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第68話 出来損ないの刀

この先三人称視点が続きます。

 クラス対抗戦が始まって、数分が経過した。廃墟に向かっていた、イント・サカグチとカン・Z・バトリアスは、何者からか、襲撃に遭っていた。


「これで5人目か」

「おうよ。やっぱり、オレッチ達のコンビネーション、強くなってね」


 現在、イントとカンで34ポイントを獲得していた。彼らは、作戦通りに廃墟に向かっており、その過程で出会った敵しか、倒していなかった。


「とりあえず、廃墟に向かう」


 2人は、廃墟に向けて、再出発した。

 2人が廃墟に着くと、そこではすでにヘルナ・ハルトラがおり、誰かと戦っている最中だった。ヘルナは、その相手に対して、苦戦しているようであった。


五刀流(ことうりゅう)(とび)


 イントが刀を鞘から抜き、刀を下から上に振り、魔力の斬撃をヘルナの対戦相手に向けて飛ばした。対戦相手は、イントの攻撃を真正面で受け、軽く後ろに吹き飛んだ。2人は、ヘルナのところに駆け寄った。


「王女様、大丈夫っすか?」

「ええ、大丈夫ですよ」

「伏せて!!」


 イントがそう言った瞬間、どこからか射撃された。3人は、とりあえず射撃の軌道から外れるために建物の影に隠れた。


「まずいな、このままだとジリ貧だぞ」


 隠れていると射撃されることはないけど、顔を少しでも出すと射撃される状況だった。


「ねぇ、ハルトラさん。他に敵は?」

「他の敵は、既に倒しました。ここには、刀を使う方と遠くから射撃する方しかいません」

「なら、オレッチがあのスナイパーの野郎を倒しに行く。イントが刀の野郎を王女様はここから砦の方に向かって、ガーネットと合流してくれ」

「わかりました」

「それで行こう」

「では、また」

「じゃあ行くか」


 カンとヘルナが一斉に飛び出して、カンがスナイパーの方に、ヘルナがホムラ・ガーネットがいる砦の方に走り出した。


妖高流(ようこうりゅう)虎喰(とらぐい)


 イントがいる場所にヘルナと戦っていた相手が攻撃してきた。イントは、当たる瞬間にその場から素早く避けて、攻撃をかわした。イントがいた場所は、地面がえぐれていた。


「やっぱり、お前か」

「村以来だな。イント」

「ああ、タクト」


 タクトは、紫色の髪を持ち、センター分けをしてる。紫色の瞳の男の人であった。

 そして、イントとタクト・カサキは、同郷でライバルの関係であった。


「出来損ないがクラス順位3位か、A組は弱い奴しかいないなぁ」


 イントとタクトは、昔から共に競い合っていた。子供の頃は、お互いに勝ったり、負けたりする関係だったが、タクトが10歳のとき、流派が使えることが判明し、みるみると力をつけていった。しかし、イントは、流派を扱うことができず、村の中でも出来損ないと言われてきた。そのときから、2人の関係は壊れていった。


「でも、タクト。お前は、この学園の入学試験を受けるために村で争ったときは決着がつかず、僕もお前も学園の入学試験を受けれる許可が出たのにさ」

「それは、お前がズルしたからだろ!! 『妖高流・熊爪(くまづめ)』」

『五刀流・(じゅう)


 タクトの3つの斬撃をイントは刀の刃で受け流した。タクトの妖高流は、伝統的受け継いできた流派の1つで、9体の動物に沿った技を繰り出すことができる。

 イントは、10歳のときから、死ぬほど刀を振っていた。たった1人で。イントは、それから2年、我流の五刀流を使えるようになっていた。五刀流は、翔、柔、(せん)(ごう)(しん)の5つの技。それを3年間鍛え、タクトと学園の入学試験を受けるために争い合えるほどの実力をつけていった。そうして、剣聖と言われるイント・サカグチが出来上がった。


「おい、イント!! その力どこで手に入れた」

「我流。僕は、流派の才能がなかった。だからこそ、刀を振った。何日も何年も。そうして、手に入れたのが、五刀流の我流」

「…………ああ、そう言うことか。『妖高流・龍昇(りゅうのぼり)』」


 タクトが下から上に刀を振り、上昇した。イントは、タクトの攻撃が当たる寸前に刃を1センチ避けた。


『妖高流・虎喰』

『五刀流・剛』


 タクトが空中から勢いよく、イントに切り掛かった。それをイントは、全身に力を入れ、対抗した。2人の刀がぶつかりあい、ギリギリと音が鳴る。タクトが力を抜き、イントの力を利用して、飛んで着地した。


「あのとき、ズルしていたことを訂正しよう。それにイント、お前は、出来損ないではないこともな」


 タクトがイントを認めていた。イントは、何故、急に認めてくれたのかは、わからなかったけど、昔のような関係に少しでも、近づいているのかと思っていた。イントは、10歳のときから、ずっとぼっちだった。イントは、寂しかった。ただ1人になって。


「それは、うれしいな。でも、ここでは勝ちを譲らない」

「それは、こっちのセリフだ。あのときの決着をつけようではないか」


 2人の目には、10歳のときの出来損ないと優秀な系統者の関係ではなく、子どもの頃の競い合うライバルのような目だった。


(タクトの妖高流、一撃一撃が強烈で何度も受け止めていたら、まずいことになるな。なるべく攻撃を受けず、柔を利用しつつ、戦って行こうか)


 イントは、どうやって、タクトを倒すのか考えていた。イントより、タクトの方が技が多くその分、どうやって攻めていくかが重要になってくる。


(イントの我流、五刀流だっけ。名前から推測するに5つの技があると思うが、あのときに見せた技と今回で見せた技は3つで、あと2つの技が不明だ。逆に俺の妖高流は、村の中でも、有名な流派だから、イントに技がバレている。俺の方が技数は多いが、まだ未知の技を警戒していかないと俺がやられてしまうな)


 タクトもタクトでイントを倒すため思考を回していた。タクトは、まだ見ぬ技に対して警戒力を強めた。

 お互いどちらが、出し抜けるかが2人の決着の鍵になる。


「行くぞ!! 『妖高流・犬牙(いぬきば)』」

「あぶな!!」


 タクトが刃先を持ってそのまま、イントに対して突進してきた。イントは、ギリギリでジャンプしてかわした。


『妖高流・馬角(うまつの)

「くっ!! 『五刀流・柔』』


 タクトが足に力を入れ、瞬間的にイントに近づき、突きをしたが、イントが刃で突きを受け流して、タクトに回し蹴りを喰らわした。


『五刀流・剛』


 タクトは、地面に背をつけ、イントを攻撃を受け止めていた。


(重!! このままだと押し負ける)


 どんどんとタクトは押されていく。


『妖高流・豹走(ひょうそう)

「なっ!!」


 押され負ける瞬間、タクトが消えた。いや、高速で移動した。


「高速で移動しているってことか。なら、『五刀流・閃』」


 お互い、高速で移動しながらの刀のぶつけあいが始まった。何度も何度もぶつかった。お互いにダメージを受けていた。先に疲れた方が負けると両者思っていた。


「おらよ」

「ぐはっ!!」


 疲労により、イントが刀のぶつかりあいに負け、地面に激突した。タクトがその隙を逃さずにイントとの間合いを詰め寄った。


「これで、終わりだ!! 『妖高流・虎、がはっ!!」

『五刀流・芯』


 イントは、タクトに対して、突きを喰らわした。その突きはタクトを利用し、喰らわしたため、タクトに大ダメージを与えた。タクトは、地べたに背をつけ倒れた。


「これで、僕の勝ち」

「ああ、そうだな」


 タクトはそのまま気絶して、転送されていった。イントは、50ポイントを手に入れた。

 イントはポイントを手に入ると少し歩き、廃墟を背にして座った。今の戦いで動ける状態ではなかった。


「あとは、他の人に任せるか」


 イントはそのまま眠り、転送されていった。

タクト・カサキはC組の2位です。


ちなみにイントとタクトの故郷ではイントは坂口陰音、タクトは加崎拓人となります。

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