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粋な童話。健太君
小学二年の健太君。町へと続く一本道を、今日も元気に歩いてた。前には近所のおばあちゃん。ゆっくり健太の前を行く。
健太は元気にこんにちは。笑顔を返すおばあちゃん、手を振り健太は先に行く。
ちょっと進んだ二十秒。横断歩道に行き当たる。健太はボタンに目をやるが、そのまま動かず押さないよ。
何故だろう?
何故だろう?
ボタンを押さなきゃ渡れない。
何故だろう?
何故だろう?
健太が押さない何故だろう?
気づく人間少しだけ。
考え気づくの中くらい。
気づかないのも中くらい。
世の中ビックリすることに中くらいが威張ってる。自分を良い人思い込み、普通の生活 送ってる。
野暮。自分が野暮だと自覚しているから まだ救いがある。
気障。自分を粋だと勘違いしたままだから救いがない。
「そりゃ学校でも会社でも人間同士の争いは 無くならないよ。自分はできる人と思い込んで自己主張してくるんだもん。たち悪いよ。
人間のほとんどが気障である以上、まずは野暮を目指そうよ。人類が粋になるなんてまだまだ先だよ……」
思いにふける健太であった……
つづく。