限りなくゼロに近くても
皆さんはシュレディンガーの猫をご存知だろうか。
箱を開けるまでは猫が死んでいるか生きているか分からない。
都合良く言えば、箱を開けるまで生きてる猫と死んでる猫、どっちもいるよね。って話である。
つまるところ、箱は開けてみないと分からないのだ。
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キーンコーンカーンコーン
終礼のチャイムが鳴る。
特に予定の無い俺はクラスの端でラノベを読んでいた。終礼後すぐは靴箱が人でごった返しているからだ。
数分後
そろそろ帰ろうかと思い、ラノベをバッグにしまおうとすると、1人の生徒が話しかけてきた。
「よ!もう帰んの?ちょっと聞いてくれよ〜」
クラスの陽キャ、澄川成弥だ。
成弥は陰キャの俺にも話しかけてくれるイイヤツで数少ない友達の1人だった。
「どうしたんだ?」
「俺今日好きな女子に告るんだけどさ、マジで緊張するんだよ!」
興奮した様子で話す成弥は鼻をフンスと鳴らす。
へぇ告白、陰キャには関係ない話だな。
「お前なら成功するだろ。」
「そうかなぁ、
あ!そろそろ時間だわ!じゃあまたな!」
そう言って隣のクラスに駆け込んで行く成弥。
隣のクラスの奴か。
……少し気になるな。
俺は壁に耳を傾ける、わずかに声が聞こえるぞ。
「俺と、付き合ってください!」
「ごめん、貴方とは付き合えない。」
……うん、聞かなかった事にしよう。
俺は学校を後にした。
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風呂と夕飯を終え、俺は部屋でラノベを読んでいた。
……あぁ、集中できない。
聞かなきゃよかったな。友達が振られるのなんて聞きたくないさ。
アイツを振るってどんなヤツだよ、考えたらイラついてきたな……
告白、か。
俺にも好きな人ぐらい、いるさ。
俺なんかが告白しても断られるんだろうな。
いっそ告白しようかな。
思い切って振られたい気分だ。
……ん?聞かなきゃよかった?
相手の返信を聞かなきゃ振られた事にはならないのでは?
俺は思い付いた。
シュレディンガーの告白だ。
告白する確率が限りなくゼロに近くとも、返信を聞かなきゃ振られていないのだ。
ははっ
なんか楽しくなってきたな。
よし、
明日告白しよう。
主人公 、宮木広
ラノベ好きの陰キャ。
本人は思っていないが、かなりイケメン。
ただ性格が根暗なので基本ボッチ




