余話第22話 いざ潜入!
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洞窟の入り口近くに降りた仔ドラゴン達が翼を畳むと、ニャルクがころりと転がり落ちた。
「し、死ぬかと思った……。本当に死んでしまうかと……」
「落とすわけないじゃん。失礼なこと言わないでよね」
むっとした顔でセイライが言った。
「ニャルク、いっつもママとかレンゲ姉ちゃんに乗ってるじゃん。なんでそんなに怖かったの?」
「安定感が全然違うんですよ! あにゃた達に乗るのはまだ早いんです!」
シャーッ! とニャルクが威嚇するものの、仔ドラゴン達はどこ吹く風だ。
「ねえ、この洞窟にバジリスクがいるの?」
「そうだよ。ここのずっと奥の方」
「じゃあ早く捕まえに行こう。夜ご飯に間に合わなくなるぞ」
「ちょっと! 今バジリスクって言いました?! にゃんでそんにゃのを捕まえに行くんですか! 早く家に帰りますよ!?」
「どれぐらい入ったところ?」
「そこそこ」
「僕は絶対入りませんからね! ほら、あにゃた達もそこから離れて!」
「ニャルク来ないってー」
「じゃあそこでお留守番しててね。あたし達捕まえてくるから」
「いやいや、だから?!」
「「「「「「「行ってきまーす」」」」」」」
ニャルクがどれだけ叫んでも、仔ドラゴン達は足を止めない。わけもわからず連れてこられた挙げ句、たった1人残されてしまったニャルクは、吹き抜けた風にブルルッと身震いした。
「ま、待ちにゃさい! 僕も行く! 行くから待って!」
マジックリュックを抱え直したニャルクは、躓きながら仔ドラゴン達を追いかけて洞窟に駆け込んだ。
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洞窟内に光源はなく、少し入っただけで真っ暗になったが、ケット・シーであるニャルクやドラゴン種のセキレイ達にとって、 それは妨げにはならなかった。
「にゃるほど。ニャオさんの熱を下げるにはバジリスクの原種の毒がいる、とマサオミさんが言ってたんですね」
疲れた様子で仔ドラゴン達と歩きながら、自分が連れてこられた理由をようやく教えてもらえたニャルクが頷いた。
「そうなんだ。アーガス達がバジリスクがいないって困ってたから、俺達で捕まえに来たんだよ」
「ここに住み着いてるのは前から知ってたからね」
セキレイとキイナが言えば、はあ、とニャルクはため息をついた。
「毒は使いようによっては薬ににゃるとは聞きますが……。まさかバジリスクの毒まで使うとは。長寿の方の知識には恐れ入りますね」
「一緒に行くってママは言ってたんだけど、この洞窟には入れないから僕達だけで来たんだ。でも誰にも言わなかったらみんなが心配すると思って、ニャルクについてきてもらったんだよ」
シキのセリフに、ニャルクは顔をくしゃりと歪めた。
「つまり、勝手にバジリスクがいる洞窟に行ったら怒られると思ったから僕に言ったってことですよね?」
「んー? まあそうだね」
「ですが、僕はイニャト達と連絡を取る術がありませんよ?」
「あのお手紙が届く箱ないもんね」
「ということは、結局あにゃた達がここに来ていることは、家にいるみんにゃは知らにゃい、ということにゃんですよ?」
仔ドラゴン達が揃ってニャルクを振り返り、首を傾げ、あ、と理解した。
「じゃああたし達、家に帰ったら怒られちゃうじゃん」
「げ。どうしよう?」
「どうするもこうするもにゃいですよ。ここまで来たら行くしかありません。バジリスクを捕まえる作戦はあるんでしょうね?」
前脚を組んで仔ドラゴン達を見るニャルクに、もちろん! とダイチが返事をした。
「バジリスクを見つけたらね、ぴゃーっと行って、ダッ! と飛びついて、ガッ! と押さえつけて、捕まえるんだ!」
「……無計画にゃのはよーくわかりました」
前脚をほどいたニャルクは、予想通りの返しにガクンと肩を落とした。
(駄目だ。この仔らに任せてたらバジリスクにやられてしまう。僕がしっかりしにゃいと)
両方の頬をぐにぐにと揉んだニャルクが、よし、と気合いを入れる。
ニャルクが考えていることに気づくわけもなく、仔ドラゴン達は和気あいあいと奥へと歩を進めた。




