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56話 冒険者ギルドに報告

 街に戻ってきた。

 さっそく、三馬鹿とともに冒険者ギルドに向かう。


「依頼通り、ゴブリンの巣を潰した。依頼の達成処理を頼む」


「はい。お疲れ様でした。リキヤさん、それに”赤い三連星”の皆さんも」


 受付嬢がそう言って俺たちを出迎える。


「それにしても、皆さんの実力はさすがですね。ベテランの”赤い三連星”の皆さんに期待の大型ルーキーであるリキヤさんが加われば、ゴブリンの巣も無事に潰せるとは……」


「ああ。なんてことはない仕事だった」


 俺はそう返す。

 もっと強い魔物と戦いたいものだな。


「……おや? ”赤い三連星”の皆さんに元気がないようですが……。どこか怪我をされたのでしょうか?」


 受付嬢が心配そうな顔でそう言う。

 確かに、三人の顔色は悪いように見える。


「お、おう……」


「ちょっと信じられないものを見たからな。ギャハハハハ……」


「こんなやつがこの世に存在するとは……」


 三馬鹿がそう呟いた。


「ええっと……? よくわかりませんが、処理の方を進めさせていただきますね。まずは、ゴブリンの討伐証明部位を提出願います!」


 受付嬢がそう言う。


「ふむ。わかった」


 俺はゴブリンの耳を入れている袋を取り出し、彼女に渡す。

 前回のように、カウンターの上にぶちまけることはしない。

 彼女が袋の中を確認する。


「わわっ! これはまた、とんでもない量のゴブリンを討伐したようですね……」


「ああ。ざっと100匹は倒しただろうな」


 数えたわけではないが、体感ではそれぐらいだと思う。


「そ、そんなに大規模な巣だったのですか! それは、ゴブリンキングが発生している可能性がありますね……。リキヤさんたちが遭遇せずに済んで、よかったです!」


 受付嬢がそう言う。


「ん? ゴブリンキングとやらなら、倒したぞ」


 俺はそう答える。


「え?」


 受付嬢が目を丸くする。


「聞き間違いでしょうか? ゴブリンキングを倒されたと聞こえたのですが……」


「聞き間違いではないぞ。確かに倒したとも」


「ええっと……。わずか4人で討伐されたと? 皆さんの確かな実力は知っていますが、さすがに信じられませんね……。討伐証明部位は、この袋に入っていないようですが……」


 ゴブリンキングの耳は、通常のゴブリンの耳よりもひと回り以上大きい。


「討伐証明部位としては持って帰ってきていないな」


 俺はそう告げる。


「言いにくいことですが、それだと討伐を認めることは難しいのですが……」


 受付嬢が申し訳なさそうにそう言う。


「心配ない。ちょっと待ってろ」


 俺はそう言って、冒険者ギルドの出入り口に向かう。

 邪魔になるかと思い、ゴブリンキングとゴブリンエンペラーの死体は冒険者ギルドの外に置いているのだ。

 それらを両肩に担く。

 そして、またカウンターの方に戻っていく。


 討伐証明部位としては剥ぎ取っていないが、右耳ももちろん健在だ。

 死体まるごと持ってきたら、さすがに討伐を認めてもらえるだろう。

 報奨金やランクアップに期待したいところだ。

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