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第8話 白寮

 ぼくとリリアは白寮を目指して歩いていた。


「いやージュリよかったね、同じ寮の友達ができて」

「あれ、リリア、ちょっとジュリさんのこと心配してた?」

「うっ」


 リリアはずぼしだったようだ。


「別にいいじゃん」

「いいんですよ、優しねリリアは」


 ぼくたちはしばらく歩いていると白寮らしき寮が見えてきた。


「あれですかね白寮は」

「そうだね、あれっぽいね」


 ぼくたちはそこに向かっていった



 side 白寮



「今回は何人の人がこの寮に入るのですか?先輩方」

「確か〜6人だっけ」

「ええ、男の子が1人で女の子が5人だよ」

「男子って去年までいた先輩ぶりですよね」

「そうね〜先輩方の時代は男子もいたんだけど、今は〜2学年連続でいないからね〜」

「それよりか、料理作れる人がほしい、私以外誰もつくれないからね」


 3人の女性がしゃべっていた。

 しばらくすると寮の扉が開いた。


「こんにちは」


 4人の少女が寮の中に入ってきた。


「えーと、ルイちゃん、アルマちゃん、ノアちゃん、そして、クレカちゃんだね」

「はい、よろしくお願いします」

「少し待ってくださいね、もう少ししたら、全員そろうと思うんで」


 それから、数分後、再び扉が開いた。



 side カイロ



 少し時間が戻って、カイロとリリアが白寮の前


「思ったよりかでかいね、この寮」

「オルムが言ってたよりか全然ましじゃん」

「他のよりかは小さいけれど、いいんじゃないですか」


 この白寮は他の寮よりかは、小さいけれど普通にでかい寮だった。


「どっちが開けますか?」

「じゃあ私が開ける」


 リリアはそう言って、扉を開けた。

 そこには7人の女子がいた。


「やっときた」

「カイロくんとリリアちゃんだね」

「そうです」

「あ、はい」


 ぼくは周りを見回した。

 そこには、同じクラスの4人たちと黒目で深緑の三つ編みをしている女性、薄灰色の瞳の茶髪のミディアムヘアの女性、赤色の瞳の金髪のポニーテールの女性の3人だった。


「じゃあ、自己紹介だね、私は3年生でここの寮長のエリハ・ロウコンドで〜す」

「同じく3年、アンリ・ユーテラスよ、よろしく」

「私は2年のユリナ・イノセンスです、よろしくお願いします」


 先輩方がまずあいさつした。


「わたしは1年のルイ・ラーバロストです」

「同じく1年のアルマ・シープディです、よろしくお願いします」

「ぼくも1年のノア・ブリーズだよ〜」

「1年生のクレカ・アンダーですわ」


 ヨイさんの姉から、空色の瞳で、肩までかかるぐらいの空色の髪の女の子、黄緑色の瞳でふわふわとした黄緑髪の女の子、黄色の瞳で長いツインテールの黄色の髪の女の子の順で紹介していった。


「私はリリア・フリーダムでこっちはカイロ・カーラレス」

「何で勝ってに人の自己紹介をするのですか。リリアが申し上げた通り、ぼくはカイロ・カーラレスです。よろしくお願いします」

「ねえ、カーラレスさん、ありがとうね、妹たちを助けてくれて」


 ぼくが自己紹介を終わるとラーバロストさんがお礼を伝えてきた。


「へー知ってたんだ」

「ええ、ヨイは教えてくれなかったけど、ドコロが教えてくれたからね」


 ああ、そういえば、ヨイさんには言わないと約束したけど、執事さんには言ってなかったな。


「だからこそ、ありがとう、カーラレスさん」

「カイロでいいですよ」

「では、わたしもルイでいいですよ」


 ぼくはルイさんと握手した。

 1年生はそれぞれ下の名前で呼ぶようになった。


「それより、すごいですね、四大令嬢が全員、この寮にいるなんて」

「なあなあ、四大令嬢ってなんですか?」


 ぼくはさっきイノセンス先輩が言っていた四大令嬢が何かわからなくてリリアに小声で聞いた。


「え!!カイロそんなことも知らないですか。私でも知ってるのに、四大令嬢って言うのは火、水、風、土の4属性のトップの家系のこと」


 リリアは小声でぼくのことを煽って、説明していった。

 ぼくはすごい家系だと思った。


「ふーん」

「興味なさそうだね」

「あんまり、四大令嬢には興味がない、この世は家系ではなく、結局は個人の努力なんだがらだよ」


「では、みなさん、この寮を案内するのでついてきてくださいね」


 ぼくとリリアが小声でしゃべっていると寮長さんがこの寮を案内すると言ったので、ぼくたちは寮長さんについていった。


「まずは1階の右通路から、こっちは男湯と女湯があるよ」

「そして、左通路は食堂がメインだね」

「2階には各自の部屋があるよ」


 寮長さんは寮の中を案内してくれた、1階には共同スペースがあり、2階には各自の部屋があった。

 食堂の紹介のとき、ユーテラス先輩が料理を作ることができるか聞いてきた。1年の中で料理ができるのはぼくとアルマさんでリリアが簡単な料理できるぐらいであった。

 それを聞いた先輩が喜んでいた。


 そして、ぼくたちは料理を食べ、それぞれ各自がしたいことをした。



 side リリア



 今日は女子メンバーでお風呂に入っている。


「リリアちゃんって、カイロとどういう関係なの」

「私も気になるわ」


 ロウコンド先輩が聞いてきて、ユーテラス先輩もそれに同調してきて、残りのメンバーも聞いてきた。


「ただの友達ですよ」

「いやいや、めちゃくちゃ仲がいいじゃん、ねっ、アルマ」

「うん、あたしもそう思う」

「えーそんなにだよ」

「嘘ですわ、それ、今日、教室や寮に来るとき、2人で来てたじゃないですかぁ」

「それにーカイロくんはリリアちゃんのことだけ、呼び捨てに呼ぶじゃん」


 今度は1年生メンバーが聞いてきた。


「でも、私とカイロが出会ってから、ジュリと出会った日と同じだから、日はそんなに経ってないし、いっしょに来たのは同じ宿に泊まっていただけだよ」

「じゃあ、何でリリアだけ呼び捨てで呼んでいたの?」

「そ、それは………」


 私はそこで言葉が詰まっていた、あの出来事を話すのはカイロの秘密を言うのはよくなく、私はしばらくだまっていた。


「いいたくないことは人それぞれあると思うので聞くのをやめましょうよ」


 アルマが助けてくれたおかげで、私とカイロの関係を聞くのをやめてくれた。本当にアルマには感謝しかない。


「では、私たちはこの辺で出るので、あまり長風呂しないでくださいね」


 先輩方はお風呂場をあとにした。


「逆に何でみんなはこの寮を選んだの?」

「私たちってイメージカラーの寮がそれぞれあるじゃん。それにしようと思っただけど」

「それだと?」

「ぼくの色が男子専用だから、それが無理になったから、ならいっしょにしようと考えたわけ」

「そしたら、桃寮か白寮になるから、まず、桃寮を選んだのそしたら、桃色は女だけだし、それだと修行ができないってルイちゃんが言い出したからこの白寮にしたって感じ」

「この白寮だけは、1人部屋になっていて、1人の空間を確保しやすいしね」


 私はそんな話を聞いて、私やカイロが適当に決めたことはすごいんだなと思った。

 その後も長い時間雑談をしていった。



 side アンリ



 私は今、1人の部屋の前にいた。


「よぉーし」


 コンコン


 扉を叩いたが反応がなかった。


「アンリ先輩何しているのですか?」

「ユリナか、ちょっとカイロにようがあって」


 ユリナがやってきた。


「でも、今は部屋にいなくて」

「なら探しましょう」


 私とユリナはカイロを探した。

 ほとんど見たけどカイロは見つからなかった


「いったい、どこにいったんだろ」

「まだ、男湯でお風呂に入ったらしてるんじゃないですか?」


 男湯以外には居らず、まだ、風呂に入っているのかなと思った。しかし、それ以外にも探してないところがあった。


「いや、まだある。外にある訓練所」


 私はそう言って、この寮の外にある訓練場に向かうとカイロが空を見上げていた。


「こんなところで何をしてんのカイロ?」


 私はそう聞いた。


「ユーテラス先輩とイノセンス先輩ですか、ただ、空を見ていただけですよ」

「ねぇ、聞きたいことがあるのだけど聞いてもいい?」

「ええ、どうぞ」

「私って、耳がいいの、だから、聞こえてたのあのときリリアと小声で話している内容も」


 カイロは一瞬戸惑った様子だったが、すぐに元に戻っていた。


「それがどうしたのですか?」

「この世は家系ではなく、個人の努力で力が決まるって本当なの?」

「ええ、そうですよ、この世は努力によって人は変わるのだから」

「なら、勇者や天才はどうなるのですか?」


 ここで1度もしゃべってなかった、ユリナが聞いていた。


「勇者の力も所詮は借り物、それには限界がくる、天才も努力していなかったら、いつかは負ける」

「それは本当なの?」

「ええ、本当ですよ、ぼくだってそういう人たちを見たことがあるので、聞きたいことはこれだけですか?」

「ええ、ありがとう、私のことは好きに呼んでもらっても構わないから」

「私もです」


 カイロはそこで、少し考えた。


「なら、テラス先輩とイノ先輩ですね」


 カイロは笑いながらいった。

 そして、私とユリナは寮に戻っていった。


 私は自室に戻るとカイロが言っていた言葉を思い出した。


 努力によって人が変わるか………………私も努力してたら変わることができたのだろうか


 私はそう考えながら深い眠りをついた。

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