第36話 断ち切る
あれから数日がたった。
ぼくとリリアは明日には、王都に戻らないといけなかった。ぼくとリリアは今日は別行動をしていた。リリアはアリアさんといっしょに遊ぶらしい。
ぼくはと言うといつも通り冒険者ギルドで依頼を受けていた。サルビアは冒険者ギルドや町に近いところだと、消えてもらっている。リリアやアリアさん、レヴィアさんの3人にはそのことを説明している。3人とも不思議がっていたけど、サルビア本人にもわからないため、詳しい説明はできなかった。あと、消えている状態のサルビアとは、リリアたちは会話をすることができなかった。
『カイロよ、今回はなんの依頼を受けたのだ?』
「えっと、こんな依頼………」
ぼくはサルビアに今回受けた依頼の説明をしていった。
調査または、討伐。
ここ最近、魔物の数が強くなってきている。
そのため、その原因はなんなのか調査すること。
また、原因を討伐できるのなら、討伐をしてもよい。
『ずいぶんと曖昧な依頼だな』
「わからないことだらけの依頼ですからね」
ぼくは呑気に依頼の森まで向かっていた。そういえば、最近、冒険者の人たちを見られなくなったな。
「………あれ?」
『ん? どうしたのだ、カイロ』
「いや、そういえば、ここ最近、Bランク以下の依頼が減ってきているですよ。でも、ぼくが最初に依頼を受けたときはBランク以下の依頼も大量にあったのになんでかなって」
『確かにそれは不思議だな』
ぼくとサルビアはここ最近の冒険者ギルドの依頼の変化について考えた。ぼくは、その考えているなかで1つの結論に辿り着いた。
「ねえ、サルビア」
『なんだ』
「聖水ってどんな効果があるの?」
『なぜ、今更それを? うむ、聖水を飲むと一定の期間、魔力が数倍にも上がったり、回復したりするぞ』
それなら、魔物が活性化している理由って、聖水による影響か、だがしかし、魔物にそれほどの知能を持った魔物には、会ったことがない。なら、魔族がこれに関与しているのか。
「サルビア、神聖な地の方へ向かいますよ」
『うむ………そう言うことか!! やつらは神聖な水を利用しているのか!! さっさと向えカイロ!!』
ぼくは依頼を受けた調査する森から、神聖な地へ行く場所を変えた。もし、魔族がいる場合、飛べることがバレるとめんどくさいため、神聖な地に向かって走り出した。
◇◇◇
「ん?」
ぼくが神聖な地まで森を駆け走っていると、何かが通った跡を見つけた。
「サルビア、出てきてもらってもいいですか?」
『よいぞ、何かあったのか』
サルビアが姿を現して、ぼくが見てほしいところを見てもらうと、驚いた表情をしていた。
「サルビア、これってやっぱり」
「うむ、魔物が通った跡だ、それにこの跡だと………」
この跡は魔物の通った跡でどこからか、一直線にきている道ができてた。しかも、それは、数匹の数ではなかった。
「数万の魔物か………」
ぼくはつぶやくとサルビアは頷いた。これだけの魔物が統率を取るなんて、魔族がいないとありえない話だ。
そのため、ぼくの予測が合っていると思った。
「カイロ、ここから、神聖な地までは?」
「あと、少し」
「じゃあ、急ごう」
ぼくとサルビア少し走ると、神聖な地が見えてきた。
「なっ!!」
「結界が壊されている」
「どうやって、壊したのだ?」
ぼくたちがサルビアが張った結界のもとについたら、その結界が壊されていた。サルビアは自身の結界が壊されていることに疑問を覚えていた。
「どうしたの?」
「いや、カイロ、私、自分の結界を破壊されたら、すぐに気づくはずなのに、これは私がカイロについていった次の日には、破壊されているのに、近づかなかったら、気づかなかったんだ」
「それは、不思議ですね」
ぼくは結界を調べてみると、不思議な点を見つけた。
「これたぶん、壊すのではなくて、消しているのだと思います」
「消す?」
「この結界の壊れた跡がきれいすぎるんですよ、それに、破壊ではなくて消去だから、サルビアにも感知されなかっただと思う」
ぼくが自分の考えを述べているとサルビアも少し考え、「確かに………」とつぶやいていた。
「行こう」
ぼくたちは神聖な水のところまで、歩いていった。
「え!?」
神聖な水が見えるとサルビアが膝から崩れ落ちていた。神聖な水のほとんどがなくなっており、残っている聖水は瓶1つ分だけだった。
ぼくはそこに近づき、瓶に聖水を入れた。
「サルビア」
「何、カイロ」
「ほらよ」
「おっとと」
「最後の聖水だ、お前が持っておけ」
サルビアはぼくから聖水入り瓶を受け取ると、大事そうに抱きしめていた。
「なあ、サルビア、お前、ここに残るか?」
「え? なんで?」
ぼくの急の問いにサルビアが戸惑っていた。ぼくはそんなこと気にせず、話しかけた。
「お前には、ここに未練がある、ぼくもここにはずっといられないに、お前のためだけにここにくるつもりはない、だから、ぼくといっしょにくるか、ここに残るか選べ」
「………」
言い切るとサルビアは黙っていた。ぼくは黙っているサルビアを見ながら考えていた。
これから、サルビアとして生きていくのか、水蛇として生きていくのか、ぼくはどっちを決めてもお前の意見を尊重するぞ。
しばらくの間、沈黙な空間が続いた。
「私、ついていくぞ」
サルビアがしゃべり出した。
「ここに未練が残ってないと言えば嘘になるが、それでも私は、ついていきたい」
サルビアの目はもう悔いはない覚悟を決めた目だった。
「なら、改めてよろしく、サルビア」
「うむ、カイロ、よろしく」
ぼくはサルビアと握手した。握手をやめ、ぼくは気になっていた町の方を見た。
「まじか」
「どうした、カイロ?」
「魔族どもが町に侵攻している」
「なっ!! それはまずいぞ、急いで町に戻るぞ」
「いや、ぼくたちは魔族どの拠点に向かう」
「それだと、町が!!」
ぼくが魔族の拠点に向かうと言って、サルビアは町の心配をしていた。ぼくにはぼくの考えがあった。
「魔族どもは時間をかけて町に侵攻する準備をしてきた、なら、拠点に援軍を置いて、もしもに備える場合がある、ぼくたちはその拠点を潰す」
「でも、町は大丈夫なのか、魔族や魔物は聖水によってパワーアップしてるぞ」
「ハハ、リリアたちなら大丈夫だろ」
ぼくが笑いながら答えるとサルビアはやれやれといった表情をしていた。
「じゃあ、向かうよ」
ぼくたちは魔族の拠点に向かって走り出した。




