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15話 盗賊団のアジトで大暴れ

 盗賊団のアジトに潜入した。

 アジトの奥にて、20人以上の盗賊たちに囲まれているところだ。


「ノコノコ1人で現れやがって! この人数に勝てると思ってんのか!?」

「ああ。もちろんだとも」


 俺はそう言いながら、手始めに戦闘の男を殴り飛ばす。


「がっ!?」


 男はまともに反応すらできていない。

 油断しすぎだろ。

 戦いはもう始まっているんだ。

 男は鼻血を吹き出しながら後ろに弾け飛び、意識を失った。


「なっ!? こ、こいつ……!」

「なかなかやるぞ! 気をつけろ!」


 ふむ。

 わずか一撃で、ちゃんと警戒を強めるとはな。

 意外としっかりしている。

 だが、気をつけてどうにかなる程度と思われているのは少し心外だ。


「俺の合図で一斉にかかるぞ」


 少し立場が上らしき男がそう言う。

 そして、他の者がそれに従い、攻撃の機を伺っている。


「……今だっ!」

「「「うおおおぉっ!」」」


 盗賊たちが、四方から取り囲むように攻撃してくる。

 剣と槍。

 受けても問題ないだろうが、ここは……。


「ほいっと」


 俺は突き出された槍を軽くいなして、そのまま反対側まで突き出させる。

 俺を挟んだ反対側には、もちろん他の盗賊の男がいる。

 その男の腹に、槍が深々と刺さる。


「ぎゃあっ!」

「う……。す、すまん」


 刺された方は悲鳴をあげる。

 刺した方は、謝罪の言葉を口にする。


「謝っている暇があれば、次の手を考えろよ」


 俺は槍を持っていた男の首を掴み、締め上げる。


「がっ! ……! …………っ!」


 男は必死に俺の腕を振りほどこうとするが、もちろん俺は簡単には放さない。

 彼は少しして、気を失った。


 力をもっと込めれば、首の骨を折ることも可能だった。

 別に殺すのも悪くないが、後で奴隷として売却するためにできるだけ生かしておく作戦である。

 あっさりと戦闘不能になっていく仲間たちを見て、盗賊たちは尻込み気味だ。


「野郎ども! 何をビビってやがる! 数で押し切れ!」

「「「りょ、了解しやした!」」」


 ボスの一声で、盗賊たちに少し落ち着きが取り戻される。


「よし。足止めしているうちに、あれをやれ!」

「あ、あれですか。承知しやした!」


 ボスとともに後方で待機していた男に向かい、ボスが何やら指示を出している。

 あれとは、いったいなんだろうか。

 指示を受けた男が、何やら両手をこちらにかざしてブツブツつぶやいている。


「……我が求めに応じ、敵を焼き払いたまえ! ファイヤーボール!」


 ボッ。

 男の手のひらから、火の弾が発射された。


 おお。

 これはもしや、魔法というやつか?

 ここが地球ではないことは、もはや確定的だな。

 なかなか興味深い事象だ。


 直径は20センチ以上はあるか。

 なかなか熱そうである。

 こちらに向かってくる。


 避けたほうがよさそうだ。

 しかし、俺の周りには足止め要員の盗賊たちがまとわりついている。

 別に強引に振りほどいてもいいが、ここは……。


「ふうっ!」


 俺は息を吐いて、その火の玉を消す。

 誕生ケーキのロウソクの火を消すような要領だ。


「なっ!? お、俺のファイヤーボールがかき消された? お前、いったい何をした!?」

「なあに。ロウソクの火を息で吹き消しただけさ」


 俺はそう言いながら、俺にまとわりついていた男たちの意識を刈り取っていく。


「バ、バカな。そんなこと、できるわけが……」

「それができるんだなあ。もっと世界の広さを知るべきだな」


 俺はそう言いつつ、魔法使いの男の首筋に手刀を叩き込む。

 彼はあっさりと意識を手放した。


「さて。これで、残るはお前さんだけだぜ」

「ちっ。部下どもをやってくれたな。だが、俺はそう簡単にはやられんぞ」


 ボスがそう言って、戦闘態勢をとる。

 たかが盗賊とはいえ、20人以上の無法者たちの頂点に立つ男だ。

 それなりに期待できるかもな。

 俺はウキウキしながら、戦いの構えをとる。

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