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世界の闇は陰にて嗤う  作者: おれんじじゅ~す
始まりの目覚め
3/46

化け物戦

なんで忙しい時期に投稿始めちゃったのかなぁ


日本語表現おかしなところには目を瞑りましょう

…あれ、視界がぼやけてるな。どうしたんだろう。

あれ、いつ壁に寄っかかったんだっけ。

いや、地面に倒れてるのか?なんでだ?

そういえば、左腕と頭に違和感があるな。

なんだか、濡れてるような…

頭を触ってみると、手が赤くなっていた。


「…赤い、水?」


なんだ、これ、絵の具か?

暗いから少し黒っぽく見えるけど、これは赤色だ。

なんで赤い絵の具が頭についてるんだ?


…いや、赤い液体と言ったらなんだ?

絵の具のようにべっとりしている赤い液体は、なんだ?


ポタッ ポタッ


頭から垂れている、でも上から降ってきているわけではない。

俺の頭から出てきている。

なら、これは――


「…ッ!?ク゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!痛い!痛い痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイ!!」


それが何か理解した瞬間に意識がはっきりとし、それと同時に感じていなかった全身の激痛が襲ってきた。

痛むのは主に上半身。

中でも脇腹、背中、首の骨が、動こうとするだけで痛みが走る。

恐らく骨に罅が入っている。

そして、左腕が変な方向に曲がっている。

これは確実に折れている。

なんで、なんでこんなことになっているんだ。


…そうだ、戻ろうとしたとき何かが、背中にすごい勢いでぶつかったんだ。

今壁際にいるということから、壁まで突き飛ばされたのがわかる。

この部屋はだいたい学校の教室くらいの広さで、台座があったのは中心辺り。

つまり、四、五メートルくらいは吹き飛ばされたということになる。

この威力で壁に吹き飛ばされれば、骨の一本や二本、頭から突っ込んでいれば瀕死の重傷は免れないだろう。

頭からぶつからないだけ、運は良かった方だ。


ところで、いったい何が俺を突き飛ばしたのか。

痛みになんとか耐えながら、正体を探す為に首を動かす。


「…ッ!」


台座があった方に、見つけた。

暗闇に浮かび上がる二つの赤い光、否、瞳。

その視線は、俺を貫いている。

高さはだいたいニメートル程、かなりでかそうだ。


犯人はこいつだとわかったが、なぜ背後に突然湧いたのか。

天井に潜んでいたわけではないし、横に別の通路があったわけではない。

説明書が正しいとして、自分を吹き飛ばせなどというバカなことを念じるわけがないのでそれも違う。


ここで一つの残った可能性、それはこの洞窟の外から入ってきた説。

先ほど聞こえた物音は、教科書が崩れていたのは、あいつが部屋に入ってきたからだ。

俺が部屋に入ったときいなかったのは、恐らく他の部屋に入っていたからだ。

最悪だ、不審者がほんとに居やがるなんて。


「…あ゛ぁ゛クソ…ハァ、ハァ…ふざけやがって…警察突き出してやる…覚悟しろ、クソ…」


痛みに耐えながらなんとか立ち上がり、その赤い瞳を睨みつける。

叩きのめして、警察を呼んでやる、そう思って。


でもこのとき俺は痛みと出血で、頭が回っていなかった。

少し考えれば分かる筈なのだ。

奴が立っているのは、俺が吹き飛ばされたときに落としたであろうスマホの向こう側。

タックルをしたのならば、その場にすぐ立ち止まることは普通は出来ない。

ならば、腕か脚で吹き飛ばしたのだろう。


そんなこと、普通『人間』には出来ない。


俺が小学生とか、体重が三十キロくらいなら出来る人もいるかもしれない。

だが、俺は六十キロほどもあり、それを何メートルも蹴り飛ばしたとなれば、それは最早超人、住居不法侵入なんてする必要がない。


暗い中、睨まれてるのを理解したのか、『それ』は俺に向かって歩き始める。


「…!嘘、だろ…おい…」


スマホの光が当たるところまで来たそれに、絶望を感じた。

露わになったそれの風貌は、正に化け物だ。

皮はいらないとばかりに剥き出しになった筋肉の塊。

剥き出しになった歯。

右腕に持った俺の胴回りほどの棍棒。

たぶん、あれで殴り飛ばされのだろう。


俺が絶望に染まっても、そいつは歩みを止めない。

狩人が獲物を確実に仕留めるように、目を離さずに近づいてくる。

奴は俺を獲物として見ている。

確実に、殺られる。

逃げられるか、あの巨体の怪力から。


「や…やめろ、くるな!」


クソ、無理だろこんなん。

逃げられるのは奴の背後の道一本のみ。

この怪我で奴より早く動けるのか。

奴の体格的に見てもセーフティーゾーンは狭い。

それに奴の未知数の機動力を足したら、今の速さが最速でない限り無理だ。


それに、ここで逃げ出せてもそれからどうすればいいのか。

警察署に行くか?

警察なんかが俺の話を信じるのか?

そもそも発砲許可を取らないといけない、みたいな話になれば、その間に警察署までやってくるだろう。

あぁクソ、いったいどうすれば――


ゴリッ   ドンッ 


「え?」


あいつが突然倒れた。

いったい何が起こったんだ?

あっ、あいつの足元に俺が持ってきたバットが転がっている。

あれを踏んで、転んだのか。

不幸中の幸いというやつなのか。

今、あいつは無防備だ。

やるなら今しかない。

俺と共に吹き飛ばされたのであろう、近くに落ちている台座を掴み、呆けている怪物の顔面に叩き込む。


「おら!おら!おら!」


ここで仕留めなければ、やられてしまう。

何度も何度も、殴り続ける。

こいつの顔がグチャグチャになるまで――


「グフッ」


突然腹にに来た衝撃。

再び壁に叩きつけられる。

これをしたのは出来るのは、こいつしかいない。

でも、そんな、なんで、あんなに殴ったのに。


なんで、お前は、立ち上がるんだよ。

俺の力じゃ、お前が不快になる程度のダメージしか、入らないのかよ。


「ゲフッゲブッ」


血を吐き、地面に崩れ落ちる。

今の棍棒の一撃は、鳩尾にしっかり入った。

呼吸が苦しい。

間違いなく骨が折れている

折れた骨が、肺に突き刺さっているかもしれない。

立ち上がることも出来ない。


「GYAAAAAAAAAA!」


今のは、獲物を舐めきり反撃を食らった、自分への戒めの咆哮か。

俺への認識を改めたのか、今度は殺意を込めて此方を睨む。


俺何もしてないのに。


そんな俺の思いも虚しく、仕留めるために近づいてくる。

あぁ、もう駄目なのか。

俺の人生はここで終わりなのか。

意味が分からない奴に、訳も分からないまま殺される。

なんでだ、クソ、俺の人生終盤、意味が分からない。

不幸の連続に謎な能力、オカルトみたいな化け物…


いや、まて、そうだ能力だ。

忘れてたけど、確か自由にいじれるって書いたあったはずだ。

もう、これに賭けるしか、ない。


目を閉じて集中する。

何をしたいのか、イメージを固める。


落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ――


ゴゴゴゴゴゴゴゴ


「!?GURAAAAAA…」


あいつの叫び声が、小さくなっていく。

成功、したのだろうか。

恐る恐る目を開ける。

そこにあいつは――



いない。

化け物かいた場所には、代わりに穴が空いていた。

成功、した…。


あの化け物は穴の中に落ちていったんだ。

俺がイメージした、無限の落とし穴の中に。

良かった、これで助かっ


ドンッ


な、なんだ、なんの音だ。

落ち着け、慌てるな、考えろ


ドンッ


どこから聞こえる?

耳を澄ませろ。


ドンッ


…嘘、だろ?

穴の、中から。

てことは、あいつか。

あいつが、登ってくるのか?


ドンッ


…!?ふざけんな!閉じろ閉じろ閉じろ閉じろ閉じろ閉じろ閉じろ閉じろ閉じろ閉じろ――


ゴゴゴゴゴゴゴゴ


「GYAAAAuguuuyhyk…」

バキボキグチャボキ


ズシン


閉じ、た。

今度こそ、助かっ、た。


「ゲフッ」


あぁ、まずい、意識が朦朧としてきた。

傷を、治す、ものを。

エリクサーでも回復薬でも、グリーンハーブでも。

俺の、上から、頼む。

俺、に、か、かる、よ、うに…

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