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第5話 夢

「ねえ、カイロ少しいい」


 リリアさんは今、時間あるか聞いてきた。


「別にありますけど、どうかしましたか?」

「ちょっとついてきてほしい」


 ぼくの問いには答えずについてきてと言う。リリアさんは歩いて行ったので、ぼくは彼女についていった。

 しばらく歩いていると、王都を出入りするための門までついていた。


「いったい、どこまでいくのですか?」

「外に出る」

「今の時間、外に出れないと思うけど」

「あ!確かに」

「また、今度にしない?」

「それは無理」


 門までついたぼくたちだったが外に出れず、ぼくが、他の日にしないと言うと全力でしていしてきた。けれど出る方法はなく、ただ時間だけが過ぎていた。


「なら、飛んでいこいか。カイロも飛べるでしょ。」


 そう言うとリリアさんは飛んでいった。ぼくが飛べることがリリアさんにバレていたのでぼくも彼女に続いて飛んで、彼女についていった。

 しばらくするとリリアさんが地上に降りたので、ぼくも地上に降りた。


「ここで、いいでしょう」

「ここで何をするのですか?」


 ただ風が吹いている静かな草原だったので、ぼくたちのやりとりは響いていた。


「ねえ、カイロ勝負しようよ」

「別にいいですけど?何で?」

「いや、ただの勝負じゃないよ、本気の勝負」

「本気の勝負ですか?」


 それぞれ落ち着いた雰囲気で言い合っていた。


「そう、本気の勝負。ねえ、カイロ本気を出しているとは言わせないよ。実技試験で、とてつもない戦闘技術、ある程度の範囲の人の居場所がわかっていて、さらに、時間を正確に測ることができいた。そんな人があの程度で本気のわけないじゃん」

「確かに、ぼくは本気を出していない。けど、リリアさんも本気を出していないよね?」


 ぼくは笑いながら言った。


「何で?」

「あれほどの魔力密度の濃さを持っていて、浮遊や転移、そして、火、水、風、土の四大魔法を使っているからね」


 ぼくたちはそれぞれお互いが本気を出していないことに気づいていた。

 ぼくたちの声がこの静かな夜の中、響き渡っていた。


「本気か………ここで、戦うのはダメだめですね。上でやりましょう」


 ぼくは空を飛んでいき、その後をリリアさんが追った。

 地上から2000mぐらいの高さまで来た。下を見ると王都がちっさく見えていた。


「ここなら、何も気にせずに戦えますよね?」

「ええ、そうね」

「それともう1つ、結界」


 ぼくは王都に結界を張ってさらに、気にしないようにした。


「これで、誰にもバレないですよ」

「なら、始めましょう」


 リリアさんがそう言うと、ぼくたちはそれぞれ構えをとった。


無砲(むほう)

火風天(かふうてん)


 ぼくは、透明な衝撃をリリアさんは、火と風の混合魔法を放った。

 ズドドドドーーーーン

 2つが衝突し合って激しい音をたてた。


水乱(すいらん)(げき)


 リリアさんは後ろに下がりながらランダムに水の魔法を放ってきた。

 ぼくは、その攻撃を避けながら、リリアさんとの距離を縮めていった。


大地(だいち)()

(たましい)(つるぎ)

「……!?」


 巨大な土をぼくは、魔力でできた剣で切った。

 そのまま、リリアさんを切った。しかし、ぼくの剣の方が折れた。


火水岩(かすいがん)


 リリアさんはダイヤモンドより圧倒的に硬度が高いものをまとっていた。


「ハハハ、何ですかそれ?」

「さあ、何でしょう」

「まあ、いいでしょう。では、さらにステージをあげますよ」

「ん!」


 ぼくはそう言うとリリアさんに猛スピードで近づいた。

 リリアさんがびっくりしたような顔だったが、ぼくがなぐる前に転移してかわしていった。


「転移ですか……そんなもの関係ありません『無炎(むえん)』」

火撃(ファイヤーインパクト)


 お互いの炎がぶつかり合い、激しい衝撃を生んだ。


『無砲』


 ぼくは空で大勢を崩しながら、放った。


「ぐはっ」


 攻撃は見事にリリアさんにヒットし、さらに飛んだ。

 すると、ぼくの後方で爆発した。


「ちっ、転移か」

水火爆破(ウォーターブラスト)


 リリアさんはぶっ飛ばせられた状態から転移を使って爆発させきた。


「いいね、リリアさん」

「何ですか?その口調」

「ただ、昔のころの口調に戻っただけですよ」


 ぼくの口調はいつものような落ち着いた口調から、転生する前のまだ、小さかったころの口調に戻っていた。

(ああ、ダメだな。昔の口調に戻っている。もっと落ち着いてしなければならないのに)

 ぼくは笑っていた。


「次のステージへ、行くぞ! 『無剣(むけん)』」

煇剣(シャインソード)


 キィーーーーーーン


 お互いの剣がぶつかり合う。何度何度もぶつかり合っていた。

 ただ違うのは、ぼくはいっさいダメージを負っていないのに、リリアさんはダメージを負っていた。


「おいおい、どうした?リリアさんこんなもんか?」

「まだまだぁーー『水乱の撃』」


 リリアさんは魔法と突っ込んで切りかかってきた。


「あ!」


 するとリリアさんは小さく声をあげ、下がって剣をあげた。


風火土水(ふうかどすい)(りゅう)(かく)


 そう唱えると火、水、風、土それぞれの龍が現れて、4頭が襲ってきた。


「ふん」


 ぼくは軽く言って、龍を切った。


無天砲(むてんほう)


 リリアさんぼくが放ったものをくらって落ちていった。 



 …side リリア…



 はぁはぁはぁ……………

 あれからどれぐらいの時間が経ったのだろう。

 最初のころはまだ、互角に戦うことができたのに、ステージが上がるごとにカイロとの差を感じた。


「おいおい、どうした?リリアさんこんなもんか?」


 カイロがそう聞いてきた。ダメージを負っていないカイロを見ると強さがわかりきっていた。

 もう、何をやっても勝てはしない、それに、まだまだカイロは力を隠している。でも、カイロに勝ちたい!!


「まだまだぁーー『水乱の撃』」


 私は魔法を使って、一緒に突っ込んだが、カイロは全ての魔法をかわしていった。


「あ!」


 私は気づいた、カイロは私の魔法を目でとらえていないのにかわしていることに。人の目には2種ある、ものをとらえるときの中心視野とものをとらえずにその外側にある周辺視野がある。

 なら、カイロは常に周辺視野で戦っていることになる。

 やっぱり、すごい!!


 私はそんなことを思って、下がった剣を上げ、周辺視野で見た。そこには、景色が全然違った。さっきまで戦っていたたきは比べものにならないほど、視野が広く、さまざまな情報が入ってきた。


『風火土水龍の核』


 私は魔法を放ったが、カイロはいとも簡単に魔法を切った。

 そして、カイロは構えて私に向けて


『無天砲』


 放ってきた。私は煇剣で対抗したが、その対抗も虚しくカイロの技をくらってしまって、私は地面に向かって落ちていった。


 これまでなの…………


 私は悔しかった。カイロとの歴然の差を感じ、カイロはまだまだ本気を出していなかったことに。けれど、そんなことより、私自身に腹をたてた、私自身の実力がこんなものかと。


 …数年前…


 幼い頃、私は魔法に興味があった。私にはお母さんしかいなかった。私のお母さんは魔法使いで私はお母さんみたいな魔法使いになりたかった。


「ねえ、お母さんはどうしたら、そんなに強くなるの?」

「うーんとね……わかんないや。でもただ、1ついえることは努力は決して裏切らないから」

「わかった。なら、私は毎日魔法の練習する」


 でもお母さんは、それを否定した。私には何故かわからないかった。そして、私は近所の川まで、家出していた。

 すると、そこに魔物がやってきた。全長3m以上の虎の魔物だった。


「ひぃ!」


 私は近づいてくる魔物に、腰が抜けて動けなかった。


「お母さん」


 私は泣きながらお母さんを呼んだ。家出したのに、お母さんのような魔法使いになるって決めたのに、助けを求めていた。

 私は気づいた。私ってこんなに弱かっただと。


 ごめんなさい、お母さん


 私は目を瞑って、殺されるのを待った。


「リリアーーーー」


 お母さんが叫びながらきて、虎の魔物を剣で切った。そして、私を抱きしめてきた。


「ごめんね、リリア」

「わ、私の方こそ、ごめんなさい」

「いいのよ、リリアが無事だから」


 私は泣いた泣き続けた。しばらくして、私は泣き止んだ。


「リリア、お母さんね、怖かっただよ。リリアがもし、死んだら」

「お母さん」

「魔法使いわね、近距離になると、何もできなくなる………」

「お母さん、大丈夫、私、この世で1番最強の魔法剣士になる」


 私は覚悟を決めて、お母さんに言った。お母さんは私の何かを感じたのか、今度は「頑張って」と言った。


 …そして現在…


 私は思い出していた。私の夢を。そこで、私は1つのことを思い出した。


「ねえ、リリア聞いて。最強の魔法剣士になりたかったら、まずは世界への挑戦権を得ないといけないよ」


 お母さんが私に言った言葉、世界への挑戦権とは何かわからなかったがもう少しで答えが出そうだった。

 そして、私は1つのことに思った。


 カイロ・カーラレスに勝ちたい!!


 そう思った途端は私は何か不思議な感覚だった。


 この不思議な感覚がまだ、私を奮い立たせてくれる。


 私は再び目覚めて、カイロと向き合った。

 そして、私の後ろには白色の巨大な丸い鏡とその鏡を囲むようにある、白色の4頭の龍がいた。

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