、ネギの絶妙な火の通し加減、蕎麦が市販なのが残念なくらいだ。

これなら、商品に出せる!

っと思う間もなく平らげる。


「すごい美味しかった。

 蕎麦もちゃんとしたの使えば、相当なレベルになるよ。

 さすがカレー専門店、美味しいすぎだよ。」

「ふううむ、褒めてくれるのは嬉しいが、やはり正規のメニューを食べてもらわんとその言葉はいただけんな。

 それと、うどんかそばか悩んだのだが、蕎麦のが飛び散り難いのだ。」

なるほど、確かにうどんはカレーが飛び散るね。

おそらくその差は、麺の性質による違いなのだろうとおもう。

ちなみに今は店内の向かいあった席にカライガと対面で座っている。

メニューもあったので、横目で正規メニューを見てみると、専門店なのにあれがないな。


「えっと、カライガ、キーマカレーとかはないの?」

カレー専門店なんだから、インド系のカレーとか出さないのだろうか?

そう気になって聞いてみるが、カライガは少し不機嫌そうな顔をして、一言。

「ない!」

「え、えーと、何か悪いこと聞いたかな?」

「おぬしも、日本人なら覚えておけ、カレーとカリは違う!

 カレーとは、日本独自の文化だ、それも至高の文化だ!

 ワシはカレー粉の原料は信頼置ける業者にまかせており、それをうまく料理するワシに降ろしてくれる

互いの信頼関係あってのカレー専門店!

 それゆえ、インドかぶれのカリなど置かん!

 良い悪いではない、単純にワシはカレーしか提供に値する料理を作れんだけだ!」

確かに、うろ覚えで聞いたことはあるけど、そこまで熱を込めて言うなんて。

それに、何故かちょっと自嘲もはいってるような。

けど、自らが出来ることを見極めて、商売にしてるんだから凄いよ。

これも立派な職人気質というやつだろう。


「ご、ごめんなさい、勉強不足でした。

 今度ちゃんとやってるときに食べにきますよ。」

「分かってくれたならよい。

 それでは、これをやろう、半額券だ。」

おお、ラッキー。

しかし、それならそれでカレー南蛮もカレーうどんもメニューに入れればいいのにな。

・・・・・・納得できる麺がみつからないのかな?


「おお、それと、ご飯をもってこよう。

 最後にカレー雑炊にしてもうまいのだ。」

そういって、奥に行っておひつとしゃもじをもってくる。

・・・・・・いえ、そんなに食べれませんから。


---

「ふううむ、なるほど、ランクはそういう説明だったのか。

 ワシもニュースを見ていたが、ビックリしたぞ。

 しかも、あれから今日、裁判沙汰になって異例の当日判決という事があったぞ。

 キャスターが淡々と読んでおったのがかえって不気味でしかたなかったな。」

どうもログインしている間に現実では事件が起こっていたようだ。


「そうすると、尚更下手な動きは出来ないね。

 弁護士連中も、法が整備されていない分野なので、受けかねますとかいう玉虫色の回答するみたいだよ。」

実際に、遠まわしに知り合いの弁護士に依頼して成功するかという奴がWEBで実況してたけど、VRゲームと分かったとたんに貝のように口を開かなくなったとかいうものがあったからね。

一日も経過してないのに、よくやるよと関心したけどね。


そのサイトのキーワードをカライガに伝えると、検索エンジンでそのページはかなり最初の方に来たという話だ。

明日にはトップになっているかもしれないね。


そうして、一通り話を整理すると、二人でC.R.ONLINEにログインすることになった。

なんにしても、50時間分の貯金を貯めてから考えたいという点で一致したからだ。


カレー専門店って今もあるけど、カレーって永遠に誤解されると思うんだ。

だって、美味しいからね。

だから、近未来でも、きっと誤解のまま。

ちなみに、蕎麦の話は実体験談です。

うどんでも短くすれば、飛ばないそうです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ