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世界の闇は陰にて嗤う  作者: おれんじじゅ~す
始まりの目覚め
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始まりの合図-2

小さい『っ』これって便利~


今更だけど作品のタイトル厨二臭いね

かっこいいけど(作者の価値観)

結局、令を含めた四人でお昼ご飯を食べることになり、近場のファミレスで食べることになった

それぞれ自分の好みの物を注文する。


「令さんて、ほんとよく食うよな。どこにそんな量入るんだ?」

「ははっ君が食べなさすぎるんだろう?これから仕事をしていくなら、しっかり食べれないとすぐに体調崩しちゃうよ?」

「令、ステーキセットを三人前食べる奴はそうは居ないぞ?そういえば最近あまり仕事していなかったよな、よく金が保つな」

「えっ、未咲ちゃん心配してくれてるの?嬉しぃ~」

「…みんな、こいつは居ない者として扱おう」


魔術師協会に所属していて仕事をしていないということは、つまりサボっているということだ。

ニートだ。

そしてそれを嫌味として言ったのだが、ポジティブに捉えるのがウザい。

チャラついていなければいい印象を持てるのに、どうしてチャラついているのだろう。

チャラついていなければ死んでしまう新しい虫なのかもしれないな。

それにしても楽しそうに奈美ちゃんと話しやがって、このナンパ師め。

はぁ…私もチャラチャラしていれば、もう少し楽に生きれるのだろうか。


「どしたの未咲ちゃん、なんか元気無くない?」

「…いや、なんでもない」

「そういえば、さっき本部で会った時も浮かない顔をしていましたね」

「そうなのか?姉貴、悩み事があるなら聞くけど」

「そうそう、悩みがあるなら吐いてスッキリしちゃった方がいいよ?」


皆に心配をかけてしまっているのか。

それ程私は今溜め込んでいるのか。


「そう、だな。悩み、と言うほどでもないが、今の仕事が、完全に行き詰まっているからかもしれないな」


嘘は言っていない。

この仕事を受けて、進展が皆無なせいで、溜め込んでいたストレスが溢れるようになってきたから。


「今の仕事っていうと、不死鳥の捜索だっけ?発展してないの?」

「そうだ、全く手掛かりが掴めない。まぁ、そんな簡単に見つかれば私の下へは来ないだろうが、それにしても手掛かりが無さ過ぎる」

「やっぱり、私も手伝いますよ!一人で探すより、二人で探す方が効率もいいですし、休めます」

「いや、さっきも言ったとおり二人では」

「なら俺らも手伝うよ。俺どこに所属したいとかまだ決めてないし。令さんも仕事ずっとサボってるんだからそろそろ仕事、なにか始めないとでしょ?」

「うんうん、賛成だよ。未咲ちゃんが倒れるなんて、あってはならないことだ」


三人とも、優しいな。

でも、この四人で見つけられるのだろうか。

この件、どうにも簡単な話ではない気がする。

あれほど探してなんの手掛かりも無いのなら、日本には居ないのではないかとも思う。


だがもしかすると、かなり大きな組織に捕獲されているかもしれない。

ここ最近では厄介な組織が多いと聞く。

子鳥の存在が感じられないのも、大組織なら人為的に可能かもしれない。

そしてもしそれほどの大組織に捕まっているのなら、一人で乗り込むのは難しい。

人手を増やすのも有りかもしれないな。


それに、みんなこれだけ心配してくれているんだ。

言うことは一つ。


「…ありがとう、みんな。なら、みんなにお願いするよ。でも、学生二人は無理をしてはダメだからな?」

「もちろんわかってるよ」

「よし、そうと決まれば今日は遊みんなでび行っちゃおう!たまには息抜きも大事だからね」

「令さん珍しくまともなこと言ってる?」

「いやいや、ボクはいつだって真面目さ!」

「あ、うん、そだね」

「未咲さんはどこか行きたい場所とかあります?」

「私はどこでも構わないが」

「いや、未咲ちゃんがメインなんだから、未咲ちゃんが決めないと」


うーん。

やりたいことは、特にないんだがなぁ…。


「そうだな…。なら、スイーツ巡りはどうだ?甘い物が食べたい」

「お、未咲ちゃんの可愛いところ発見」

「令さん気持ち悪いよ」

「いいですねえ、行きましょう!」


スイーツ巡りで決まったようだ。


「でも、あぁ~、それならそんなに食べない方が良かったかもな~」

「もう遅いよな」

「なら令は帰宅ということで」

「いや行く!食べなくてもついて行く!」


何故そんなに行きたがるんだ。

無理なら行かなければいいのに。

いやきっと可愛い娘目当てなんだろうな。

はっ!

まさか、奈美ちゃんに手を出そうというのか!


今日は珍しく女性に声を掛けていない。

普段であればやつが声を掛けそうな女性は既に五、六人は通り過ぎている。

なのに誰にも声を掛けてはいないではないか。

その上で、さっきからちらちらと奈美ちゃんを見ている。

間違いなく狙っているな。


改めて、奈美ちゃんをチャラ男から守ろうと決意する。



「さて、そろそろ行こうか」


頃合いを見て、一同は店を後にする。


令はただ一人、三人前を食べきったのだが「まだ入るなぁ」などと言っている。

太れ。

その他三人は普通の量でかなり腹は満たされたが、歩いていればなんとかなるだろうという考えでいる。

これが普通だ。


店を出た時間は一時半頃だ。

のんびりしていれば三時になる。


目的地は原宿だ。

若者のファッション流行の地。

クレープやかき氷が売っている。

楽しみだ。

どう回っていこうか、などと考えながら駅のホームへ。

喋りながら電車を待つ。



それは、なんでもない普通の光景。

これから遊びに行く若者たちが映っているだけ。

この街は、今日も平和だ。

この街は。


ピロリロン


四人の携帯に、同時に着信がくる。

同時にくるということは、とんでもない奇跡か、同じ場所からの一斉メールか。

四人は顔を見合わせ、メールを開く。


「なに?魔獣大量発生だと?」

「怪我人多数、民間人の死傷者も…おいおい、こりゃやべっしょ」

「ど、どうします?」

「もちろん行くしかないだろ?」

「あぁ、行く。だが、お前たちはこっちに残れ。危険だ」


私は優魔たちに残るよう促す。

正直、私は不安だ。

無茶をして、居なくなってしまわないか。

もし居なくなってしまえば、私は生きる気力を失うかもしれない。

また、目の前で大切な人が居なくなるのは、嫌なんだ。


「いや、行く。今日から俺たちも協会の人間なんだ」

「ダメだ。危険だ。今回の被害はとても大き過ぎる。何があるかわからない」

「いや、絶対に行く。俺だって戦える。力はちゃんとつけてきたんだから」


なんで言うことを聞いてくれないのか。

私は、お前たちを危険な場所へ行かせたくないだけなんだ。

一瞬の命のやりとり。

それを何度も繰り返す。

そんなの、学生にはまだ早いよ。


「未咲ちゃん」

「…っ!」


いつもとは違う、令の力強い瞳に、私は息を呑んだ


「未咲ちゃん、彼らを信じてあげてよ。彼らには十分力がある。君が二人の努力を信じないで、誰が信じるんだい?」

「っ」


私は言葉を詰まらせる。

そうだ。

二人は、あれから努力したんだ。

それを私は見ている。


悔しかったのは私だけじゃない。

二人も、大切な人を守れなかったことが、悔しかったはずだ。

私は悔しくて必死に努力をした。

でも、それは二人も同じはずなんだ。


「…わかった。絶対に、無理だけはしないでくれ」

「っ!よし行こう!」


私たちは、現場方面への電車に乗り込んだ

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