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私がなにをしているかとお思いですか?


「私の外出先を知っているのは、リサさんくらいですね。早く布地屋さんへ行くように急かしたのもリサさんでした。もしやリサさんとアラハムさんが結託しているとか……?」


もしそうだとして、なんのためにそんなことをしているのかも意味不明。


私の財産でも狙っているのでしょうか。私がキッチンカーにお支払いしたのは、アメリカンドッグ代500アレプラスチュロス代300アレのみ。違いますね。


「うーん。確かカラアゲ&モチモチポテトの時は、調理室のサイさんがイヤにカンジさんとのお出かけの詳細を訊きたがっていましたね……」


よくわかりません。

ただ。


「あの日、サイさんがシンクにマッシャーを落としていました。あれは、まさか」


キッチンカーのノボリにリンクした気がしました。

あの日食べたモチモチポテトは、ただジャガイモを切っただけのポテトではなかったからです。


城の皆さんが、さらに怪しく見えてきてしまいました。


そして極めつけな出来事がございました。

それは、週に一度のお給料日の日のことでした。


「あれ? レオポルドさん、お給料がいつもより多い気がします。珍しいことがありますね。レオポルドさんがミスされるなんて」


封筒の中身を覗き込みながら、私は言いました。


「なにを言っているのですか、失礼な。私が間違えるはずはないです。確かに計算し、封筒に入れましたよ」

「2000アレ余分に入っています」


私がずばんとご指摘しますと、レオポルドさんは1ミリも鉄面皮を崩さずに、「特別手当ですよ」とずばんと仰るではありませんか。


そこまで、1ミリが命取りなのでしょうか、と頭を捻りながらも、


「特別手当とは? もしかしてアレ・・ですか?」

「そうです。アレ・・です」


決まりです、真実はいつもひとぉーつ!


私はこう考えました。

グルなのでございます。この城の方々はみな、グルになって、おもてなし係の仕事に奮闘する私を、癒そうと・・・・してくれているのではないか。


…………。

…………。

のかな?


私はコナンくんではありませんので、実際推理は当たりやしませんが、まあそういうことにしておきましょう。


「私、たこ焼きとか焼きそばとかも大好きですし、焼き鳥やフランクフルトなんかも好物です。以後、多彩なメニューのラインナップをどうぞよろしくお願い致します!」


限りなく棒読みで、どことなくさりげなく叫びます。そんな私を呆れた目で見ているレオポルドさんは、「誰に向かって言ってるんだか……もういいですよ。下がりなさい」


「お給金をありがたく頂戴いたします」


封筒を、すっと懐に入れました。



とか言っておきながら、私は今、城の調理室の前に設置してあるゴミ箱の中に潜んでおります。


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