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2.古都の魔法使い

第2話

 古都の魔法使い


「アカネちゃんだ!」

「アカネちゃ~ん」

 市民からの歓声にこたえる魔法使いの"笠 茜”と"白狐”の二人。


 その後は、茜は箒に乗って、空高くに飛んで行きました。

 まあ、いうなれば、ウルトラマンの「シュワッチ!」ですね。

 

 空高く消えた茜は、自宅の梅小路公園近くのマンションの屋上に着陸し、誰もいないことを確認すると、変身を解除し、自室に戻ります。

 

 白狐とは空中で別れたようです。


 途中、マンションで住人とすれ違ったのですが、誰も茜が大きな箒を二本も持っているのに、魔法使いとは認識していないようです。


 それは何故?


 実は、茜が認識阻害の魔法を使っているからなのですよ。


 ふふふ。


 部屋に戻ると!


「あぁ、疲れたわ」と、言って、ドカッと座る茜なのですが、実は、魔法使いになったころは、今と比べると、『実力が、かなり低かったこと』は、茜と白狐の二人の秘密なのです。



 ――そうね、私が、魔法使いになったのは、5年ほど前のことね。


 しかも、茜は魔法使いになるまで2年を要しているらしいのです……

 それほど、厳しい修行があったの?

 いやぁ、どうだろう……



***



 10年前、海外からのニュースで、【魔法使いを発見!】という報道がなされたのです。


「人が空を飛んでいた」

「地面から人が現れて、閉じ込められた人達を救ってくれた」

と言ったニュースが相次ぎました。


 それを聞いた茜は、『なんだか、怪しいニュースね。ネッシーみたいなものでしょう』と思ったのですが、なんと日本にも、魔法使いが現れたのです!!



 その日は、台風に大雨が続いた西日本でのこと。


 ある家の周囲が川のように水に囲まれていたのです。


 その家の屋根には、母親と小学生の子供が雨に打たれています。

 救助隊を待っていますが、小学生は今にも泣きそうです。


 水の流れは速く、救命ボートは出せない。

 もちろん、台風の暴風でヘリも出せない。


 そんなところに、絶望が近づいてきたのです。

 詳しく言うと、大木が上流から流され、二人のいる屋根に近づいてきたのでした。

 その時、テレビを見ていた誰もが、「もうダメだ!」と叫んだ、次の瞬間!


 上空から、箒にまたがった魔女が、猛スピードで降下したかと思うと、大木に目がけ、とりもちの様な物を投げたのです。

 すると、大木の進路を変えてしまったのでした。


 人々からは、

「「「おおぉぉ」」」と言う歓声が、上がりました。


 そして、魔女は屋根に取り残された親子をロープに引っ掛けると、救命部隊のところへ運んで行き、二人は下ろされました。


 無事に運ばれた親子は、呆然としていたのですが、気を取り戻すと、魔女にお礼を言っています。

 何といっていたのかは、テレビではわからないのですが、しきりに頭を下げています。


 そして、テレビ局が魔女に取材を試みました!


「すみません。あなたは誰なのですか?」と、魔女に声をかけました。


 その時の魔女の姿は、紫の帽子にマント、箒にまたがっていた状態です。

 いかにも、西洋風の魔女なんですが、1つだけ、現代風なアイテムがあったようで、それは、ゴーグルをかけていたということです。


『おそらく雨よけなんだろう。用意周到な魔女だ』


 しばしの沈黙の後、魔女は、ついに口を開いたのです。


「私は魔法使い。この地域を守ることを使命としている」

「魔法使い?」

「そう。魔法使いは、私の他にも、魔女や魔法少女、変身ヒーローなどがいる」


「あなたの他にも、いるんですね?」と、インタビュアーが聞くと、

「ああ、いる。私は、山間部を見に行くので、これにて失礼ッ!」と言うと、大雨の中、飛び立っていったのです。


 とはいえ、魔法なのだろか?

 魔女は雨に打たれても、濡れていなかったのは。


 それを見た私は、『魔法使いは他にもいるなら、私もなりたい』とテレビの前で強く願っていました。



 そして、その夜、魔法使いのお告げを受けることに……


 スヤァーと寝ていたら、夢の中に魔女らしき人影が現れて、

「茜よ!」

「zzzzzz」


「おい、寝ている夢の中でも寝るとは、どういう神経構造になっておるのじゃ」

「起きぬか!」


 バシッ!?


「あぁっ、痛い」

「やっと起きたか。笠 茜よ!」

「貴女様は?」と聞いた茜は、黒いマントに、ロッドにとんがり帽子は!

『この方は、魔女以外に考えられない』と理解できました。


 すると、魔女らしき女性は、

「笠茜よ! 魔法使いになりたいのか? どうだ、言ってみろ」と、聞いてきたのです。


「はい、なりたいです。で、貴女さまは?」

「我が名は、メアリー。大魔女メアリーだ。魔法使いになれるものを探している」

「はい!」


「そして、お前には才能があるかもしれない」

「本当ですか? 大魔女さま」

「私の魔力を分けてやろう。その魔力で変身準備をするのだ。なので、どんな魔法使いになりたいのか? このカタログを見て決めておくように」


 その時、茜は考えました。


 あの時の魔法使いは、「魔女、魔法少女、変身ヒーローなどがいる」と言っていたということは、魔女以外にも選択肢があるということではないの?


「その通りだ」と大魔女メアリーさまが、言いました。

「えっ?」


 そうなのです。

 茜は何も言っていないのに、大魔女さまは回答したのです。

 

 それは何故?



 次回のアカネちゃんは、魔法少女になりたいです。

 

読んで頂きまして、ありがとうございます。


よろしければ、ブックマークなど如何でしょうか?


そして、お昼のおやつは京絵巻総本舗様の「麿のお気に入り」で!?


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