第38話 悪い方へ
私が町の外に行くと、すでに冒険者たちが陣を構えていた。私もギルドマスターのところに行き、指示を受けて、前線にたった。
「リリア、緊張してるっすか?」
「ううん、お姉ちゃんは?」
「わたしもしてないっすよ」
「来るよ」
私とお姉ちゃんがしゃべっていると、レヴィアがそう言うと続々と魔族と魔物がやってきた。
「お出迎えありがとうございます」
魔族と魔物の軍団のリーダーらしい、虎のような男の魔族が話しかけてきた。
「何が目的だ!!」
「この町の破壊」
ギルドマスターの問いに答えた虎の魔族は絶対に町を落とせるような自身がある顔をしていた。私はその顔を怪しいと何かを企んでいるなと思い、警戒度を強めた。
「特別に俺様の自己紹介をしてやろう、霊度の内の1人、タウ」
霊度、確か、魔王の直属の部下だっけ、この人は、カイロと戦ったプサイと同じぐらい強いってことか。
「行くぞーー!!」
「やれ」
町を守るための私たちの戦いが始まった。私は剣を生み出して戦いをした。
「あれは………」
私が魔物と戦っているなか、見覚えのある魔物がいた。私が幼い頃、お母さんに助けてもらったときの何もできなかったときの虎のような魔物が。
「確か、ゴリラタイガーで前足の力が特徴的な虎の魔物の種類だっけ」
あのときから、なかなか会えなくて、やっと出会うことができた。成長した、私を見ることができる。
私は転移を使って、ゴリラタイガーの上の方に行き、剣を背中に突き刺した。
グサ
鈍い音が聞こえた。ゴリラタイガーは暴れる。
「燃えろ『ファイヤーソード』」
ゴリラタイガーは大きな悲鳴とともに燃えていった。
「ふぅ」
私がひと吹き吐いて、タウと名乗った魔族の方を見ると、余裕そうにギルドマスターとタイマンしていた。
「危ない危ない」
猿のような魔物が私のことを襲ってきた。よそ見しているからって、そう簡単に殺されないけど。
「はい『ハリケーンガン』」
猿のような魔物は粉々になりなかながら、飛んでいった。
「あれは、もう続行不可能だろ」
飛んでいった方向を見ながら言った。他の冒険者の方を見ると、なんとか魔物を倒し終わっていた。
お姉ちゃんやレヴィアさんは余裕そうに倒している。あとは、ギルドマスターと戦っているタウという魔族だけになった。
それにしても、この程度なら、余裕だが、何か裏がありそう………
私はあの魔族の余裕そうな顔を思いながら考える。私は不穏な気配がした。その方向は森の方だった。
あいつらって、森の方から来たっけ?
「なっ!!」
つい声が出ていた。
森のなかに魔物や魔族が大量にいる。それに、一体一体、すごい魔力を持っているし。
これはまずくなってきたか………
「登場」
魔族がギルドマスターを蹴り飛ばしている。そして、リーダー魔族のタウがそんなこと言うと、森のなかにいた魔物と魔族が次々と現れてきた。
「ちっ、多すぎだろ」
「まだ、いるのかよ」
さっきまでのやつらだと思っていた冒険者たちが声を上げていた。次の魔物はさっきまでの魔物と同じ数だが、遥かに強くなっている。
こちら側にも相当な被害が出るな………
化け物を使わないといけないのかな………それは、いやだな、そのあとなんて言われるかわからないし、お姉ちゃんやレヴィアさんあたりが使ってくれないかな………
「いやだな」
私が化け物を発現させると、あの魔物や魔族を倒すことができるけど、カイロとの戦闘でわかったけど、まだ、ちゃんとコントロールできてないし、カイロによると更に上と段階があるって言っていたし、使うことはベストではないな。それに、私だけが使えたら、あとからなんて言われるかわからないし、特にお姉ちゃんには。だから、この状態で対処していかないと。
「タウ様、終わりましたか?」
「ええ、終わりました、強いやつが数人程度、それ以外なら、こいつらで余裕でしょう」
魔族どもの話を聞くとやばい状況だな。それに、こいつらってまだまだいそうだな。
「リリアちゃん、どう?」
「ん? レヴィアさん、やばい状況だよ」
近くにいたレヴィアさんが話しかけてきた。レヴィアさんは今、攻撃することは良くないと思っているのかな、私もそう思う、それに、他の冒険者も魔族どもにびびっていて攻撃する勇気がない。
「うん、やばい状況、それにあれはたぶん聖水、飲んでるね」
「聖水って、カイロとレヴィアさんが受けた依頼の?」
「そう」
聖水ってどんな効果があるのだろうか、レヴィアさんは知っているのかな
「聖水が取った神聖な水の湖の魔力もこんな感じだったかさ、やつらの魔力がにているから」
「レヴィアさんは効果知っているのですか?」
「いや、知らない、だけど、予想はつく」
レヴィアさんの予想はたぶん私の予想と同じようなことだと思う。
「魔力の増大ですか?」
「うん、たぶん…………来るよ」
魔族どもが会話を終わらして襲ってきた。魔族どもは魔物を冒険者のなかでも強い方を狙ってきた。
カイロ、早くこっちに来てくれ、そしたら、すぐに終わるから。




