100000万PV突破記念 1
いつも小説を読んで頂きありがとうございます。
100000万PV突破記念として、数回に分けた座談会を書く事にしました。
いつもとは違うクロガネやカザミの会話を、どうぞお楽しみください(^^)
〜*〜*〜100000PV突破記念座談会〜*〜*〜
「あ〜、遠いようでいつの間にかやってきてたんだな」
「なんの事や?」
ドゥーロの呟きにカザミが問う。
「勿論、あの事でしょう? その件であのクルードさえも気がついて、数日前から自室に籠って何かを作っていたようです。カンザールは助手として手伝いに付いているようです」
部屋の飾り付けをしながら話す3人。
「何かやってるん、あの2人は?」
「そりゃもちろん」
「咲耶様に差し上げる、何かでしょう」
カザミの質問に、当然だと頷くクロガネとドゥーロ。
「なんや、ウチだけ除け者やなんて。ウチ、悲しいわぁ……。特にクロガネや、アンタとウチの関係はかなり長いと思っとったのに、ウチに隠し事とは口惜しいわぁ……」
自慢の尾を胸に両手で抱え、ふさふさの毛並みの中に顔を隠して鳴き声をあげるカザミ。
「そんな芝居をしようとも、我々は誤魔化されませんよ。貴方の嘘泣きなど、可愛くもなんともありません。それより、頼んでいた品物は揃いましたか?」
「ホンに、詰まらん御人やアンタはんは。まぁええわ。ご依頼の品物はクルードに預けてきたわ。それよりも急がんと、咲耶はんが起きてしまうわ。2人とも入ってきなはれ」
先程までの泣き顔を一瞬に消し去さると、扉の向こうに声を掛けた。
「兄ィ。こっちの準備は万端やで?」
「万端、万端! 後は、部屋の飾り付けをパパっとしてしまうだけやわ!」
カザミの弟妹である彩芽と千牙が、扉からひょこっと可愛らしく顔を覗かせる。
「う〜ん。コイツらホンとに可愛いよな。カザミの弟妹っていうのが信じられないんだけど」
「まあ無理もありませんね。幼少期の妖は自分の身を守る為に、外敵から傷つけられないように見た目を変えるのです。まあ成長の過程で、カザミの様に捻くれた性格の持ち主となるか、可愛らしい状態で成長するのか。それは彩芽達次第です」
彩芽の頭を優しく撫で回すドゥーロに、幼な子の未来を憂いるクロガネ。
「たく……。内の家庭事情に首を突っ込まんといてや? この子らは、今のままで十分可愛らしく、立派な子達なんや。それよりも今は、準備を急がんとアカン筈やで?」
彩芽達が持参したエプロンに腕を通しながら、沢山の品物を部屋に運び込むカザミ兄妹。
「おや、本当に時間が残り少なくなってきましたね。ドゥーロくん、君はクルード達の所に行って、作業を急がせてきて下さい。私とカザミ達は、急いで部屋の飾り付け。及び料理の準備を行いますよ?」
『了解〜〜』
カザミ達の声に、別の声が不意に混ざりこむ。
《面白い話をしているではないか。どれ、私にも1枚噛ませてもらえないかな?》
「駄目や。後からの参加はお断りしとります。って……、黄竜はん⁈」
ギルドマスターの部屋からやってきたのだろう。咲耶邸の入り口から姿を現したのは、絶賛ギルドを立て直し中の筈である黄竜その人であった。
《聖女には主人共々大変世話になっている。なんの宴かは分からぬが、仲間に入れてはくれまいかな?》
「って言うてるけど、どないするん?」
「どうすると言われても、断る事など出来る筈もない。分かりました。黄竜殿も、秘密の共犯者になって頂きます。では、時間が差し迫っているので、急いで説明しますよ?」
そう言ってクロガネは、カザミ、黄竜、幼き狐の子らを集めて、作成を説明し始めるのだった。