第42話 聖水の効果
ぼくとサルビアが円柱の建物の中に入ると4体の魔族と上に上がるための螺旋階段があった。魔族の方を見ると1体の撫子色の髪の魔族の少女が変な装置に入れられて聖水を飲まされていた。その魔族少女の顔を見ると苦しそうな顔をしていた。無理矢理されているような感じだった。
「お前たち何者だ!!」
他の3体の魔族のなかで1番高貴な格好をしている魔族が話しかけてきた。
「人に聞く前に自分が名乗れ」
ぼくがそう言うと2体の魔族がぼくたちを襲おうとしようとしたら、高貴な格好をした魔族がそれを止めていた。あの魔族がリーダーであった。
「名乗ってやろう、小僧、妾はカイ、魔王様の直属の軍、霊度所属じゃ、そして、こっちの羽が生えているのがアルで、ツノが生えているのがイルじゃ、よろしく人間ども」
カイと名乗った蛇のような魔族は身長が高いな、魔王の直属の軍か、プサイよりかは強そうだな。羽が生えている魔族はあいつは使えそうだな。ツノが生えている魔族はあの魔族のなかでは弱いな。それにしても、蛇か。
サルビアの方に視線を向けるとカイをにらんでいた。
「ほら、早名乗れ」
「ぼくはカイロ、Aランク冒険者」
「私はサルビア」
「そんなににらまなくてもいいのじゃぞ」
大人しく名乗っといたフルネームでは名乗らずに。
「で、何のようじゃ」
「依頼だ、お前らを倒すっていう」
ぼくはそう言うと魔族どもはゲラゲラとバカにするように笑ってきた。
「たく、外のやつらはどうした、こんなガキどもの侵入を許すなんてよ」
ツノの魔族が外のやつらのことを気にしてた。もう、いないのに、こいつらは、気づいてすらいない。アホすぎず。魔族や魔物の魔力を察知したらすぐにわかるのに。
「全員倒した」
「誰がじゃ」
「ぼくが1人で外に魔族も魔物もすべて」
ぼくがそう言うと魔族どもは笑うのをやめた。
「嘘だろ、こんなガキにか」
「なら、どうやって入ってきたと思う」
「このガキが」
「人間ども、お前たちこっち側に来ないか?」
蛇の魔族がぼくとサルビアを勧誘してきた。
「いやだね、逆に提案だ」
「あーあ、振られちゃった。それで、なんだねその提案は?」
「今ここで実家でも帰って2度と来るな、見逃してやる」
「それこそ、お断りだ」
「なら、来いよ」
「カイ様、まず、私が行きます」
魔族どもとの交渉は決別し、戦うことになった。挑発すると、ツノの魔族が襲ってきた。
『魂の剣』
「ガハッ、な、なんだそれ………は」
ぼくは殴りかかろうとしてきたツノの魔族に対して、透けている白色でできた剣で貫いた。
「ほう、口だけではないな、小僧」
「1つ聞いていいか?」
「いいぞ、小僧」
「お前たちは聖水を使って仲間を殺したのか」
ぼくが聞いてことに対して、魔族どもは黙った。
「外にあった魔族の死体はそう言うことだろ、彼女みたいに、聖水を飲ませて殺したのだろ」
「半分当たり」
「は?」
「正解は聖水が増加させる魔力に耐えられなくなったからだ」
「そう言うことか………」
「どうした、魔族にでも感情移入しているのじゃか」
「いや、お前を倒す明確な理由ができただけだ」
蛇の魔族カイの戦闘が始まった。ぼくはひたすら蛇の魔族の攻撃をいなしていった。すると、蛇の魔族は攻撃をやめた。
「さすが、聖水で強化されたイルを倒すだけはある」
「おいおいおい、弱いやつが道具に頼って強くなっても弱いじゃん」
「何が言いたい」
「あいつが弱いだけってこと」
「小僧がぁ!!」
「怒りに任せて攻撃とか、弱いぞ『無炎』」
ぼくは左手で無炎を繰り出すと蛇の魔族はバタンと音をだしながら倒れた。この程度が霊度か。弱すぎる。
「あとはお前だけだ」
ぼくが羽が生えている魔族にそう言うとその魔族は逃げていった。サルビアはとっさに逃げた魔族に反応できず逃してしまい、逃げた魔族を追いかけようとしていた。
「追うな、サルビア」
「いいのか、カイロ、逃しても」
「これでいい」
ぼくは扉から顔を出して羽が生えている魔族を見た。
「やつは、リリアたちの方に行っているな」
ぼくは扉を閉めながら言った。
「次はこれだな」
「どうする?」
「とりあえず、彼女を出す」
ぼくが装置の前まで歩いた。「じっとしてて」と言う掛け声とともに装置を壊した。魔族の少女はなんで助けたと言うばかりににらんでいる。そんな少女を無視して、サルビアに「行くぞ」と言い螺旋階段の方に向かって行った。
「まって」
魔族の少女がぼくたちを引き止めてきた。
「何?」
「な、なんで助けたの?」
「………お前が苦しそうだったから」
「私は魔族です。 なぜ他の魔族のように殺さないのですか!」
魔族の少女は声を上げて言ってきた。ぼくは彼女の目を見た。彼女の目は神秘的な水色の瞳だった。
純粋でやさしい感情の。
「お前別に人を殺すつもりはないだろ」
「なっ!!」
魔族の少女はぼくの言葉に図星っぽく、驚いていた。
「行くぞ、サルビア」
「いいのか、ほっといて」
ぼくはそんな魔族の少女をほっといてサルビアに言った。
サルビアも彼女のことが心配していそうだ。
「ああ」
ぼくはトコトコと螺旋階段を上って行った。その後ろをサルビアも慌ててついてきた。




