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この地には古くから「粋呑」という怪物がすんでいた。
スイトンは人間が考えたり思ったりしていることがみんな分かるのである。だから、もし悪いことをたくらんだり、他人に迷惑をかけたりした者がいれば、どこからともなくスイーと現れ、トンと一本足で立ったスイトンにたちまち引き裂かれ、食われてしまったという。
だからこの地には悪人はいない。
そして、我々は、町を挙げてこの残された少女を幸せにしなくてはならない、それこそが最後の晩餐であると。我々の血肉を与える事であると知っているからだ。