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ログアウト

まだ仮想世界なのです。

ログアウトする前に、まず情報を整理したいね。

そう考えて、二人が放心状態から戻るのをまってみる。


・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


二人とも戻ってきたようだ。

「ふっ・・・・・・。」

ふっ?

「おっ・・・・・・。」

おっ?


「ふざけるな! ワシが稼いだ金を一方的に搾取しようというのか!!」

「お金はうん、大丈夫、私なら大丈夫。

 大体今回で40万だけど、お小遣いの範囲だし、だ、大丈夫、あ~ビックリして焦ったわよ。」

何故か、さっきまでとは逆で感情を爆発させるカライガと、冷静になるリン、その光景をおもしろいなと思いつつも、そんな場合じゃないと気を取り直す。

・・・・・・リンもやっぱ、冷静とは言えないかな?


「やっぱり二人とも同じメッセージが流れたみたいだね。

 けど、これって絶対リアルで問題視されると思うんだけど?

 二人の情報と意見を聞かせてくれない?」

案外、冷静に話す人間がいれば引きづられて冷静になるもんで、二人は少し落ち着きを取り戻す。


「ふううむ、確かに、情報の共有は大事だな。

 ワシは最終ポイントは6になっておった。

 確か、死亡回数ゼロ、攻撃、依頼、クマといっておったかな。

 あのヘルプを確認したが、確かに今回はワシはプラスだが、続けていけばいずれ金を出す側になるのは必須だぞ!」

「私は-4ポイント、10回死んだけど、5回は初回得点でクリアされてるから。

 後は諸々で結局40万払うことになると思うわ。」

リンの台詞にカライガが目を剥く。


「おぬし、素直に払うつもりか!

 こんな不条理なお金払うことも受け取ることもない!

 然るべきところにいって、裁判でもなんでもしてぶっちぎればよかろう!」

ああ、カライガは受け取るきもないのか。

俺は受け取る気満々だったんだけどね。

ここは空気を読もう。


「二人とも落ち着いて、まずは三人の情報を整理してから、現実の情報を調べたほうがいいんじゃないかな?

 ちなみに、俺は8ポイントだった、死亡なし、クリティカル、依頼、クマって感じだったよ。」

そういうと同時に、ドアが開き他のプレイヤーが入ってくる。


「おいおい、俺は何回お前にころされればいいんだよ?」

「あ、ごめんなさい、狙うのが難しくて。」

「なかなかシビアだよな、スキルがあれば何とかなるって話だけどよ。」

「僕は接近戦のスキルしかなくって、皆それは間に合ってるっていうし。」

「なんだよ、本気でとらえんなよ、たかがゲームじゃねぇか!

 こういった話もネタのうちなんだからよ。」

「現実であったら、猟奇殺人だわな」


「すいません、部屋を一つ借りれますかね?」

人が増えたことを気にして、NPCに聞いている。

「はいよ、鍵はこれだ、201号室に行ってくれ。」

カライガとリンを促し、部屋に入る。


おれはソファに座り、カライガはベッドに腰掛け、リンはソファの向かい側に座る。

「さてと、まずシステムコールはする?」

「それは、ワシが一度やってみた。

 説明が無かった事や、金銭のやり取りが発生することの問題についての考えを聞いてみただが、契約を見ていないワシが悪者扱いされた。

 法律についても聞きたかったのだが、そこで激昂して通信が切れてしまったからな。」


あの怒声は、そういうことだったのか。

「ポイントについては話出したから、これからの行動についてどうするかだよね?」

「おぬし、まだこのゲームを続けるつもりか!

 こんな不条理がまかり通るわけなかろう!

 ワシはこんなゲームはやめてしまうつもりだぞ。

 個人情報がさらされたとて、別に然程被害はないしな。」

確かに、こんな風貌のおっさん、個人情報駄々漏れだろう。

しかしだ、なんとなく早期に対応するのは不味い気がするから、少し提案をしてみる。


「それは、ちょっと早計な判断だと思うんだけどね。

 それよりは、まずはあのルールが適正だという想定を底辺として考えよう。

 そして、それから分岐して考えればいいと思うんだ。」

「そ、そうよ、クーリングオフだって一週間以内に対応すればいいんだから、現実世界でのニュースとか確認してからでもおそくないわよ。」

今のところ、リンだけがお金を払うことになっているのに、案外普通に対応できている。

俺もプラスだから今は冷静だけど、マイナスになったらと考えると寒気がしてくる。


「ふううむ、それではもしもゲームを続けないと不味い場合の方針を考えるということでいいのか?」

「そうそう、その通り。

 それで、俺としてはこの3人、バランスが良いと思っているからパーティを今度も組みたい。

 それに皆スキルもってるでしょ、さっきすれ違ったパーティーみたいに同士討ちは避けたいしね。

 殺すまで行かなくても怪我をさせただけで、これからはどうなるか判らないしねぇ。」

多分、弁償だ保障だ責任とれというふざけたヤローが出てくるんじゃないかね。


「その案には、賛成だ。

 しかし、ワシ等が常に同じ時間帯にログインするわけにもいかんだろう。」

「それじゃ、可能な限りでいいんじゃない?

 他のパーティーに入って様子を探ることも必要だとおもうし。」

「それじゃ、お互いのログイン予定時間を教えておこうよ。

 えーと、リアルのメールアドレスも送れるみたいだね、そんじゃ送ったから登録しておいてね。」

フレンド機能で、二人にメールアドレスを送信する。


「分かった、しかしこのゲーム内で再会することはないだろうと思うぞ。

 だから、落ち着けば一度現実世界で会おう。」

「私はなんともいえないけど、とりあえず、メールアドレスは・・・・・・送ってあげるからありがたいとおもいなさい!」

二人ともログアウトしていったね。


チェックするニュースやサイトを頭の中で考えながら、俺もログアウトする。

もちろん、ちょい出てきたパーティはまだ真実を知りません。

それと、トン達の戦績は結構破格です。

けれど、トップというわけではありません。

精々が、部分的な活躍でトップグループという程度です。

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