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世界の闇は陰にて嗤う  作者: おれんじじゅ~す
始まりの目覚め
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未知の

はじめまして


妄想を形に


臆病にも誰にも見られなそうな時間に上げている


すぐにあきるという短所が作者にあるので、意外と早くやめたり、長続きしたり

この短所は克服したいので、無理にでも書き上げる所存ではあります


語彙力が低いので、いずれ国語の鬼と呼ばれるくらいになれればいいですけど、それまでは覚悟してくださいね

高校受験まであと一週間ほどといった時期。

俺、宮野作也は今、戸惑っている。

それは、今突然目の前の壁に出来た穴に対して。

時は放課後辺りまで遡る。




「なんでですか、先生!」

「なんでって言われても、その現場を見れてない以上、君の話が本当かわからないんだから、しょうがないじゃないか」


俺は今、担任の先生との二人で、大事な話をしている。

内容は、いじめについて。

中三の秋頃から、いじめを受けてきた。

その内容は、物を取るからトイレに行かせないなど多岐にわたる。

そして、いずれも先生に相談している。

しかし、「現場を見ていないから」と取り合わない。


「さぁほら、先生もこれから仕事があるから。久しぶりの学校を楽しむのもいいけど、早く帰って勉強したほうがいいぞ」


といった感じで全く取り合ってくれない。

まったく、ふざけてる。


あと、先生が言った「久しぶりの学校」とは、そのまま「学校に来ていない」俗に言う不登校というやつである。

いじめが原因というのもあるが、それだけで不登校になるほどやわな人生は送っていない。

いじめが始まってから回ってきた、クリスマス辺りにそれが起きた。


弟が熱を出し、両親が車で病院に送ったまま帰って来なかった。

踏切で電車に突っ込んだらしい。

踏切の遮断機が降りていて、待っていたところに後ろからトラックに突っ込まれたそうだ。

そのトラックは居眠り運転で、しっかりと逮捕されたが、いじめのストレスもあった俺は、不登校になった。とんだクリスマスプレゼントだ。

このころから、どうにも自分が呪われている気がしてならない、と思うようになった。


高校からは、事故後に引き取ってくれたじいちゃんの援助で隣の県に一人暮らしすることになったから、卒業式までは中学には行かないつもりでいたけど、そのじいちゃんが一回くらい行っとけって言ったから仕方なく来たけど、相変わらずの奴らでほんと嫌気がさす。

入試までもうすぐなのに馬鹿なのか、あいつらは。

あぁ、馬鹿だったな。くだらないことしてるし。教師の務め果たしてないし。


あぁ、家が見えてきた。

あと一月で、去る家。

家族と十五年過ごしてきた家。

大切な思い出のつまった、家。

家族が残してくれた…いや、感傷に浸るのはやめよう、泣きそうだ。

人の目がある外で泣くのは、ちょっと嫌だ。


「ただいま」


返事は返ってこない、来るわけがない。

もう、誰もいないんだから。

…あぁ、涙が出てくる。

やめようとか言っておいてすぐまた感傷に浸るとか、ネガティブになり過ぎてるな。

はぁ。


荷物を置いて、何をしようか。

普段ならゲーム、入試が近い今は勉強をするが、げんなりしすぎてそんな気分じゃない。

夕飯にするにしてもまだ四時過ぎだ。

あぁ、倉庫内でも整理しておこうかな。

あと一月で引っ越すし、直前にじたばたするのもあれだし、暇だし。


家の敷地はそれなりに広くて、倉庫もまぁ一台分のガレージと同じくらい広い。

あぁ、そこそこの金持ちだよ。引き取ってくれたじいちゃんは政治家だからね。父さんもコネはそこそこ。

ほぼ絶縁状態だったらしいから金とかは自力で稼いでたけどね、父さん凄いね。

これだけ広いと学校のやつらになにかされそうだけど、それは警察沙汰になりかねないからやらなかったようだ。変なところで利口だな。


倉庫にはいろいろな物が入ってる。

サッカーボールやバドミントンのラケットなどの玩具や、父の工具箱、そして点数の悪かったテスト…

基本的に平均は超えるけど、時々ものすごく悪いときがあるんだよな…

入試は頼むよほんと。


「ん?おぉ、懐かしい」


小学校で仲が良かった篠村悠魔との写真が出てきた。

悠魔は中学に上がると同時に引っ越していった。

なんかそのあとも凄い引っ越したらしいから今どこにいるかわからんね。

意外と引っ越し先の近くに住んでたりしてね。


「この写真とかは持って行こうか」


懐かしい思い出に安らいだ俺は、引っ越し鞄に入れるために、二階の自分の部屋へ向かう。


「確かここだったよな」


引っ越し鞄、というよりボストンバッグを探しにクローゼットを開く。

確か上段にあったはずだから、脚立を持って来ている。


「あぁ、あったあった。ん?うわ、しっかり挟まってるな。ふんっ…うわっ!」


無理やり引っ張り出したら、勢い余って脚立から落ちてしまった。

服とか散らかってるものがクッションになって衝撃を和らげてくれたけど、痛い。

やっぱツイてないな、俺。


「あー、せっかく部屋に来たし、部屋の中のものから整理しておこうか」


引っ越し用ダンボールが、1ヶ月も前だけどいろんな部屋にいっぱい余ってる。

自分の部屋の壁にも立てかけてあるので、それを手に取る。


「あ」


そのとき、壁に貼ってある写真が視界に入った。

今年のクラス写真だ。

三列に並んで撮ってる写真でみんな笑顔で写っている。

あいつらや先生、そして自分も。


「…ムカつく」


あんなことをしていたクズ達が笑ってるのも、今を知らない自分が笑ってるのも。

本当にムカつく。


「…うん、壁ぶち抜いてもいいよな、どうせあと一月で引っ越すし」


どうせなら写真ごと壁をぶち抜いて、ストレスを完全に排除したい。

学校のクズ共と、理不尽な社会に対する不満をこの一撃に。


すぅー


「…!死ねや世界ぃぃぃぃぃぃぃ!!」


バチッ


「!?」


渾身の一撃が、電撃のようなものに弾かれた。


「な、なんだ!?」


殴ったはずの場所を走り続ける電流。

そこを呆気にとられてじっと見ていることしか出来ないでいると、異変が起き始めた。


「壁に…穴が…」


小さく出来た穴が次第に大きくなり、最終的には、自分(身長170センチ)が入れるほどにまで広がった。

この穴は、勝手に広がったというのもおかしいが、それ以外にも、絶対におかしいところがある。

この壁の向こうにも部屋があるのだが、この穴の奥行き的にみて、物理的におかしい。

穴の奥行きが、隣の部屋もぶち抜いて更にその隣の部屋まであるような感じだ。

勿論、隣の部屋にあるものなど何一つ確認出来ない。

また、穴の中に広がる一本道に、まるで洞窟内のような壁と地面。

そして壁に光が吸収されていて暗い。


「本格的に呪われてきてるのか、俺は…」


非現実的なことに俺は、しばらくの間ぼうっと立ってることしか出来なかった。

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