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お客さまはどのような方なのですか?


その日からです。

リュミエルさまより、ドレスや帽子、ジュエリーなどの贈り物が届くようになったのは。


レオポルドさんが面倒くさそうに仰います。


「当たり前です。この城のおもてなし係がどのような立ち位置なのかをお忘れですか? 城の、いえリュミエルさまのお顔に泥を塗るようなことがあれば、即刻……」


ギクッとしました。まさか、即刻……。


「減給の刑ですよ」


冷や汗が出ました。良かった、お給料減らされるだけで。ふゅー。


「とにかく粗相をしないよう気をつけていただきたい。身だしなみにも気をつけるように。リサにもそのように伝えておきますから」

「わかりました。お役に立てるよう、精進します」


さて。おもてなし係とは。ここからが本番です。


「リュミエルさまは、アレーラ王国の第二王子。時々、国王陛下や第一王子のシャロンさまから、使いの方がいらっしゃいます。また、婚約者候補の姫さま方、リュミエルさまのご友人方など、来賓の方々がおくつろぎいただけるよう、あなたには会場のセッティングをしていただきたい」


なんともスケールがでかすぎやしませんか?


私は、島津商事にて、お客さまへのお茶出しくらいしかやったことがないのです。それなのに、求められる職は、総合プロデュース。


「ほほほ」


笑うしかありません。


「なんです? その笑いは。ははあ、もしかしたらあなた、自分にこのような大きな仕事は到底できませんと? 無理ですと?」

「ほぼ当たりです」

「そうですか。仕事ができないと言うなら、即刻……」

「即刻……」

「打ち首です」

「やります」


そんなわけで、私はおもてなし係を拝命しました。

みなさま、どうぞ暖かく見守っていてくださいますよう。



キッチンカーで『アメリカンドック』を食したのち、私はおもてなし係の仕事をなんとかこなしながら、働き回っておりました。仕事のお話はさて置いて。


今日はお仕事がお休みの『つづや』のカンジさんよりお誘いがあり、城下町にある公園へとピクニックに行く予定を立てておりました。


相変わらずリュミエルさまはお忙しく、初対面の時からいまだお話もできておりませんが、迂闊なことを申し上げ、打ち首の刑になってもいけません。


触らぬ神に祟りなし的な感じで行こう! と心に決めております。


ご指示は、執事のレオポルドさんから下りてきますので、そのスタンスで特段不自由はありません。


公園のベンチでカンジさんと二人、座りました。


「エレさん、すみませんっす。俺、食いもんとかなんも持ってこなくて」


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