第70話 8年ぶりの迷宮集合
ヘルナ・ハルトラは、砦に向かった走っていた。先程から、砦の方から、ドンパチ戦っている音が聞こえていた。A組では、砦に向かったのは、ホムラ・ガーネットと他の2人だけだった。しかし、砦の方からとてつもない爆撃音が聞こえてきており、敵が大量にいることがわかっていた。
(早く向かわないと!)
ヘルナは、音の数からホムラ達が危ない状況ではないかと判断して、全速力で向かっていた。
「え…………!?」
突然、ホムラが上から降ってきた。ホムラは、地面に衝突すると、「はぁはぁ、はぁはぁ」と疲れ切っていた。
「ガーネットさん!! 砦で何がありましたのですか?」
ヘルナは、ホムラさんのところに駆け寄り、『ヒール』を使って、回復させていた。
「お、王女様…………はぁはぁ…………」
「どうしたのですか!!」
ホムラは、息を切らしながら立ち上がり、ヘルナのことをじっと見ていた。
「あとは任せました」
「………え?!」
『受け渡す炎』
ホムラは、ヘルナの手を取り、炎を受け渡した。ホムラは、笑顔をヘルナに向けながら、ヘルナの胸の中に倒れていった。ヘルナの体は、一瞬炎を全身に纏い、その後、心臓の中に消えていった。
「………え!! ど………どうしたのですか!!!」
ヘルナには、理解することができなかった。何故、ホムラが倒れているのか。
しかし、ホムラはわかっていた。回復魔法を使っても、もう戦えるほどの体力が残っていないこと、足手まといになることも。そのため、ホムラはヘルナに力を託した。
そのとき、ホムラは、転送されていった。
「…………ガーネットさん…………あとは、任せてください!」
ヘルナにもホムラの考えが伝わっていたようで、上を見ながら拳を握りしめ、その場をあとにし、砦の方向に走っていった。
◇◇◇
砦では、激しい戦闘が行われていた。砦の最奥には、玉座があり、そこには、褐色の髪を持ち、黒色の瞳をしており、マントがある戦闘服を身につけ、自分こそ王なりという風な風格で王座に座っている。
「ほう、また、1人やられたか………………ん? 何故ポイントが入らない?」
その者は、ペルエリック・ラントハクモック。ペルエリックは悩んでいた。ホムラがやられたことに対して、気付いたがホムラを倒したポイントが入ってこなかったことについてだ。これまで、例外がなく倒した敵のポイントは入っていたがホムラだけ、ポイントが入らなかった。
(どうなって、やがる……………おかしいぞ。私は、確かに倒したはずなんだが)
ペルエリックは、手を顎につけ、悩んでいた。そして、思考を回している中、1つの回答を見つけた。
(もしかして、やられる前に自滅したのか? それだと、辻褄が合う)
ペルエリックの考察は、ほとんどあっていた。しかし、ほとんどだ。実際は、ホムラはヘルナに力を受け渡し、その反動で自滅したと言うことが正しいが、ペルエリックは、それに気付いていない。
「まぁ、1人ぐらいはよい。さて、あと2人……………いや、3人か。誰がこの迷宮を突破できるかな?」
スキルを使いながら、ペルエリックはゲラゲラと笑いながら待った。
砦の敷地内では、ペルエリックが作った迷宮の中にアテナ・パイストスがいた。
「ラントハクモックめ、厄介過ぎです!」
アテナは、ペルエリックが作った迷宮に苦戦していた。ペルエリックが作った迷宮は、時間ごとに迷宮内の構造が変わり、今どこにいるかわからなくなるほど、苦戦していた。
「また!!」
アテナは、ペルエリックが作った分身体と戦っていた。分身体と言っても、本人みたいに特別強いってことはない。ただ死んでも迷宮内では、無限に生み出すことができる分身体。見分ける方法は簡単で分身体は全身水色をできているためだった。しかし、無限に生み出されているので、アテナの体力は消耗していき、ペルエリック本人との戦いに苦戦することに気付いており、これ以上、分身体とは、戦いたくなかった。
(それにしても、おかしいです。ここに入ってから誰1人もで会ってないなんて)
この迷宮内に入った人達は、ペルエリックの迷宮とその分身体によって、やられていっているため、アテナが他の人と出会うことはなかった。
『シャイニングショット!!』
「………え?」
誰かが魔法を使った声が聞こえてきた。アテナにとってその声は、聞いたことがある声だった。アテナは、声が聞こえてきた方を向いた。
(どうしよう。行った方がいいかな? でも、彼女とは違うクラスだから敵同士だけど、彼女と戦い合いたくないです)
アテナとその声の主は知り合いだった。それに、アテナにとっては、大切の2人の幼馴染内の1人だった。アテナは、この学園に通って、2人の幼馴染とは同じクラスになれなかった。アテナ達、学園で関わりがなかった。
(やっぱり会ったら、戦わないといけないのかな? いやです)
アテナにとって、大切な人達と戦うことはできなかった。しかし、アテナは覚悟を決め、大切な幼馴染のところに向かって行った。
(まずいです!!)
アテナがその声の主のところまで行くと、その声の主はペルエリックの分身体達にやられそうなところだった。
「伏せて!! ユリハラ!! 『スラッシュインパクト』」
アテナ、剣から赤色の斬撃を飛ばして、分身体を真っ二つに切り落とした。分身体は、消滅していった。アテナは、ユリハラと呼ばれた声の主の姿と対面した。声の主は、ユリハラ・ロストワーク。黄緑色の長い髪を持っていて、前髪は目にかかるほど長く、黄色の瞳を持っている少女だった。
「久しぶりです……………ユリハラ」
「ええ、アテナ。ひっさしー!!」
アテナは、気まずくユリハラに声をかけるが、ユリハラは、能天気に返事した。
「アテナ! どしたん?」
「アテナ達、敵同士です」
「そんなんいいじゃん。わっち達、幼馴染だよ」
ユリハラにとって、敵同士よりか幼馴染の方が優先するべきことだったので、敵同士とは考えていなかった。2人の間に静寂な空気が流れる。
「あれ? アテナさんとユリハラさんではないでしょうか」
そんな空気の中、ヘルナが壊しながら、アテナとユリハラのところに近づいてきた。そんな、ヘルナにユリハラは大袈裟に手を振りながら、アテナは少し気まずそうにヘルナを見ながら受け入れた。
「ヘルナ! 8年ぶりだね。ひっさしーぶりだね」
「ええ、そうですね。ユリハラさん」
ヘルナ、アテナ、ユリハラの3人は幼馴染な関係だっだが、会える機会が昔から少なかった。ヘルナは、次期女王候補として、王城で座学を受けさせられ、アテナは、代々騎士の家庭から訓練に励み、ユリハラは、神殿のシスターとしての仕事をするため、3人が会える機械が少なかった。
「ユリハラ、失礼です。アテナ様、お久しぶりです」
「アテナさん。大丈夫ですよ。アテナさんも呼び捨てでもいいのですよ」
「それは……………まぁ、また今度で」
アテナは、気まずそうにヘルナのお願いを延ばす。最後に会ったときにもこう言ったのだが、アテナはこの約束を破って、いつまでもさん呼びしている。
(ねぇ、アテナ達って、敵同士ですよね?)
アテナは、ヘルナとユリハラの様子から敵同士だと思えなかった。幼馴染とは言え、敵同士なのにそれが見えなかった。2人の様子を見ながら、ペルエリックが作ったこの迷宮のことを考える。
(どうすれば突破できるのですか?)
アテナは、2人のことよりか、この迷宮を突破することを考えるようにした。
「ねぇ、わっち達、3人でラントハクモックを倒さん?」
「え?」
アテナは、ユリハラの突然の提案に驚きの声が出ていた。
「…………確かにそうですね。1人でこの迷宮を攻略して、ラントハクモックくんを倒すのは至難でしょう」
ヘルナもその意見に賛成した。アテナは、その意見も1つあるなと思いつつ。どうしようかなと悩んでいた。
「アテナは、どっすんの?」
「アテナは……………」
「アテナさん。お久しぶりの幼馴染の同士の友情の力をラントハクモックくんに見せつけましょう」
「わかりましたです。アテナ達、3人の力を見せつけましょうです」
最終的にアテナが挫けて、3人でペルエリックを倒すことに決め、3人はペルエリックがいる砦の最奥に向けて、迷宮を攻略していった。
こうして、幼馴染3人が約8年ぶりに揃った。
ユリハラ・ロストワークはE組の10位です。




