第43話 恐怖の目
現状、ぼくとサルビアは螺旋階段を上ってます。
「長くない、この階段………」
「うむ、まだ半分か」
まだ半分ぐらいしか上っておらず、この先ながいなと感じていた。
「なあ、サルビア、この先に何があるのか知っているか?」
「知るはずないだろ」
「だろう、なら、お前は知っているのか」
ぼくたちについてきている魔族の少女に聞いた。彼女は自分が声をかけられると思っておらず、びくってなっていた。
「し、知っています。メデューサがいます」
「メデューサってあの、見たものを石化させるやつか」
「そ、そうです、そのメデューサです」
「なんでそんなやつがこんな建物の一番上にいるんだよ」
ぼくはここにいるよりか、全然に出て戦った方がよっぽどいいと思ったため、メデューサがここにいる理由がわからなかった。
「あれではないか、何かを守るためにおいているとかではないか?」
「おお、たぶん、それだよ、さすがサルビア」
「そうであろう、そうであろう」
サルビアってほめるとこんなにすぐに調子に乗るんだな。ぼくがサルビアをほめていると魔族の少女が「あ!!」って急に言い出した。
「どうしたの?」
「そういえば、カイがなんか特別な吸血鬼を捕まえたと言っていたような………」
「へー特別ね〜」
ぼくは特別と言う言葉に引っかかっていた。何かしらの力があるのかなと予想していた。そういえば、こいつ、カイって上の者を呼び捨てに呼んでいたな。慕ってないってことなのかな?
「なあ、お主、なぜ、カイを呼び捨てで読んであるのだ?」
「もう、あの人、私の上司じゃないし、それにあんな仕打ちされたから」
サルビアに先に言われたな。まあ、いいか、それにしても魔族の少女が言っていることはわかるな、さすがにあんなことされたら黙っていられないよな。
「おい、その囚われている吸血鬼を助けに行くぞ」
「カイロよ、歩いていったら、まだまだかかるぞ」
「いや、ここからは飛んでいく」
ぼくがそう言い切ると魔族の少女が連れて行ってほしそうな表情でぼくのことを見てきた。
「おい、お前、ついてくるか」
「は、はい」
「では、行くぞ」
サルビアと魔族の少女を抱っこして屋上を目指して飛んでいった。
◇◇◇
屋上の一歩前のところまで来ていた。
「なんで、最初から飛ばなかった?」
「いや、こう言うのは雰囲気が大切なんだよ、サルビア」
サルビアが言い合っていると魔族の少女が「あれ見て」と言ってきた。そっちの方向を見るとそこには吸血鬼の少女が石化させられていた。もちろんそこにはメデューサもいた。
「ここからはぼく1人で行く、2人はここで持っていて」
「うむ、わかったぞ」
「はい、わかりました」
この先2人はメデューサの力は、危険だと思い、ここで待っているように言うと屋上に歩き出した。
「止まれ」
屋上で歩いているとメデューサに止められた。メデューサは目に包帯をつけていた。力を制御するためかな?
「お前、何者だ!!」
「名乗る前に1つ聞いていいか」
「ああ、いいぞ」
メデューサをじっと見つめる。ぼくのことを捉えているということか。風が吹き、静かな森に2人が立っている。
「お前、その石化の少女をどうするつもりだ」
「はははははははは、そんなこと、わかりきっているだろ、使うに決まっている」
「使うか…………」
「ああ、そうだ、こいつには利用価値がある」
自然に怒りに満ちてきた。あの石化されている吸血鬼の少女は生きるべき存在。決して道具ではない存在。
2人の間に冷たい空気が流れる。
落ち着け、怒るな、何も感じな。
ぼくの心が凍った音が聞こえたような気がした。
「カイロ」
「あ?」
「ぼくの名前、そして、お前を殺す者の名」
「はは、殺すだと、お前程度じゃあ、私を殺さない、そこに隠れている者たちを使ってもな」
メデューサがサルビアたちのことを気づいていた。サルビアたちはバレたのだと思い姿を現そうとしている。
「来るな、そこにいろ」
冷たい声によってサルビアたちは姿を現すことはなかった。メデューサはやれやれとした表情をしていた。まぁ、口元しか見えないけどな。
「どうしてわかった」
「勘」
「は?」
「お前が目隠しをしている。そのため、石化には何かしらのデメリットが予想される。だから、全員がいる状態で石化させた方が効率がいい」
「それが違うかったら、どうする」
「だから、言ったろ、勘だって」
ぼくの一言にメデューサは体を震え出した。これは、図星かな。メデューサはヤケクソになって目隠しをやめて、ぼくのことをじっと見つめてきた。
「……………な、なんで、お前は石化しないんだよ」
「おい、その程度か」
「ふ、ふざけんな」
メデューサはぼくのことを化け物のような目で見てくる。ぼくはそんなやつとの間を詰めていく。
「く、くるな、くるな」
震えた声で訴えてくる。ぼくは無機質で何も感じない人形のような顔をしていると思う。でも今は、ただメデューサを追い詰めていた。メデューサが屋上の端の方まで下がった。ここから飛び降りたらまだ助かるかもしてないけれど、それをぼくがさせなかった。何も感じさせない人形のような目が飛び降りることを許さなかった。
ぼくは左手をメデューサの腹につけた。
『破王』
バリン!!
空間ごとメデューサの体を破壊した。メデューサの血が体にかかった。
でも、ぼくは何も感じなかった。




