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面影の街

作者: 祁答院 刻

日暮れが迫り まだ照明(あかり)はつかず

純喫茶の片隅では 崩壊がある


アイスキャンデーはだらりと 溶け落ちて

すくって固めても 永遠に満ち足りない


カレンダーになにひとつ 抜け落ちはないが

思えば 幻想の様に到着したきょうという日


 …オレンジに痩せ細る大人の街に

 あの子は おらず


 痛みのように輝く大人の街に

 あの子は どうしてもおらず


 段々と街はキンモクセイに移り変り


 あの子はいない

 初恋と病床の夢に似た放心…


街角のブティックに ふくよかな白いレトロ

人形は 次の季節を装うね


背の高いひまわりが

マネキンに枯らされた ぱられるの出来事

脳裡に汚らしくこびりついて離れない

脳裡に汚らしくこびりついて離れない


終りの旋律がして私は

8月の抜け殻の中を 走った

急速に街がときあかされる 私は見る

曲がった先に 暗い影の差すさみしい夏の面影を

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