8話 ミネルバ渓谷での激闘 前編
黒王軍がついにミネルバ渓谷に到着。ミネルバ渓谷南側に織田軍、北側に黒王軍という配置になったが、
黒王軍は、前衛に巨人、その上にゴブリン等が乗っていた。
それを見た信長は
「ほう、巨人を盾として使うのか。黒王、一体お前は何者なんじゃ?なぜこんな発想ができる?」
突然敵から歓声のような声が聞こえた。注意深く見ると、黒王軍から一人の女が出てきた。
「なんじゃあいつは?あれか六魔軍のひとりとかいうやつは。なぜ女子が戦に来とる?」
遠くからでもわかる白い、透き通った肌、そして雪のように真っ白な髪、その女が
「日本から来たんですってねあなた達は。日本人、それだけであなたたちが死ぬ理由に当たるわ。皇女として命じます。あなたたちはここで死になさい。」
そういったあと、手を伸ばした途端、女の周囲のものが凍り始めた。
それを見た信長は
「なんじゃありゃぁ?あんなもんがあるとは。」
「雪の女王か。アナと雪の女王を思い出すねー。見てないけど。」
「にぃ、アナは誰役?」
「誰でもよくね。それよりあの周囲のものを凍らせる能力はちとやばいかも。」
「あぁ。かなーりやばいな。お前もわかるとはな。エギル。縦一列にしか並べない地形があだになった。これじゃ、逃げ場がねぇぞ。」
さらに最悪なことに、銃弾が当たらないのだ。どうやら女の周囲には乱気流が発生し、女に当たる前に弾が凍り、それてしまう。
「私には銃は効かないわ。」
それを聞いた信長は
「敵は銃を知っているのか。」
「俺にはあいつが誰なのかはわからない。」
「あいつはアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァです。それ以外はしらない」
突然現れる晴明。びっくりするわ。
「急に現れるなよ、晴明。アナスタシアかよ。」
前にこれと似たようなものをみた記憶がある。なんだっけ?たしか、アニメにあったシーン、
雪、凍り、寒さ、弾
「にぃ、アルドノア」
その言葉で俺は思い出した。
「ミシェル、あんたの魔法で一定時間あの寒さに耐えれることってできるか?」
「で、できます。」
そばにいた信繁が、俺がやりたいことを理解し、
「では、その役を俺にくれませんか?」
「俺にはここがあの大坂の続きだと思っている。あと一歩で届かかかった徳川の首、この状況に似てるんですわ。簡単には近づけない。」
「おう、行ってこい信繁、真田の恐ろしさをしかと伝えてこい。」
と笑う信長。
「じゃあ、ミシェル、やってくれ。」
「分かった」
とうなづいた。
「聞いてくれ。俺が考えた作戦なんだが、」
と俺はみんなに作戦を伝えた。
「おれは真田昌幸が子、信繁!これであなたの首を獲る者なり。いざ行かん!」
そう高々に宣言し、槍を持ち、アナスタシアに向かって堂々と立ち、
「ミシェル殿、やってくれ」
そう、自信に満ちた声でいった。
「では、やります。 わが炎の精霊よ。わが仲間に加護を与えたまえ! エンチャント、ファイアーフレーム!」
信繁の真っ赤な鎧が燃えだした。だがこの炎は熱くはない。自信の体温が下がらないようにする魔法だ。
つづけて
「わが炎の精霊よ。わが仲間に力を与えたまえ! エンチャント、フェニックス!」
「よし、エギル殿やってくれ。」
「ああ。」
そういうと俺は、信繁の足を持ち振り回しアナスタシアに向かって投げた。
信繁はかなりの速度で飛んで行った。
「凍りなさい。すべて凍れ、とくに日本人は骨まで凍れ。凍れ、凍れ」
信繁を中心に一気に温度を下げてきた。草は凍り砕け、川は底まで凍ったのに信繁は凍らない。
「アナスタシア、覚悟ー」
槍はアナスタシアに刺さろうとしたが、よけられた。
が、信繁は懐から銃をとりだし発砲した。まさに計画通りに。
作戦実行の少し前に、信繁が
「ファイアなんだっけ?それを槍ではなく銃にやってくれ。」
「分かりましたけど、その旧式銃でいいんですか?」
「いや、こっちの方が使いなれているんでね。はは。」
そう出した銃は火縄銃の小型版だ。
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弾はアナスタシアの不意を突いたのと至近距離だったために凍ることもなく、肩に被弾した。
それをみたエギルは
「今だ!」
その声を聞いたミシェルが
「火炎魔法第三式、獄炎!」
獄炎、数少ない設置型魔法。設置型魔法とは、物にあらかじめ遠隔式の魔法を込めることができるが扱いが難しい。そのうえ獄炎は、中心温度6000ドで半径1mの火の塊を出す。
その塊がアナスタシアの肩で起こった。
「熱い、熱い、熱いー。私は熱いのは嫌いだー。」
そう叫びやがて灰となった。
アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ・・・六魔軍のひとり。
ロシア革命で逃亡中にこっちにきた。
本人は日露戦争でロシア革命が起きたと思った。
こっちに来て凍りの能力を得た。