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魔法の科学教師と生徒たち?  作者: 星藍もち
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国際魔法学校編 第一章 1話



             国際魔法学校編 第一章 




---人間とは醜い生き物である。そう思ったのはいつごろからだっただろうか。人間は何度か戦争というものを行ってきた。それは人というそのものの本性を表したものである。近年ではまたあの戦争を繰り返さないように様々なルールを作った。しかし、そのルールもあるだけで完全に守られているわけではない。そう、だれもが知っている当たり前のことだが......

                      

                 


東の窓から朝の光が反射する。眠気を覚ますために両手で頬をたたく。頬の感覚神経が伝わり目を覚ますと、時計を見た。


「あれ?」

 俺は驚愕した。

「時計が止まってる!?」


 なぜこんなことになってしまったのかは置いといて、今が何時なのか冷静に判断する。テレビをつけてニュースを見ると。

「現在、八時十五分をお知らせします。」

 女性アナウンサーの優しい声が聞こえるはずだが俺は悪魔の囁きに聞こえた。


 俺はあと十五分で仕事場に行かなければならないのかと呑気に考えていると。

「あ、あと、十五分!?」

 思わず声が出てしまった。

 俺は急いで支度を終えると全力で自転車のペダルを踏んだ。


 そもそも、俺がする仕事は、学校の教師である。まだこの仕事をするには若すぎるが、ただの学校ではない。世界魔術教育委員会と国際防衛連合の共同開発で設立した国際魔法学校である。


 第二次高度経済成長期から約百ニ十年が経ち、人間はこの百二十年の間に世紀の大発見を成し遂げた。それは、新しい鉱物の発見だった。ただの鉱物ならばここまで報道されなかっただろうが、研究の結果で未知の力が秘めていることがわかった。


この力は後にこの鉱物を発見したエイル・モートンが「鉱物を発見した際に魔女のような姿が脳裏に浮かび、私を含めた科学者が幻覚に襲われた。」ということからエイルが魔女の力=魔力とし、この力を帯びている鉱物が魔法石(魔女石)と呼ばれるようになった。


 そして、各国々が魔法石を自国に持ち帰り研究をしていた。

 しかし、ある事件が起きた。研究所で実験をしているとき、実験に失敗し、大規模な爆発をおこした。


この時、科学者たちの研究で魔力を内部力から外部力に変換する研究をしていたため、魔法石から発せられる魔力は放射性になっていた。


そのため、約一日とちょっとで世界中に広がってしまった。この影響で人間の約八割が魔力を帯びた体になってしまった。


なぜ、魔力を帯びてしまったのかは今でも謎に包まれたままだ。





 自転車を降りると、自分の腕時計を願いながら見た。

「八時二十三分」

「よし!」と片腕の握り拳をぐっとひいた。


 今日から初めての教師という職業をするために、この二日前に学校について大まかな説明資料をもらったのだが。予想以上に歓喜していた。


 土地総面積が約百キロメートルという、どう見ても規格外な大きさで国際防衛連合から一つの特別国際防衛地域(SWDA)に指定されている。


 流石、国際で建てられたものだと感心していると。十代くらいだと思われる人が声をかけてきた。


「おう、ここに来るのは初めてかい」

 とても陽気に話しかけてきた。ここは学校のはずなのになぜ浴衣姿なのだろうと考えていると、それを察したように「気分じゃよ」と答えた。


言葉遣いの割には少年のような顔立ちで背丈が低く、髪はショート、声変わり前の中世的な声、まさしく俺の考える少年像だった。なぜ、こんな小さな少年がこんなに偉そうなのか少し、不満に思った。


 そこで、話しかけてみようとした瞬間

「ほら、早くいくぞ、」

 少年に不意を突かれ、抵抗する暇もなく、少年は歩いていった。仕方なくついていくと。そこには、三次元式の看板に職員室と表示されていた。


「ここじゃ」と言って扉を開けた。

「職員室!?」


 ということは、この少年は職員室に案内してくれたことになる。なんと、優しい少年だったのか、あんなにツンツン? していた少年が遂にデレ? たのではないか。


いや、言葉遣いとのギャップ萌えか、待て待て、俺は脳内でなにを考えている? 顔はにやけているし、傍から見たら頭がおかしい人に見えているのではないか? 


というか、こんな考えが出できてる時点で頭おかしいだろ! 自分でツコッミを入れたくなる。


とうとう、頭の演算処理装置が処理限界に達した。0.3秒のクールタイムで少しずつ冷静さを取り戻していた俺は、途轍もない羞恥心に襲われ、顔の表情筋が喜怒哀楽していた。


「新人の先生は顔芸のチャンピオンですか?」

 唐突に女の教師から質問された言葉に職員室にいた職員一同はクスクスと笑っていた。


大の大人がこんなことで笑うなど、普通は冷たい視線が向けられるとかだと思ったが、笑われるのは正直もっとたちが悪く、恥ずかしい。場の空気は俺に向かい風になって飛んできた。


「まあまあ、落ち着きたまえ、君がどんな趣味を持っていたとしても私は受け止めてやるから安心しなさい」


 少年は背伸びをしながら俺の肩をトントンと優しくたたき、慰めてくれた。だが、慰めが誤解を招く種とは知らずに。


 まて、何かおかしくないか? なぜ、少年は俺が新人の教師だと知っていた? 生徒にはわからないはずのことなのに。あまりにもこの少年のことについての情報が少なすぎると思った俺は質問することにした。


「ねえねえ、君は、いったい何者なの?」

少年に向けて、初めての会話をした。


「私はこの国際魔法学校の学校長じゃ、君は目上の人に対して礼儀がなっていないようだけど何様のつもりなんじゃ?」

「ごめんなさいいいいい!!」


 学校のベルは時間を刻んで鳴り響いていた。

 しかし、俺は傷跡を刻んで鳴り響いていた。







 

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