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11話 襲われた行商一家

 時は1週間ほど前にさかのぼる。


 フィーナの村から、少し離れた街道にて。

 1台の馬車が、盗賊たちに追われていた。

 馬車に乗っているのは、行商の一家だ。

 30代くらいの夫妻と、10代中盤の娘である。


「く……。逃げ切れるか……」

「あなた」

「お父さん」


 必死に馬の手綱を握る男に対し、彼の妻と娘が心配そうにそう言う。


「ギャハハ! 待て待てい!」

「ヒヒヒ! 粘るねえ。いつまで持つかな?」


 追っている男たちがそう言う。

 男たちは馬に乗っている。

 荷物を運んでいる馬車よりも、スピードでは上だ。

 徐々に差が縮まっていく。


「く……。エミリー、あれを使え!」

「わかった! ……爆ぜろ、爆炎石!」


 行商一家の娘が、何やら唱えた後に石を盗賊たちの足元に投げつける。

 そして。

 ドゴオン!

 石が爆発した。


「ちっ。爆炎石か。鬱陶しい」


 盗賊たちは、かろうじて爆発を回避する。

 しかし、回避行動のために速度は犠牲になった。

 逃げる行商一家との距離は広がった。


「ヒヒヒ! でも、ムダさ。あの先には……」


 盗賊の男が、怪しい笑みを浮かべながらそう言う。

 行商一家の馬車が向かう先には、盗賊の集団が待ち構えていた。

 ざっと20人以上。

 馬車の通り道には丸太が置かれている。

 強行突破は難しい。


「くっ。逃げられんか……!」

「あなた」

「お父さん!」


 とうとう、行商一家の馬車は完全に停止することになった。

 ここぞとばかりに、盗賊たちが距離を詰め、ぐるっと取り囲む。


「ギャハハ! おとなしく金目のモンを全て渡せ!」

「ヒヒヒ! 抵抗はムダだぜ!」


 盗賊たちがそう言う。

 行商一家の馬車の中には、現金や商品が積まれていることだろう。

 それらを全てぶんどれば、それなりの収入になる。

 さらに、この場にはそれ以上に価値のある財産もある。


「わ、わかった。金は全部渡す。だから、妻と娘だけは許してくれ!」


 行商の男が悲壮な顔でそう言う。

 大人数の盗賊に取り囲まれた以上、逃げることは現実的ではない。

 ここは何とか機嫌をとり、金目のものだけで許しを請うしかない。 


「ギャハハ! 利口な判断だぜ」

「野郎ども! 全てを奪いアジトに持ち帰るぞ!」


 ボスの指示に従い、盗賊たちが物品の確認を始める。

 とは言っても、馬車ごと奪うのでさほどの手間はないが。

 馬車内の物品をざっと確認した盗賊たちは、次に行商の妻と娘に目をつける。


「ガハハ! この女も高く売れそうだな! ちょっと年はいっているが」

「ヒヒヒ! 若さならこっちの娘のほうがいいぜ! まだ体は成長しきってねえがな!」

「きゃあっ! や、やめて……」


 盗賊たちが、行商の妻と娘に手を出す。

 娘は怯えて抵抗するが、もちろん盗賊たちの腕力には逆らえない。

 あっという間に服を脱がされていく。

 10代中盤の、まだ成長しきっていない裸体が盗賊たちの目に晒された。


「なっ!? 妻と娘には手を出さないと……!」


 行商の男が必死の形相でそう言う。


「ギャハハ! 若い女を目の前にして、手を出さない理由がどこにあるんだ!?」

「金目のモンつったら、もちろん女も含んでいるに決まっているだろうが!」


 盗賊たちがあざけるようにそう言う。


「ガハハ! せっかくだし、コイツの前で犯してやることにするか!」

「そりゃいい! 夫の前で、この女をよがらせてやるぜ!」


 盗賊たちが行商の妻に群がる。

 服を脱がせ全裸にして抑えつける。


「こっちの娘もだ! 体がまだ成長しきってねえガキだが、やることはやれるだろう」

「父親の前で、経験豊富になるところを見せてやるぜ!」

「「「ぎゃーはっはっは!」」」


 哀れな行商一家。

 妻と娘が全裸にされて輪姦されるところを、夫が死にそうな目で見ている。


 盗賊たちはたっぷりと楽しんだ後、戦利品と行商一家を連れてアジトに引き返した。

 アジトで待つ仲間たちが、再び楽しむことになるだろう。

 行商一家の命運は、尽きようとしていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] ハーレムパーティーに比べて、非常に重い描写と感じました。
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