第2話 試験
…学園入学試験当日…
「ふわぁ〜、よく寝た」
「今の時間は?やば!!ゆっくりいきたいのに」
今の時刻を確認したところ、7時00分と試験が始まる1時間前だったため、ぼくは朝ごはんを食べに食堂の方に行った。
そこでは、サルカさんが朝ごはんを作ってくれていた。
「カイロさん、遅いですよ。これ、朝ごはんなのでさっさと食べくださいね」
「あ、はい」
サルカはぼくに対して、顔を近づけて怒るような口調で言ってきたので、ぼくは迫力に押されたので、少しびっくりして反応が遅れてしまった。
「カイロさん、今日は試験の日なので、合格したらお祝い会をするので、頑張ってくださいね」
本当ですか?
「何ですか。その反応は、私がこんなことしないと思いましたか?」
ぼくはサルカさんが学園に入学することができたら、祝ってくれると聞いて、ほんとなのかな?という顔をしていたらしく、サルカさんに逆に聞き返されている。
「サルカさん、ごちそうさまでした。では、学園の入学試験の方に行ってきます」
「はい、いい報告が来るように待っておきますね」
ぼくはサルカさんにお礼をして、宿を後にするのであった。
◇◇◇
「やばい!道に迷ってしまった」
ぼくは、試験会場まで歩いて向かっていると、カイロと同じぐらい年で銀髪のツーサイドアップで透き通るような紫の瞳の目を持っている少女が焦るような顔をしながら、声をあげていた。
「どうしたんですか?」
「えっと、王都英傑学園とは、どこにありますか?」
「なら、ちょうどいいですね。ぼくもそこに行くので一緒に行きますか?」
「はい、よろしくお願いします。リリア・フリーダムといいます。よろしくお願いします」
「カ、カイロ・カーラレスです。こちらこそよろしくお願いします」
ぼくはリリアさんに一緒に行くか提案をするととびっきりの笑顔で答えてきた。
そして、リリアさんが急に自己紹介してきたので、戸惑いながら自己紹介をしている。
リリアざは遠いところから試験を受けに行くことなので、やはりこの学園にはたくさんの人が試験を受けに来るのかなとぼくは思いながら、歩いて行った。
数分歩いていると、学園の正門らしきところが見えてきた。
「案外遠くにありましたね」
「確かにそうだよね。カイロを早く試験の受け付けに行こう」
リリアさんがそう言うと、受け付けまで歩いて行った。
リリアさんと話しながら向かっているときに、お互いに下の名前の方で呼ぶようになった。
ぼくはリリアさんとリリアさんはカイロと呼ぶことになった。
ぼくは初めての同年代の友達ができて嬉しがっている。
リリアさんのあとに続いて向かった。
「こちらの紙に自分自身のことを書いてください」
ぼくとリリアさんが受け付けをしにいくと、受け付けのお姉さんが紙をわたしてきた。
だいたい、書く内容がこの国に入るときに作った身分証と一緒だったのでスムーズに書くことができるようになっている。
リリアさんはぼくが書き終わるときには終わっていた。
「カーラレスさんとフリーダムさんですね、確認が終わりましたので、こちらをおわたしします」
受け付けのお姉さんはぼくにはFと105番と書かれたプレートをリリアさんにはBと104番と書かれたプレートをわたされた。
「英語で書かれたところは試験のグループで数字で書かれたのはそれぞれの試験番号ですので覚えておいてくださいね。では、筆記は番号順に座ってもらうので、移動してください。」
ぼくとリリアさんは受け付けの人に案内されながら筆記の試験会場に向かった。
「ひろ!」
「ここ、何に使う部屋なんでしょうか?」
筆記の試験部屋に着くとそこには、約100人ほどの人が座れる部屋であったので、ぼくとリリアさんはそれぞれその部屋に対して感想を言った。
「ここ、講義室」
ぼくとリリアさんが感想を述べていると左の目が髪の毛で隠れている藤色の髪のボブヘアの少女話しかけてきた。
「講義室ってなんなん?カイロは知ってる?」
「たしか、1人の先生が話すところでしたっけ?」
「だいたい、それ」
藤髪の少女はこっちを向いて話してきた。目を見ると、右目は青色の瞳で、前髪で隠れている左目はピンク色の瞳の少女であった。
「ふーん、まぁいっか。で、君の名前は?私はリリア・フリーダム。リリアって呼んで」
「ぼくはカイロ・カーラレス。好きに呼んでいいですよ」
「私は、ジュリ・フォグミスト。好きに呼んで。よろしく、リリア、カイロ」
ぼくたちは新たにジュリさんと友達になることになった。
「カイロとジュリは筆記どのぐらいできるん?」
「そこそこぐらいですかね」
「そんなにできない」
「まあ、2人とも頑張ろうね」
「うん」
「お互いに頑張りましょう」
ぼくたち3人は雑談をしなが、試験が始まるまで待った。
「では、試験を始め」
試験の監督さんがそう言うと始まった。
ぼくは、解いている最中にこの問題、簡単すぎないか?と思っていた。
簡単に満点を取ることはできるけど、満点なんてとったら目立つし、それは嫌なのでいいぐらいに調整をしていき、点数をとっていった。
「2人とも、どうだった」
「多分」
ジュリさんって勉強苦手なんでしょうか。
「だいぶいけたかな」
筆記の試験が終わったら、リリアさんがぼくとジュリさんに話しかけてきた。
ぼくはジュリさんの答えに対して勉強苦手なんだと思った。
「これで、残りは実技試験だけだね。ジュリはプレートに何て書いてた?」
「Eの103番」
「全員違うグループだね」
そんなことを言うリリアさんにぼくは仲が良い人たちがなるべく一緒のグループにならないようにしているではないと思っていた。
「では、実技試験の会場に向かいましょうか?」
「はい」
「うん」
ぼくたちは実技試験の会場に向かって行った。
会場に行くと必要試験の会場の数倍の人数がいた。
「すごい人数」
「こん中から、受かる人は半分もいかないぐらいですかね?」
「わかんないけど、たぶんそう。結構の人が落ちる」
「そんなこと、いわないでよ」
「受かったらいい、話ですよ」
「おい、女連れ、自分が落ちないと思っているのか?」
ぼくたちはそんなたわいのない話をしている、急に話しかけられた。
ぼくたちは話しかけられた方を見ると、くすんだ緑髪のヤンキー風の男の人だった。
「うん。落ちるとはそうそう思っていませんよ」
「ああ?いい気になってるんか?てめぇ、どこのグループだ?」
「Fですよ」
「一緒じゃないか。お前は俺様が叩き潰してやる」
どうやら、このヤンキーはぼくと同じグループらしくて、叩き潰すなんて言って去って行ったけど、ぼくには、そんなことが想像できなかった。
「大丈夫でしたか?」
去って行ったあと、1人の人が心配しながら、走ってきた。
その人にはピンク髪、ピンク色の瞳を持つ女性で名札を首からかけているので、先生なのだと思いました。
「はい、大丈夫でした」
「そう。なら、よかった」
「先生も心配してくださりありがとうございます」
「え!何で先生だとわかったの?」
「普通に名札をかけているからですよ?」
ぼくは女性を先生だと言った、しかし、何故か驚かせてしまった。
「そ、そうよね。では試験頑張ってくださいね」
「はい、ありがとうございます」
先生はそう言って他の場所に向かって行った。
「よく、先生だとわかったね」
「いや、普通わかりますよね」
「ううん、先生って言われるまでわかんなかった」
リリアさんとジュリさんは先生だとわからなかった。
ぼくがヤンキーに絡まれているのは心配はしてなかった。
そんなことを話しているといかつい男の先生が声をあげていた。
「聞こえるか?受験生ども、これから実技の試験を行う」
そんなことを言っていたら、さっきまでのうるささがなくなり、真剣にみんな話を聞いている。
「よし、ルールの説明をするぞ。よく聞け。貰ったプレートに英語が書かれているだろう、Aから順に試験を行い、最後のJまでいったら終わりだ。それまではここで待機するように」
先生はわかりやすいように説明していった。
「ルール説明は以上だ。今からAグループの試験を行う。Aグループは速やかに移動しろ」
そんなことをいうとAグループの人たちが移動していった。その数はだいたい100人程度だったので、AからJまでで1000人ほどだとわかった。
「Aグループの試験始め」
担当の先生がそう言うと、100人ほどの乱闘が始まった。
Aグループの試験は30分ほどだった。
なので、それぞれのグループの試験は30分ぐらいの時間になっている。
ぼくはそのような試験なんだと考察した。
さらにいうと、試験の様子は他の試験者が見ることができるシステムのようだった。試験は次々と進みFグループつまり、ぼくの実技試験の番になった。
「じゃあ、行ってくる」
「いってらー」
ぼくは先に試験が終わったリリアさんに言って、試験会場に向かって行った。
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