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1.古都防衛戦線

久しぶりの魔法使い作品で、筆者も楽しみの作品です。


ラーメン屋をめぐりながら、怪人たちと楽しく闘う茜と白狐の物語です。

是非、茜の活躍を楽しんでください。


第1話

 古都防衛戦線




「では、白狐。お世話になったわね」

「茜、宇宙でも頑張ってね」

「ありがとう。頑張るわ」


 茜と呼ばれる白黒の魔法使いは、まるで日本の前方後円墳のような形の宇宙船に乗り込んで行きました。

 それを見送る白狐と呼ばれる白い狐。


 白狐の後ろからは、お稲荷様が「茜は行ったのかい?」と声を掛け、白狐の頭を撫ぜております。

「昔のことを思い出したんだね。今は泣いても良いから、茜が戻って来るのを祈っておやり」

「はい、お稲荷様」



***



――21世紀半ば、初めて魔法使いが見つかって、早10年が経過した。そして、ここ古都に於いても、一人の魔法使いが活躍している。



「こんな白昼堂々と、カラス天狗どもめ! 鞍馬山に帰るが良いわ」

と、言ったのは、この街の魔法使いの“アカネ”です。


 そう、魔物や怪人が出現することが起きるようになった21世紀半ばの世界で、ここ古都ではカラス天狗が暗躍していたのです。


 しかも、この日は、白昼堂々と三条大橋の下、鴨川沿いに二体も出現するとは、これは一大事です。


 しかし、平和ボケした日本人は、早々に、一人の男がカラス天狗に食われてしまったようですね。


 運動不足からか、動きも反射神経もトロい中年女性も食われてしまったのですが、途中でカラス天狗は、味が気に食わなかったのか、食すのを止めてしまったようです。


 なんだか、ゼラチン質でマズそうです。


 そんな、古都の市民の危機に現れたのは、一人の魔法使い!


 まるで、東方さんのゲームキャラに似た姿は、濃い目の紺色のワンピース、いや、ジャンパースカートに白の中袖のブラウスにエプロン、膝下ぐらいのドロワーズを履き、頭には帽子をかぶっているでは!


 まるで魔理沙だ!


 ただ、魔理沙と明らかに違うのは、箒を二本持っており、一本は背中にたすき掛けしていること。

 あと、八卦炉がないので、マスパは使えません。


 では、何が使えるって?

 それは、箒ですよ。藁の箒。


 方や、カラス天狗は、漆黒の鋼鉄のボディに、顔はくちばしまである、まさにカラスです。


 そして、口からは、甲高い声を発すると、人の耳には痛みが走るのです。

 また、2メートル近い体格からのパンチは、アスファルトの地面も砕く威力があります。


 一方、アカネという魔法使いは、身長158センチ程度の若い女性なのです。


 ただ、動きは機敏!


 ですが、鋼鉄の兵士を倒せるようには、とても思えないです。

 

 ところが、手に持っていた藁帚の柄で鋼鉄の兵士の腹を付くと、中から、ニュルニュルニュルとした油ギッシュなモコモコが溢れ流れ出てきたのです。


 例えるなら、ゼラチンで加工した内臓とでもいえましょう?


「汚いわ。肉ばかり食べていると、内臓がベトベトになるのよね」と吐き捨てる魔法使い。


 すると、もう一体のカラス天狗は、腹に穴の開いたカラス天狗の巨体を魔法使いに向けて、投げつけてきたのです。


 誰もが魔法使いに、当たると思った時、彼女は、箒の藁の部分で、カラス天狗の巨体を払いのけると、カラス天狗の身体には炎がまとい、地面にべちょっと溶けてしまったのです。


 鋼鉄の外骨格が解けて、中のピンク色の筋肉とも内臓とも言えないようなモコモコが、うんちのように盛り上がっています。


 その隙に、もう一体が鴨川沿いを上流方向に走って逃げようとしたとき、何かが逃げるカラス天狗にぶつかったのです!?


 誰もが「何だろうか?」と思った時には、カラス天狗はバランスを崩し、魔法使いの投げた箒の柄が、すごい勢いで後頭部に刺さったようでした。


 どうやら魔法使いは、自身の身体に肉体強化魔法をかけているようで、すごいパワーです。


 あのカラス天狗の鋼鉄の装甲が霧散してしまいました。

 すると、また、ピンクの"うんちの山”が出来た模様です。


 しかも、ホッカホカのようですね!?

 湯気が上がっていますよ。


「白狐、ありがとう」と、魔法使いが言うと、先ほど、カラス天狗にぶつかったのは、神の使い“白狐”だったのでした。



 そう、この街は、魔法使いの“笠 茜”と書いて“カサ アカネ”と、神獣の“白狐”が、秘密結社『真・八咫烏』の鋼鉄の兵士から市民を守っているのです。

 二人は、この古都の守り神なのです。



 さて、この颯爽と出現した魔法使いと神の使いは、何者なんだ?


 次回のアカネちゃんは、茜が魔法使いになるまでのお話です。


※ 東方の魔理沙は、ジャンパースカートではありません。

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