恋
最近、姉の様子がおかしいです。
今まででは家にいても本かスマホとにらめっこしているだけの人間だったのに、ときおりテレビの前のソファで何もせずに横たわっていて、たまに動いたと思えば「あー」とか、「んー」とか間の抜けた様なへなへなした声ばかり出しています。
私はあまり面と向かって聞くのも恥ずかしいので、お風呂上がりにサラッと自然に聴きました。
「お姉ちゃん、好きな人でもできた?」
姉は枕に沈ませていた顔面を勢いよく飛び出させると照れと枕の圧力で真っ赤になった表情をこちらに向けました。
「なんでわかった!?」
やっぱりそうでした。
「わかるわよ、16年姉妹やってるんですもの」
姉のかゑと私は双子の姉妹です。
昔ネットで見ました。双子はテレパシーが出来るかもしれないとか何とか。
まあ、私は単に頭の構造が同じだから、考えることも同じってだけだと思いますけどね。
「けゐはいつもそう。私の考えてることすぐ当てちゃうんだから、、、」
姉は少し不貞腐れた様な顔を見せました。「で?誰を好きになったの?クラスメイト?」
姉は部活もバイトもしていないので、友好関係は恐らく同学年くらいに絞られるはずです。
それならば、私の知っている人かも知れません!
「名前は?」
「、、、いがりくん。」
イガリクン?あぁ、『五十里』と『君』か。
いつも話を知った体で話しかける癖はそろそろ治して欲しいです。
「五十里っていうのは苗字よね?下の名前は?」
「、、、零。」
れい。五十里 零か。
下の名前を聞いてもピンと来ないという事は私とは関わりがないようです。
「んー、聞いたことないわ、ということは多分他クラスね。」
私達は結構仲が良いので、お弁当なども私が姉のクラスに行って他の友達と一緒に食べることが多いです。
なので姉のクラスの人間は大抵分かります。
つまり私と姉のクラスの人間ではないという事が分かります。
「えー、全然わからない。教えてー!」
「、、、図書委員の子。」