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マスヒステリー5

このサブタイトルのラストです。

ダーナは今回の事件の真相について、殆ど興味はないようだね。

もちろん、真実を知るに越した事はないだろうけど、知ったところで俺に話すようには思えないね。


あれから、ダーナの近辺には護衛みたいのと、秘書みたいのが一緒に行動する事が多くなったよ。


「そろそろ、この巡回依頼俺等外してくれると助かるんだけど、流石にちょっと動きにくくて困っているんだよね。」

改めてダーナに巡回の依頼を受けるようになったんだけど、ちょっと束縛されている頻度が多くなってしまって、そろそろまともに狩りをしたいと思い申し出てみたよ。


「できれば、あなた達のような方には固定して依頼を受けていただきたいんですが。

 この間も、プレイヤーからの陳情を聞くことが出来て助かっているんですよ。

 それに、他の大半はギルド員が随行していますが、成果を上げたあなた達は例外とさせてもらっています。

 そうなるようにと、モチベーションを持つ他の冒険者の方々もいらっしゃるので、象徴的な意味でも居て頂けると助かります。

 なんなら、もう少し報酬に上乗せしますが、どうでしょうか?」

ダーナはあの時のPK事件を機に、この体制を作り上げたんだよね。

一種の警察機構ができてしまったんだよ。


何をどうしたのかは分からないけど、PK事件はあの時を境に無くなったんだよね。

そして、ダーナが『PK事件は我々が解決しました、詳しい話は個人を特定することになるので伏せますが、同様の事件があれば再度我々に相談下さい。力を貸します!』ってな内容で大々的に発表してからは遠慮なくなったね。

冒険者を雇って、PK事件の事後処理等という名目で巡回させて、それを定常化させたんだよね。


もちろん、冒険者の中にもなんとか報酬だけもらえればと要領よくやろうとするやつもいたけど、ギルド員の随行でそれはかなえられなかったね。

下手に買収しようとすると、巡回依頼から完全に外されたり、ランクが下がったり、場合によっては刑が課せられることもあると聞くよ。


プレイヤーはPK事件があったことで、治安が向上する仕組みには歓迎ムードだね。

そして、依頼も多々くるようになったという話だよ。


巡回の依頼報酬はこの依頼のマージンから出ているという話だね。

後は、刑によってはキャラクターの財産没収とかも出来るようになったらしいから、それも資金のひとつのようだよ。


後、聞いた話ではC.R.ONLINE内で一定の地位を手に入れると、定常的にAポイントを得る事ができるとかいう話もあるね。

これは、あくまで噂程度で真相はダーナに聞いても何も教えてくれなかったけどね。


俺達は、そんな巡回依頼の固定メンバーになってしまっているんだよ。

けど、実際の話、ダンジョンアタックとか討伐領域での狩りのがAポイント稼げるんだよね。

Dポイントの危険は当然付きまとうけど、ベアがいることで半減しているから寧ろこの依頼は他の人に譲るべきだと思ってるよ。


「何はともあれ、俺一人で決められることじゃないから、案件まとめて相談したうえでまたくるよ。

 時間はないとおもうけど、こっち来てくれた方が話早いんだけどね。」

「わかりました。

 それでは、アポの予約を・・・・・・。」

「明後日の18時~19時の間なら時間を取る事ができます。

 その後は、巡回依頼のルート選定と、陳情、嘆願書の整理、PKの量刑判断とスケジュールが続いています。

 ・・・・・・そろそろ、刑罰については他のギルドマスターに担当をお任せしてはいかがでしょうか?」

「ああ、考えておきます。

 あれは趣味に走りそうだし、あいつが適任かな?

 まあ、またギルドマスター会談で相談することにします。」

秘書は文字通り秘書の仕事をしているね。

どこぞの腐敗会社のように愛人というわけでもなさそうだよ。


そういえば、この巡回のメンバー固定化してしまえばいいとおもうんだけど、それは初期ならいいけど、長くなればなるほど馴れ合い、腐敗が蔓延するというダーナの持論で返されたね。

確かに、老舗とか大企業とか言えば聞こえはいいけど、それに胡坐をかいて社内の事に目を向けていないと簡単に腐敗するからね。

上も下も真ん中もね。


刑罰についても、おそらく運営者から了解をもぎとったんだろうね。

色々な刑罰を課すことが出来るようになっているよ。


やられた分をやり返す、Dポイントでの報復とか、Aポイントを稼がせない長期間の拘束というものが基本的な量刑だね。

後は、酷いものになるとAポイントの強制徴収とかもあるみたいだね。

逆にDポイントの累積とかもあるらしいよ。

どっちがキツイかはプレイヤー次第だね。


ただ、運営がするようなリアルへの晒しとかはやらないようだね。

個人でやる分には止めないし咎めないみたいだけどね。


何はともあれ、ダーナのやろうとしている事は叶いつつあるね。

PK事件のせいで不安が蔓延しかけたところを解決し、今後の対処も打ち立てたことで、プレイヤー達に歓迎され、陳情や別途PKへの刑罰化でなくてはならない存在と認識させたんだからね。


不安になったところに、安心できる存在を投下する。

ある意味これも、群集心理だよね。


けど、もしあのままPK事件が続いていたらと考えると怖いね。

下手したら、不安を募らせたプレイヤー達がリアルで何をするか分かったもんじゃなかったと思ってるよ。


結局のところ、ダーナの熱意というよりは各プレイヤーの認識のせいで、俺達は巡回依頼を断れなかったよ。

世論は怖いね。

マスヒステリーってマイナスイメージがあって、元々その流れで書く予定でした。

けど、それじゃ当たり前だなと思い直した結果、ダーナが大活躍です。

安心に向けての都合の良い方向にいきたがる群集心理もまたマスヒステリーの一種だろうと考えた結果です。


グリズ・リーさんについては、忘れてるわけではないけど、出すと不自然だから止めました。


次回、カライガとダーナの兄の運営者がカレー対決!

本当のジャパニーズカレーとは!!

・・・・・・嘘です。

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