ジュリア
私の名はジュリア。とある心理学研究所で働いている。私は今、ある人物に呼ばれ深い森の中にある一軒の小屋に来ている。
人気の無い不気味な森にある簡素な小屋。
そこへ私を呼んだのは霊能者をうたうインチキ宗教家の男だ。
なんでも、死んだ人間を蘇らせることが出来るらしい。
バカバカしい話だ。何より許せないのは最愛の人を亡くし、心の弱った相手につけこむ、その手口だ。
蘇生の条件として高額な料金を要求してくるのだ。許せない。
これでも私は数々のインチキ霊能者を暴いてきた身だ。今回も簡単に霊能力など存在しないことを証明してみせよう。
早速私は客を装い男に電話をすると、この場所に来るよう指定された。おどろおどろしい人気のない不気味な森の小屋。
それらしい雰囲気で人をだます彼等お得意の手口の一つだ。
だが私には通用しない。必ずインチキを暴いて白日のもとに晒してみせる。
わたしには最愛の息子がいた。しかしわたしの不注意から事故で亡くしてしまった、、、
守れなかった。全てわたしの責任だ。わたしがこの道に入ったのは、最愛の者を失った哀しみから、、、
わたしは息子のためにも、成せることは成して行こうと心に深く誓った。
そんな時に黒魔術というものを知る。
死者を蘇らせる事が出来るらしいと聞き、バカバカしく思うと共に怒りが込み上げてきた。
残された者に対して追い打ちをかける様な卑劣な話だとわたしは思った。それでも、それでもわたしの心は揺らいでしまう。
すがりたかった。それほどまでにわたしの心は追いつめられていたのだ。
しかし、それは本当だった。黒魔術は存在していた。死者を蘇らせる呪術。それには身代わりとなる若い女のイケニエが必要だ。
丁度わたしのところにジュリアと名乗る若い女性から電話があった、、、
わたしは息子を守れなかった父親として、息子のために出来ることは何でもしようと思っている。。。