表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

5

入り口に手をかけ、こちらを覗きこんできたのは、

大きな体の.........狼?


思わず全てを忘れ、ぽかんと口を開けて固まった。


多分、人の身体をした、でも、首から上が狼なのだ

いや、犬?狼?違いがわからない...

そして彼(?)も覗きこんだままこちらを凝視している。


「、、、、、ッッ無事か?!ケガは?!大丈夫なのか?!」


しゃべった・・・?!日本語?!しゃべった?!

びっくりして話そうとするも


「っっ、あ、」


必死に声を殺してたせいか、上手く声が出ない


「怪我しているのか?!」


答えるより先に彼の大きな手が勢いよく伸びてきて

でも私に触れる前にビクッと一度止まってから

優しく私に手を回し、囲いこむように窪みから慎重に引き上げた。


一通り私の全身を眉間?に皺を寄せながら見て、

スハスハと鼻を鳴らしつつ

心配げに匂いを確認している姿を見て、


実家にいるルイ(シベリアンハスキー♂7才)を思い出した。


彼は私を妹か守るべき子分と思っているらしく、

私を心配している時に同じように確認してきていた。


いや、ルイはもう少しスンスン、クンクンって感じだったかも。

こんなにスハスハはしてなかった気もする。


でも自分の味方を思い出したからか、

やっと少し息を吐き、少しだけ力が抜けた。


そして思った。


この人(?)絶対犬だと。


「あ、あの、私大丈夫です。その、お、驚いてしまって・・・」


それまでスハスハと匂いを嗅がれ、

さっきよりだいぶ近くなってる距離に

びっくりしつつ声を出すと


彼はハッとしたようにこちらを向き、

一瞬フニャっとした(気がする)後、

またハッとして


「しっ失礼した、無事でよかった。本当に大丈夫か、どこか痛みなど...」


と言いかけてバッと下を向き

足首を見たようだ。そして下から上に視線を上げていき、

ガチッと止まった。


先程も確認した時に見てたような気がするけど、、、

パンツスーツ?なんだろう?と考えて私はハッとした

めっちゃ近くで匂い嗅がれてた気がするけど

私もしかしてすごく臭いんじゃ・・・?!

えっ、えっ恥ずかしい、、、


危険がないようだと思ったら色々気になってくる。

犬だし、しゃべってるし、なんかまともそうな人だけど

ずっと近いし、、、!は、恥ずかしい、、、!


「ぁっ、あの、、、」


と声をかけると、彼は先程の止まった角度のままブワッと

毛を逆立て、勢いよくベスト?チョッキ?のような

もののお腹ら辺からマントまではいかない布を取り出した。


そして素早く私のお腹から足先まで覆うように巻き付けると、

私を抱き上げた。

早すぎて固まっていたが、気づけばいわゆるお姫様抱っこである。


「・・・え」と呟く私

「すまない」という彼。


えっいや、えっ?と私は大混乱


「あの、「おーい、そろそろいい?大丈夫だった??」」


彼は私の顔をじっと見つめていたが聞こえた声に


「む、、、」


と声を漏らしてから、再度私をしっかりと抱え直し、

彼の胸側に顔が向くようにされた。


お姫様抱っこからほぼ抱え込まれている状態になり周りが見にくい。


「無事だ!今そちらへ向かう!」


彼が大きな声で答え、


「このまま移動する、足を怪我しているだろう。痛かったり

何かあれば言ってくれ」


と私に優しく声をかけ歩き出した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ