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第155話 最後の1体+……?

ご閲覧、評価、ブックマークありがとうございます。

昨日初めて総合ポイントが1000を超えました! 皆様ありがとうございます(*´∀`)♪

 グラーキ狩りは順調に進んで残り1体になった。でも魔石はなかった。残念。


「最後のが卵持ちの個体だよ。今まで以上に気をつけてかかるんだね」


 そのさんに言われて頷けば、シシュティさんが気合いを入れるみたいに両頬を叩いた。毛が生えてるから派手な音はしない。気合い入るのかな、それ。


「漣華さんは興奮気味って言ってましたけど、どういう風に気をつけたらいいとかあるんですか? 今までの奴らと違う動きをするとか、毒の効果が違うとか?」

「そういう話は聞かないねぇ。ただ、グラーキは普段食事をする為に毒を使って相手を操るけど、卵持ちとか怪我をしてる個体は身を守る為に使うこともあるって聞いたことがあるね。見たことはないけど」


 長生きのそのさんでも見たことがないのか。だったらあんまり気にしなくていいかな。あれ、これフラグか? フラグなのか?


『◎✕、△△◎!』


 おお、シシュティさんやる気だねぇ。まあここで考えてても仕方がないし、最後の1体を片づけましょうか。


「そろそろ狩りに行きましょう。そのさん、どっちにいます?」

「ちょいと待ちな」


 そう言って、そのさんが尾先で頬をつついてきた。ちと痛い。


「なんだいあんた、さっきからあたしに聞いてばっかりで。少しは自分で探すってことをしたらどうだい?」


 いやいやいや、突然何を言いなさるの?


「私は探索のスキルは持ってませんよ。シシュティさんもです。探せないですってば」

『✕、▽□……』

「全く、若い奴らはすぐできない、やれないって言うんだから、困ったもんだよ」


 そんなこと言われても……。


「ニャオ。あんた、〈獅子の心臓〉を使ってごらんよ」

「え、そっちのスキルを?」


 使えって言われても、どう使えばいいんだろうか? レアスキルってことぐらいしか知らないんだけど。


「心臓の名がつくレアスキルは、獣や魔物に近い能力を引き出すことができるんだ。あんたはライオンの能力をそこらの獅子獣人や獅子人以上に使うことができるけど、それは普通のライオンじゃない。わかるだろう?」

「わかるだろうって……。……あ、芒月のパパ……」


 ネメアン・ライオンか? 私のレアスキルは芒月パパ由来のものなのか? この姿は芒月パパが元だとはわかってたけど、レアスキルもか? だとしたら養育費もらい過ぎだわ。


『▽□、○○✕?』

「ん? ああ、こいつは〈水神の掌紋〉以外に〈獅子の心臓〉も持ってるんだ。というか、こいつが熱を出して、あたしの毒が必要になったあの時に発現したんだよ。だから今回はそっちを使えと言ってるんだ」

『……。……??』


 なんか面白い顔でこっち見てるな。なんで今さら……あ、そういえばそのレアスキル、漣華さんと話しただけで他のみんなに言ってなかったな。こりゃ怒られる予感がするぞ。


「ほら、ちんたらしてないで、さっさとやりな」

「やりなって言われても、どうやったらいいんですか?やったことないからわからないですよ」

「はぁ~~~、レンゲの奴は何やってるんだろうねぇ。しょうがない、あたしが教えてやるから目を閉じな」


 深~いため息をついたそのさんが、体を使って私の瞼を閉じさせようとしてくる。やめてやめて、自分で閉じられるから手伝わないで。あんまりされると目玉潰れるから。


「はいはい、閉じました閉じました。次はどうしたらいいですか?」

「遠くのことを知る為に、想像するんだよ。あたしだったら古木の枝が伸びる様を思い浮かべるけど、あんたはどうする?」


 古木の枝? よくわからないな。つまりそのさんは、伸びた枝に異物が触れるかどうかを見極めてるってこと?


「うーん……」


 さてどうしたものか。遠くのことを知る為に、知れる範囲の中にある異物を探す為に、何を想像するか……。

 ああでもないこうでもないと悩んでたら左手を握られた。シシュティさんだ。もふもふが気持ちいい。ぴちゃん、と音がした。

 心に浮かび上がった水面に雫が落ちた。波紋が広がっていく。綺麗な円は崩れない。でもしばらくしたら、水面から突き出た岩にぶつかって波紋が乱れた。あれが異物か。


「見つけました」

「早かったねぇ」


 ええ、自分でも驚きです。でもそれだけじゃない。


「たぶん南。走って7分ぐらいの距離だと思います。途中に障害になるようなものはありませんが、グラーキは2人か、2体か、操ってるみたいです」


 岩の近くに小岩みたいな異物があるのがわかった。グラーキの毒にやられた何かだ。助けるべきか、狩るべきか、私じゃわからない。


「上出来だよ。初めてにしてはいい掴み合いだ」

「急ぎましょう。人間だったら助けないと」


 そう言えば、そのさんはシシュティさんに私が感じたことを伝えてくれた。グラーキの毒に中った何かがいるってところで目を真ん丸にして、南の方を指差してる。


「ほら、相方も行こうと言ってるよ。さっさと終わらせちまいな」

「言われずとも」


 シシュティさんが先に走り出す。だけどすぐに追いついた。自分より小さい体を肩に担ぎ上げて、スピードを上げる。

 この姿なら私の方が早いからね。舌噛まないように気をつけて。

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