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番外編

 熊沢天皇の部では、日本共産党の徳田球一が党員から天皇とあだ名されていたことは既に述べた。ここでは戦後、天皇とあだ名された人物を列挙していく。戦後の日本社会においてカリスマ性と指導力で組織を強大にしたことから畏敬の念を込めてそう呼ばれたのだが、同時にワンマン体制、組織の私物化に対しての妬みや憎しみも込められている。


【電通の天皇】

 吉田秀雄。広告の鬼。電通の4代目社長。その他の放送会社の取締役も兼任する。戦後の電通において、公職追放された人々を積極的に採用し、またそのコネを利用して発展に努めた。


【西山天皇】

 西山弥太郎。川崎製鉄の社長。日銀総裁の法王・一万田尚登の反対を押し切り、巨額を投入して千葉に臨海製鉄所を建設した。


【牧田天皇】

 牧田與一郎。三菱重工業の3代目社長にして三菱自動車の設立者。


【赤間天皇】

 赤間文三。戦後、大阪府知事に就任し、大阪府の復興に尽力した。やがて在任期間が長期化していくと都道府県知事たちのトップのような存在となり態度も尊大になって「赤間天皇」という異名をとるようになったという。


【重宗天皇】

 重宗雄三。参議院議長。閣僚人事に多大な影響力を持っていた。


【渡辺天皇】

 渡辺邦男。映画監督。経営に苦しむ新東宝において『明治天皇と日露大戦争』を撮り大ヒットさせた。そして本人が「渡辺天皇」の異名をとるようになる。


【久保天皇】

 久保三郎。国鉄労働組合の結成に参加して役員を務めた後、衆議院議員となり、同じく国鉄労働組合出身の議員たちの中心的存在となって天皇とあだ名された。


【佐伯天皇】

佐伯達夫。高野連会長。GHQの圧力から高校野球春の選抜を守った。不祥事に厳しく、出場辞退を迫るなど厳し過ぎる対応を行っていたため高校野球関係者から恐れられた。


【武見天皇】

 武見太郎。日本医師会会長。医療費政策について厚生省と闘い続けた。


【永田天皇】

 永田雅一。大映社長。お金の力で映画スターを集めたり、映画製作の企画においてワンマンぶりを発揮する。


【鉄鋼天皇】

 稲山嘉寛。経団連会長。新日本製鉄(現・日本製鉄)社長。鉄鋼業界での競争を調整して協調路線を歩むよう尽力した。


【芸能界の陰の天皇】

 渡辺晋。ナベプロ社長。テレビ番組制作における権利関係をひとまとめにして利益を拡大した。


【蔵前の陰の天皇】

 出羽ノ花國市。力士。現役時代は前頭までで成績が伸び悩み引退したが、引退後経理の勉強を行って日本相撲協会の運営を立て直し、戦後には蔵前国技館設立費用を工面する。その功績からやがて日本相撲協会の理事長となった。


【鮨の天皇】

 藤本繁蔵。銀座の鮨処『きよ田』の鮨職人。白木のカウンターを初めて使ったといわれる。


【漫画天皇】

 手塚治虫。戦後の漫画界において多大な功績を残した。他の"天皇"とは毛色が違うが、実はこの号は手塚の死後、台湾の漫画ファンによって贈られたもの。日本では漫画の神様という呼称が一般的。


【服部天皇・山形の天皇】

 服部敬雄。山形県のメディア・交通の社長を歴任して絶大な権力を行使する。アニメ「忍者ハットリくん」を名前が気に入らないと打ち切りにした。


【住友銀行の天皇】

 磯田一郎。住友銀行の頭取となり、銀行を全国展開。数多くの企業を倒産から救った。だが後に暴力団との関係が明らかになり辞任。


【福島の天皇】

 小針暦二。福島県のメディア・交通の社長を歴任する。


【岡田天皇】

 岡田茂。三越百貨店社長。老舗百貨店だったが、戦後落ちかけていた勢いを盛り返させた。


【宮(島)天(皇)】

 宮島義勇。映画の撮影監督。撮影における独自のポリシーをもっており、監督にも遠慮なく意見を言うため「天皇」と呼ばれた。


【黒澤天皇】

 黒澤明。映画監督。戦中・戦後から人間の成長や社会批判をテーマに扱った映画を撮り続けた。海外でも高く評価され「世界のクロサワ」とも呼ばれる。


【新潮社の天皇】

 斎藤十一。新潮社取締役相談役。数多くの作家を育てる一方、週刊誌に殺人犯の顔写真を掲載するなど売れるために手段を選ばなかった。


【長銀の天皇】

 杉浦敏介。日本長期信用銀行頭取。第三次産業に積極的に融資を行い日本の景気を上昇させたが、それはバブル景気だった。


【海原天皇】

 海原治。防衛庁官房長。自衛隊の軍備強化に反対し、防衛庁長官と対立。やがてその座を追われた後は軍事評論家となる。


【ドラマの天皇】

 久世光彦。TBSプロデューサー。『寺内貫太郎一家』『時間ですよ』『ムー一族』など数々のドラマをヒットさせた。


【長野の天皇】

 吉村午良。長野県知事。県議会の「オール与党体制」で権力を誇る。ただし、1998年のオリンピック招致での不正疑惑で批判を受け、次の知事選で作家・田中康夫にその座を奪われた。


【土屋天皇・埼玉の天皇】

 土屋義彦。埼玉県知事。さいたま新都心計画を推進し、県のイメージアップを図る。


【成田天皇・電通の天皇】

 成田豊。電通の9代目社長。スポーツイベントに関する権利をほぼ独占する。広告売上では世界最大と言われる。


【塩路天皇】

 塩路一郎。日産労組委員長として、経営陣と同じくらい大きな権力を誇った。そのあまりの権勢は、後に会長のカルロス・ゴーンが逮捕になったときに再び思い出されることになった。


【(そごうの)天皇】

 水島廣雄。そごう社長。そごうグループの全国展開に尽力。ただしバブル経済破綻とともに失脚。


【テレ朝の天皇】

 小田久栄門&皇達也。テレビ朝日プロデューサー~取締役。報道番組のセオリーを壊しタレントらの著名人を起用するなどして長寿人気番組とする。


【財界天皇】

 米倉弘昌。経団連会長。住友化学株式会社相談役。海外展開、製薬事業に力を入れるなどして収益を伸ばした。


【日活の天皇】

 舛田利雄。映画監督。数々の大作映画を製作しヒットさせた。アニメ映画の「宇宙戦艦ヤマト」にも参加し同様にヒットさせる。


【球界の天皇】

 金田正一。高校を中退して国鉄スワローズに入団。投手として、並み居る強打者、とりわけ巨人軍の選手をきりきりまいさせたことで「天皇」とあだ名された。


【村上天皇】(※平安時代の村上天皇とは関係ない)

 村上正邦。労働大臣。自民党参院議員会長。自民党の参議院議員の間で絶大な権力を誇った。


【西武王国の天皇】

 堤義明。西武鉄道グループ総裁。野球など様々なスポーツ事業に成功し"西武王国"を築く。長野県知事の吉村午良と協力し、長野オリンピック招致に成功した。


【防衛庁(省)の天皇】

 守屋武昌。防衛事務次官。自衛隊や米軍の基地移転問題などで精力的に働き、防衛大臣よりも実質的な発言力を持っていた。


【水谷天皇】

 水谷豊。俳優。長寿ドラマ『相棒』の主人公をつとめ続ける。ドラマの相棒役やスタッフについて強い発言力を持つと言われる。


【天皇】

 東園基臣。フジテレビ番組プロデューサー。元華族でスタッフの間から密かに天皇とあだ名された。パワハラ騒動で担当番組が打ち切りになるが、パワハラが事実かは不明。


【明治天皇】

 昭和17~18年生まれの北海道出身の女性。中学生時代、顔立ちが明治天皇に似ているのでそうあだ名された。


【フジテレビの天皇】

 日枝久。フジサンケイグループ代表。株式会社フジテレビジョン取締役相談役。その他のフジサンケイグループの会社の取締役・相談役も務める。フジテレビ入社後、若い頃から目立つ活動でフジテレビの黄金時代を作り上げ、要職に抜擢されていた。


【イットの天皇】

 渡邊貴。フジテレビの情報番組「めざましテレビ」「めざまし8」「イット!」のチーフプロデューサーを勤める。辣腕を奮うがワンマンなところもあるようだ。番組の報道態勢に対し、ときどき批判を受ける。


【竹田恒泰親王】

 旧皇族の竹田恒徳(竹田宮恒徳王)の孫である政治評論家。2000年代(2012年以前)に台湾の温泉街の料理店にて食事をしたところ、その店で写真を撮られ宣伝として飾られるが、そこでの肩書が「明治天皇玄孫竹田恒泰親王」となっていた。この写真がネットにUPされるとジャーナリストらから非難されるが、竹田氏はそもそもそんな料理店など知らないと自身のYoutubeチャンネルで述べている。親王というのは台湾の人が皇室典範をよく知らなかったためにこうなってしまったのだろうが、竹田氏が旧皇族の子孫であるということを名乗らなければこのような表現にはなるまい。ちなみに昭和8年には竹田宮と縁の深い伏見宮家の親王がこの卵料理を食べて褒めたとも宣伝文句に書かれているが、その当時の伏見宮家の当主の称号は「王」であって「親王」ではない。


【日テレの天皇】

 五味一男。日本テレビの番組プロデューサー。「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」「マジカル頭脳パワー!!」などのバラエティ番組を担当しヒットさせる。「24時間テレビ」でマラソン企画を立てたのも彼である。

 

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