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「あなたには解離性同一性障害、いわゆる多重人格の症状が見られますね」


「えっ! そんなまさか」


「大丈夫。今から催眠療法によってあなたの別人格を引き出したいのですがよろしいですか」


「は、はい……お任せします」


「ではこのメトロノームの振り子を心を落ち着けてよく見てください」


カチ……カチ……カチ……カチ……


「聴こえますか、あなたの中に誰か他の人がいる のなら出てきて下さい」


「……うふふ」


「失礼ですがあなたのお名前を教えていただけますか」


「わたし、私のことならよく知ってるでしょ 一緒に暮らしてるんだから」


「そうなんですか。でも私には身に覚えがなくて 、よろしければお名前を」


「ひど~い、あんた最低な男ね!もういい私帰る 」


「あっちょっと待って下さい ああ消えてしまったか」


「よう 来てやったぜ」


「えっあはい、お名前を聞かせていただけますか 」


「俺はサトリ、人の心が読める者だ」


「本当ですか」


「なんならあんたの心を読んでやろうか」


「面白そうですね。では今から四桁の数字を思い浮かべるので当ててみてください (9237)」


「9237」


「!!」


「これでわかったろ」


「ばバカな(5037)」


「5037」


ガタッ「なっ」


「あんた悪い男だな。百合ってのはこの病院で働く看護婦かい」


「何を」


「あーあ孕ませたあげくに……邪魔になったのかい」


「やめろ」


「殺しちまうとはな。ああ医院長の娘と婚約して たのか、そりゃ邪魔だわな」


「やめろー!!」


医師は医療用のメスを取り出すとサトリの胸に突き刺した。


「ウガッ!! てめえ」


サトリは胸に刺さったメスを自ら引き抜くと医師の喉に突き刺した


「ぐえっ」


二人共に致命傷だった。




あくる日 数年前に潰れ現在は廃墟と化した病院で一人の男の死体が見つかった。死体には胸と首に刺し傷があり、どちらも自分で刺したものと断定された。

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