表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
過労死した社畜は公爵令嬢に転生しました 〜努力が報われる世界なので今度は幸せになります〜  作者: みじんこ醤油


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/34

特大のトラブル案件、受注しました

さっそくブックマークしてくださった方がいらして、とても嬉しいです!本当にありがとうございます!!ぜひ今後も見ていただけたら嬉しいです!



エドワードが執務室を乱暴に飛び出した数時間後のこと。


国王の執務室では、ラグランジュ王国の頂点に立つ二人の男が、一人の五歳児を巡って対峙していた。



国王リチャードは、親友でありアルヴェルト公爵家当主であるヴィンセントを呼び出し、真剣な面持ちで切り出した。


「……ヴィンセント。あの子はエドワードの歪みを真っ直ぐに見据え、しかも優しく諭してくれた。周囲が腫れ物に触れるように扱うあいつには今、リリアーナ嬢のような慈愛が必要なんだ。……あいつの婚約者にしたい」


「断る」


ヴィンセントは、一拍の迷いもなく即答した。

その瞳には親友への情け容赦ない拒絶が宿っている。


「貴様の息子に、うちの可愛い娘はやれん。大体リリアーナはまだ五歳だぞ! まだ泥遊びをして、寝る前にパパと絵本を読んで笑っているような子供だ。あんな、感情を爆発させてカップを割るような小僧に預けられるか!」


「そこをなんとか頼むよ」


国王は肩をすくめながらも諦めず、将来の国のためだ、親友として頼む、と粘り強く説得を続けた。


王としての威厳を捨てた、一人の父親としての切実な訴えに、ヴィンセントは最後まで渋い顔のままだったが、「数いる候補の一人としてなら」という条件付きで、ようやく話を持ち帰ることに同意した。



――が。


数日後、王宮から届いた正式な書状を読んだ瞬間。

アルヴェルト公爵家の屋敷に、父の魂を削るような絶叫が響き渡ることとなった。


『リリアーナ・フォン・アルヴェルトを、次期王妃――婚約者候補筆頭に指名する』


「筆頭だとぉぉぉ!? ほぼ確定じゃないか!! 話が違うぞリチャードォォ!! やりやがったな、あいつ!!」


父が頭を抱えてのたうち回る横で、母エレインは至極冷静に、けれど静かな眼差しを私に向けた。


「リリアーナ。あなたはどうしたい? 相手が王族であろうと関係ありません。あなたが嫌だと言うなら、公爵家の力を使って、何がなんでも白紙にしてもらうわよ。お父様もその覚悟はできていますわ」


(……正直、最大級のトラブル案件だわ。前世なら、あんなにハッキリ拒絶されたクライアントの担当なんて、胃が千切れるから絶対お断りだもの)


でも。


私の頭の中に浮かんだのは、あのお茶会で走り去る直前の、エドワード殿下の顔。


「大嫌いだ」と叫んでいたあの瞬間。

怒っていたはずなのに、ほんの一瞬だけ見えた、あの寂しそうな瞳。


(あれは……愛され方を知らないまま、期待という重圧に押し潰されそうになっている、孤独な子供の目だった)


社畜時代、私は理不尽に怒鳴り散らす人たちを何度も見てきた。

でも、彼らはみんな、不器用なだけのことも多かったのだ。


もしあの方が、立派な王様になったなら。


私の大好きな家族も。

美味しいお菓子の時間も。

この平和で温かい毎日も。


きっと、この先もずっと守られる。


「お母様」


私は、髪を揺らして小さく微笑んだ。


「私、あの方の力になってみたいですわ。私、あの方の力になってみたいですわ」


そして、今にも王宮へ殴り込みに行きそうな父をなだめるように、少しだけ悪戯っぽく付け加える。


「それに……王宮の庭園、とても広そうですもの。探検してみたいですわ」


母は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに優しく笑って私の頭を撫でてくれた。


一方、父は「リリアーナ……パパがもっと広い庭園のある島を買ってやるから、あんな生意気な小僧のところへなんて行かなくていいんだぞぉぉ!」と膝から崩れ落ちていたが、私の腹は決まっていた。



長くなりそうだったので2話に分けます(;Д;)


読んでいただき、本当にありがとうございます!

もし「続きが気になるな〜」と思っていただけたら、ぜひ応援(ブックマークや評価)をお願いします!

めちゃくちゃ執筆の励みになります……!


まだまだ慣れないので、誤字脱字などあれば「ここ違うよー!」とコメントで教えていただけると助かります!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
確かにこの子は、そばにいたらいいと思うけど、生活の中のほんの一部分。 朝から晩までそばにいる人達がしっかり教育してくださいよ〜。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ