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ジムまでの道のり

作者: ららばい

私は子供の時から運動が大の苦手なのだが、友達の勧めで「歩く会」というハイキングの初級の部にはいってみた。1年くらいで中級に昇格して、少し自信がついた。

歩くだけではだめ、「筋トレ」が必要なのだと友達が言って、市が主催する運動教室のことを教えてくれた。

そこは軽体操とダンべル運動が主で、シニアが多いから、やれないことはなさそう。一番軽いダンベルがぎりぎり。私は箸しか持ったことのないお姫ではないけれど、腕力はない。でも、だんだんとできるようになり、楽しくなってきたら、先生が引き抜かれて、教室がなくなってしまった。


すると、友達がある高校で放課後に、大人のために運動クラスを開いているというので行ってみた。

こちらは、まずグラウンドでストレッチをして、次に高校の周囲をパワーウオークというのをする。最初はビリだったが、だんだんと気にいって通っていたら、高校が予算の関係で、その活動を中止したので消滅した。


今度は、友達が駅の近くのジムに行けばいって、割引クーポン券をくれた。

あそこだ。

トレーニングウェアではいっていったり、ジムバックを肩にぶらさげていたり、あそこは私の憧れだ。

行ってみたい気持ちは山々だったけれど、とてもできないと思っていた。

勇気を出していざ行ってみて驚いたのは、どの時刻に行っても、筋肉兄さん姉さんが運動しているいうこと。大きなウオーターボトルを横において、大量の汗をかいて、それは熱心。そしてわかったことは、彼らは自分の筋肉を育てることに集中していて、他人など見てはいないということ。

私は自意識過剰すぎた。運動ができようができなかろうが、関係ない。好きなように運動をすればよいのだ。


彼らと並んでトレッドミルで走る時、私はとうとうここまで来れたのかと、感激した。運動コンプレックスの私が、マシーンを使って、みんなと運動しているのだ。これは、キセキだ。

でも、私の筋肉がつく前に、ジムはコロナのために、潰れてしまった。


私は運動の神から、嫌われているのかもしれない。

私は運動が嫌いで、最初はこちらが遠ざかっていたのだけれど、自分から近づいていって好きになりかけたら、向うが逃げた。


これって、恋と似ている。

無視すると近づいてきて、こっちがその気になって追いかけると、逃げてしまう。親切にしてくれていた友達は、今回は何も言ってこない。

彼も逃げたのか。



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― 新着の感想 ―
うわ、運動の神に嫌われすぎぃ…。
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