ゆいこのトライアングルレッスンM〜アイススケート〜
毎日投稿、トライアングルレッスンウィーク!
この日、わたしは、ひろし、たくみ、むっくんとスケートリンクにやって来た。
正直、今日はドキドキしている。
何故なら、わたしはアイススケートの経験がほとんどないからだ。
「ひろし、リンク一周、競争だ!!」
「なんで、競争?」
「負けるのが怖いのか? 勝った方が、ゆいこにスケートを教える! これでどうだ?」
「分かった。のぞむところだ!」
× × ×
気付くと、ひろしとたくみがスケートリンクを勢いよく滑っている。
「ちょっと、わたし、置いてきぼりじゃん!」
わたしは手すりにつかまりながら、ツルツル滑る氷の上に立った。
「わぁああ!!」
予想通り、わたしはドスンと転んだ。
「鈍臭いな、ゆいこ姉ちゃんは……」
振り向くと、むっくんが鼻で笑っている。
「もう! そういうむっくんはどうなのよ!」
すると、むっくんは得意げに、スイスイと氷の上を滑ってみせた。
「しょうがねーから、俺が教えてやろうか?」
「へっ!?」
「まずは、かかとをつけて、つま先を90度に開く」
わたしは、むっくんに言われたことを実践してみた。
「ほら、手すりから手離してみな」
「わっ! 立てた、立てたよ、むっくん!」
「やるじゃん!」
むっくんは、ほめてくれると、そのあとも丁寧に滑り方を教えてくれた。
「そろそろ、手、離すぞ」
「ま、待って! 待って! まだ、離さないで!」
「俺にしがみつきすぎ!」
「だって……きゃーー!!」
わたしはバランスを崩し、思わずむっくんに抱きついてしまった。
「ご、ごめん……!」
「べ、別にいいけど……」
心臓がバクバクした。
なんとか滑れるようになった頃には、辺りはすっかり暗くなり、イルミネーションに包まれていた。
「ゆいこ、少しは滑れるようになったのか?」
「うん、むっくんのおかげでね」
「そっか……」
ひろしは何か言いたそうな顔をしていたが、それ以上は何も言ってこなかった。
「ひゃっ!」
突然、頬にあったかい感触がした。
「お疲れ様」
それは、むっくんからのココアの差し入れだった。
「寒くなってきたから、これでも飲んどけ」
「ありがとう。今日は、ダメダメのお姉ちゃんでごめんねー。もっと、むっくんも自由に滑りたかったよね?」
「楽しかったから、まあ、許してやるよ」
むっくんは、そっけなくそう言った。
「ゆいこ姉ちゃん、今日のその髪型、可愛いじゃん」
「へっ!?」
「アップにまとめてるのもイイと思う」
「そ、そう?えへへ……」
ええ!? むっくんって、そんなことも言うの? 言っちゃうようになったの!?
わたしは平常心を装ったが、動揺していた。
「たくみ、勝負なんかしてる場合じゃなかったんじゃないか?」
「あー! もう! うるせぇ!!」
ひろしとたくみが、隣で騒いでいる。
その夜は、いつもよりなんだか賑やかだった。
明日は、まさかの“Mスピンオフ”をお届けします!!
リレーで執筆連載した『ゆいこのトライアングルレッスンDスピンオフ』を合わせてご覧いただくと、より楽しめるストーリです!!




