第47話 高級品
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最初のタイトルがどうしても諦めきれなかったので、つけ足ししました。ちょくちょく変えてすみませんm(_ _)m
また長くなってしまいました(笑)
前回卸した林檎やらモラやらは同じ数用意できたから安心だとして、問題は葡萄。
実りまくったせいでなんと1500房収穫できた。実り過ぎだわ。
「葡萄の卸値はどうします?」
「そうじゃのう……。1房2150エルにして、ダッドらには2600エルで売らせようかの」
1房? 1房って今言ったよね? 箱じゃなくて?
「あの、さすがに高過ぎやしません? もうちょっと安くてもいいんじゃあ……」
都会で売ってる高級葡萄ばりの値段じゃない? 田舎から出たばっかの時に目ん玉飛び出たんだよ私。
「ニャオよ。この地方では葡萄はにゃかにゃか育たん故に高級品にゃんじゃよ」
「僕は物の売り買いは専門外ですが、この味にゃらこらぐらいの値段は妥当だと思いますよ」
「林檎はもっと高くてもいいと思いますけどねぇ」
「そなたは黙っとれ」
はいはい私が悪うございましたから喧嘩しないで。
▷▷▷▷▷▷
今まではペリアッド町に行くまでは徒歩だったけど、今回から福丸さんか漣華さんに乗せてもらうことになった。
理由は盗賊とかならず者に襲われない為。
帰宅した後、800万の現金を持ったまま歩き回っていたことに気づいて肝を冷やしまくったから、ニャルクさん達に銀行みたいにお金を預けられる場所がないか聞いたら、終戦直後まではあったけど今はなくなってしまったらしい。
なんでも、銀行の制度は戦時中召喚された異世界人から教わったみたいで、それまではその異世界人を中心に問題なく機能してたそうだけど、戦後の貧しい時にちょろまかした奴がいたんだとか。
幸いすぐに気づけたから被害は少なかったみたいけど、責任を感じた異世界人は、自分の貯金を被害に遭った人達に配ってほしいって書いた遺書を、口座番号と一緒に頭取宛に残して首を吊ってしまったらしい。
その一件があってから、お金の管理は自分で、の昔ながらのやり方に戻ったんだとか。
まあ、そんな過去があるなら仕方がないよね。繰り返しちゃいけないことだ。だけど不安だなぁ。これからもこんな大金持って歩かないといけないなんて。ひったくりにあったら最悪なんてもんじゃないよ。
そんなこんなで悩んでたら福丸さん達が来て、どうかしました? って聞かれたから正直に言ったら、なんかそういうことになった。
「準備はできましたか?」
シャクシャクと林檎を食べていた福丸さんが聞いてきた。
「はい、お待たせしてすみません」
「いえいえ。では出発しましょう」
私のマジックバッグと福丸さんのマジックバッグを肩にかけて背中に乗せてもらう。ニャルクさん達が慌てた様子で駆けてきた。
「フ、フクマルさん、乗せてください!」
「儂もじゃ! 儂もこっちがいいぞ!」
「ヒャンヒャンヒャンッ!」
「情けない奴らじゃのう」
のっそりと追いかけてきた漣華さんが呆れ顔で言った。
気持ちはわかるけどね。私も飛行機苦手だもん。だけど漣華さんは平気だ。安心感が全然違う。
「いざという時の為に慣れておいた方がよかろうに」
「まあまあ。無理を強いれば恐怖しか覚えませんよ」
「少しずつ慣れればいいと思います。だから今日は勘弁してやってください」
こないだ怖い思いしたばっかりだもんね。
「まあよいわ。で、今日は売った後はすぐ帰るのか?」
「いえ、お風呂に入るのに必要な物がほしいので、ちょっと買い物がしたいです。石鹸とかシャンプーがあればいいんですけど……」
「シャンプーとな?」
「えーっと、髪を洗う為の物ですね」
「洗髪用石鹸なら売ってますよ」
洗髪用石鹸とな?
「以前、髪の傷みを嘆いた異世界人の女性が、アシュラン王そっちのけで開発した物です」
「……ああ、まあ、女性ならやりそうですね」
髪は女の命だもんね。そっちのけはいただけないけど、現代の私はその人のおかげて大助かりだ。
「では迎えはこの間と同じくらいでいいか」
「あ、漣華さんが来てくれるんですか?」
「ふにゃっ! の、のうレンゲ殿。帰りもフクマル殿にお願いすることは……?」
「ならぬ」
「そ、そんにゃあ……」
「そなたらの為だ」
漣華さん、存外スパルタだなぁ。
ま、帰りのことは置いといて。そろそろ出発しますかね。
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