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ギルティ・ヴァンパイア   作者: まっつん
第三章 見えぬ者、観えぬ物
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救イノ時ヲ待ツ少女 前編

第三章 見えぬ者、観えぬ物


第七夜 現幻霧散(げんげんむさん)


瘴気、それは害悪の類

体を蝕む悪しき物。


然しそれは人々には観えない物

見えずして観えぬ物。


そしてそれを創り出す者は

現存する幻。


それは人々の中では思い込みと言われている。


然しそこにある筈の者は

見えない物を待ち続ける。


それが幻であっても。

それが見えなくとも。



「今日のニュースです。

昨晩強盗、窃盗が...」


早朝の朝。

東京駅に夜行列車で戻ってきている途中の

俺達は朝のニュースに

耳を傾けながらもこれからの

ことを話していた。


「さて、どうする?

輪廻の輪の色々な事を知ってそうな

セイラースが殺られてしまった以上

ここからは情報無しで頑張るしかないが、」


実際、折鶴の社から一番近いため

分かっていたのはセイラースだけのため

その他の残り11神の居場所が

全く掴めていないという状態で

とりあえず元の場所に戻ってきたということなのだが


「今後、裏の者達が攻めてくる可能性も

否定できんくなったしのぅ。

これじゃあ探すのも一苦労じゃし。

そもそも奴らは人々に見つかるような

存在じゃないしのぅ。」


今まで何度も話に入ってくる

裏が何だのこんだの

ってことにちょくちょく疑問を感じて

いたのだが

大体そういう時は

忙しい時や戦いの最中の事が多くて聞く

機会が無かったのだが

丁度いいので聞いてみることにした。

考え込んでいるレインには話しかけず

折鶴に聞いてみることにした。


「折鶴。さっきから裏がなんだのって

レインが言っているけれど

どういう意味なんだ?そもそも

お前らって年いくつよ?」


正直女性に年齢を聞くのは無粋

なのだろうが

それを聞かないと始まらなそうなので

聞いてみたのだが

折鶴は気にする素振りも見せずに

答えてくれた。


「そういえば、まだ言ってませんでしたね。

私達はアルカード様の眷属なので

アルカード様と同じ時を生きて

おりますが

そもそもアルカード様が生きていらっしゃったのは

宇宙開闢の前。いわゆる神が支配していた時代なのですよ。」


宇宙開闢という未だに世界が

研究していても分からないと言われている

事の真実をさらりと教えてくれることに

驚きを隠せないのだが

元々は神が世界を、というか宇宙を支配していたのが驚きだ。元々迷信レベルの類だったし。


「ちなみに神が支配していた時代の事を

輪廻世界と言うのですが

その時にはもう人間はいましたよ。

現に私が元々人間でしたので。」


そう言われて

世界の歴史というものは

ほぼほぼ宛にならないということに

少し呆れを覚えながらも

折鶴の話を聞き続けた。


「そして宇宙開闢後から現在までの世界のことを現存世界と言います。そして

どの世界線にも裏があります。

勿論、輪廻世界の時もありました。

現存世界の裏の世界を

幻存世界と言います。」


大体理解は出来たのだがそうなると

神々のいる場所、要するに

輪廻の輪がいる場所は何処なのだろうか?

奴らは普段どこにいるのかを聞こうと

思ったのだがそれよりも先に

折鶴は説明をしてくれた。


「そして輪廻の輪がいる場所は

天上世界と言いそれも

世界線の別軸で並行して

存在します。彼らはそこから

我々を狙っているのです。」


説明をしてくれた折鶴に感謝しながらも

少し長く話しすぎた様で

もう東京駅に着いた夜行列車の中には

誰も残っていなかった。

そして俺達もすぐに出ようとした時に

耳に少し気になるニュースが入ってきた。


「臨時ニュースです!

埼玉県川越市の仁沢町にて謎の奇病が

発生しました!

そこに在住の人々は現在、

東京大学付属病院の医療チームによって

処置とその奇病の病原体の解析

に移っております!

川越市の近くにお住まいの方々は決して近づかないように!」


このニュースを聞いた俺達は列車から

降りながら気になっているところに


「さっきのニュース聞いたか?」


「なんか埼玉ヤベぇことになってんな。」


「どうやら埼玉行きの電車も

無くなったらしいぜ。

しかもその奇病になった人達はなんと

人を噛んで襲うんだってよ!」


「マジかよ!ゾンビじゃん!」


この若者達二人の話を聞いていた

実年齢不明級の二人は

何かを察した様で


「お前様よ。この話は何か引っかかる事があるのじゃが

どうする?行くか?それとも放っておくか?

儂等はお主の意見に同意しよう。」


さっきのニュースを見る限り

こういうことは国に任せた方がいいのだろうが


「牙様。私も同意見です。

この奇病には少し見覚えのあるような気がするのです。

もし牙様が急いでいないというのなら

寄っていきたいのですが。」


二人からそんなに頼まれなくとも

元々気になっていたし

寄ってみる予定だったので


「そこまで言わなくても

元々寄る予定だったよ。

なんも情報が無い以上

とりあえず気になることから

解決していきたいからな。」


そのまま俺達は埼玉県へ行くこととなった。


そして途中に俺の住んでいた町の日針町

の近くを通ることとなった。


「良いのか?お前様よ。

少しは顔を出しといてもいいと思うのじゃが...」


レインが別に寄っても大丈夫と言うが

俺はその話を聞いていながらも

言葉を返すことは無かった。


そのまま無言の状態で埼玉県の

川越市の近くにたどり着いた。


勿論周りには大勢の監視や警備の

人々で集まっているため

普通の方法では入れないだろう。


俺達は近くの林に隠れながら

周辺の状態を探りながら

元凶探しをすることにした。


「さて、さっきから見えている

状況から察するに

なんかあるな。」


その言葉は決して比喩ではなく

確かになにかがあるのだ。

しかしそれは見えず

それが何かも分からないというのが

現在の状態だった。


「確かにそうじゃな。ある範囲に近づく

科学者共が倒れているのぅ。

空気感染や皮膚感染じゃない所を見るとウィルスの類じゃなさそうじゃ。」


そう言っている通り科学者達は厳重装備

のためウィルスが入る事はない筈なのだが

倒れる。しかも即効性の事を踏まえると

間違いなく今までにある病原菌では無いことが分かった。


それを踏まえて考えていると折鶴は

あることに気がついた。というか

思い出したと言う方がいいだろう。


「レイン。もしかしてですが

この現象は呪術ではないでしょうか?

実際、どこかの古書庫でこのような現象の資料を見たことがありますし。」


呪術。いわゆる人が怨みにより呪い

を掛けることを指す事で

効果は亡霊などの実態無き者が多いので

ウィルスの類と違い

防菌服などでは防ぎようがないので

確かにこの状況だとその考えで

間違っていないだろう。


「それに似ておるが、怨恨や呪いに近い

ものじゃったら近づかんと分からんからのう。」


この現象を確かめるために、近づく事に

したようだが

流石に安直過ぎるようで

折鶴がすぐに止めに入った。


「待って下さい。そんな安直に

近づけば私達も巻き添えになる可能性が

高いです。もう少し対策を練ってから

行動に移す方が適策です。」


確かに折鶴の言うことは正しい。

だが、かと言ってこのまま動かないのも

あまり好ましくない。


「だが、どうする。

このままじゃ被害が増えるだけだ。

この被害がここから広がらない

根拠も無い。だったらやっぱりダメもとでも突っ込むのも手だと思う。」


この、いたちごっこの話し合いに

妥協というか賭けになるが

現在の状況を打破できる可能性が

一番高い手を試してみることにした。


「ならば、あれが呪術じゃと仮定して

儂と此奴(こやつ)に呪術無効の術を掛ける。

そして折鶴はこの場に残り儂等になにかあればすぐにこの場に呼び出せる術を掛ける。

それでどうじゃ?」


確かにそれならば安全面でも正体を掴む面でも大丈夫だ。

だがまだ問題はあった。


「だけどレイン。問題は入る時だぞ。

仮に警備に見つかると

面倒だ。かと言って倒せば

それも騒ぎになる。」


しかしその疑問点は結構あっさりと

解決された。


「それならば大丈夫です。私が

牙様達を中に入れる術式を組みます。

町の細かい位置までは無理ですが

ある程度の自由は目が届く範囲でしたら

出来ます。」


折鶴の術に今回は頼ってばっかだが

折鶴は嫌な顔一つせずに

こなしてくれている所を見ると

牙は後で礼を言おうと決めながらも


「よし!ならばそれで作戦を開始するぞ!

折鶴!術を頼んだ!」


作戦を決行すると同時に

折鶴に術を掛けてもらう。

折鶴は目を閉じながら

両手を横に広げ

周りには光の粒子が集まってきた。


(なんじ)らに

魔力の加護を授ける。

悪しき物を弾いて

憑きし物を払いて

汝らの身を保護せよ!


呪魂礼拝(じゅこんれいはい)!」


そう唱えるとレインと牙の体に

薄い光の膜があるような

ものが纏われていた。

そして


「これで呪術などは弾ける筈です。

次に、移動を行います。

少し衝撃が来るので身構えて下さい。」


そう言われ俺達は少し気を引き締めながら

構えた。


「ではいきます。


我の眼に映る

実在の場所よ。

我の思い届きて

汝らをその場へと顕現させよ!


視覚顕現(しかくけんげん)!」


そう唱えると同時に

牙達の周りに

術印が浮かび上がり

光がそこから上がり出てきた


そしてその光が全身を包み

視界が光で埋め尽くされたと同時に

高速で町までの景色が見えた。


その途中で声が聞こえた。


「タスケテ」


その声が聞こえたことに気づいた

と同時に町へと着いた。


「さて、儂の考えは当たっていたようじゃな!流石儂じゃ!

ならば何処かに術者がいるはずじゃ。

それを探すとするかのう!」


自分の考えが当たっていて

少し嬉しがっていて自画自賛しているレインを放っておいて

牙はさっきの声のことが気になりその事ををレインに話した。


「なぁ、レイン。さっきの転送の時に

少女の声で助けてって聞こえたんだけど。

周りに気配は感じないけどなぁ?」


「ウェッ!?」


レインの謎の奇声に少し疑問を感じながらも

すぐにレインは冷静な顔になり

話を続けた。


「そうかのぅ〜。もしかしたら

まだ取り残された少女がいるのかもしれんのー。」


多少震え声になっているレインの事は

放っておいて

レインの取り残された少女の事に

気を引かれ


「ならさっさと探さないと

取り返しのつかないことになりかねないな!

早く探そう!」


そして牙達は奇病の元凶の探索と取り残された人達の捜索を始めた。




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