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2人の遊園地

ついに待ちに待った夏休みになり1週間が過ぎた

この1週間何をやっていたかと聞かれればなにもやってない、いつもみたいに家に奈々が来ないの仲直りはできてないままだった、普通に喧嘩したわけではないので難しい、ごめんなさいと言ったところで何を謝ってるかはっきりさせないと意味なんてない

この1週間で何かしてやるべきことだとは思ったけどもやる気にならなかった

きっと夏休みが終われば、少し時間がたてば元通りになるとは思う


今日はそんなことを考えずに篠田さんと2人で出かけるから思い切り楽しめばいい

俺にとって奈々が全てでは、ないのだから



「行ってきます」


ご飯を食べ、身支度を整えると財布と携帯を持ち、家を出た

待ち合わせは10時に駅前、今から行くとちょうど5分前くらいに着くだろう

俺は駅へ向かって歩いた、その途中にふと思いだす、そういえば駅で待ち合わせをするのなんて久しぶりだ、恭平や奈々の場合だと家まで行って出かけるからだ、そして何より身構える必要がないのだ


篠田さんとは今日が初めてなので良い印象を付けたいなと思う、どんな感じで話しかけようか悩んでいると、駅は目前まで迫っていた

遠くから見ると篠田さんがいるのが分かった、待っているだけなのにその姿はものすごく絵になっていた、俺はこっそりと携帯をだし、カメラを起動させシャッターを切った、そういえば篠田さんの写メはこれが初めてだ

カメラ目線ではないのが残念だが、これで1つ自分のフォルダに追加された


今日はせっかくだし一緒に写真撮れたらいいな、そう思って俺は1歩を踏み出した

「篠田さ~ん、ごめんお待たせ」


「あ、宮永君、おはよう」


俺たちは切符を買い、電車へと乗った、しかし席は空いておらずさすが夏休み中と言ったところだ

篠田さんはというと窓の外を見ていた、最近一緒に帰るときとは何か違う

俺は疑問に思った、別に電車には何度か乗ったことあるし、今日行く遊園地も初めてではないはず、となると、篠田さんも2人きりの状況に慣れてないんじゃないかと思った


考えたところで何も話さないのは退屈なので俺は篠田さんをじっと見つめた

やっぱり言っとくべきことがある、今までの経験からちょっと変かもしれないけど嫌じゃないことは確信を持って言えることだ


「ねぇ、そのフレアレースのワンピース可愛いよね、篠田さんって肌白いから白のベレー帽ともよく似合ってるし、かといって白一色のシンプルじゃなくて黄色いベルトでアクセントがとてもよい、靴下にもフリルがついてて可愛いし、白くて長い手足がまた萌えるし、俺はすごい好きだよ、今日のファッション」



そう言うと篠田さんは少し驚いた表情で笑ってくれた

「あ、ありがとう、そこまで誉めてくれるなんて思わなかったよ、宮永君ってこうゆうの好きだったりするの?」


「まぁそれなりに、見ていて飽きないし楽しいというか」


遥や奈々の買い物に付き合わされては意見聞かれたりしてるうちに詳しくなっていた

男の服より種類もたくさんあるし、そのぶんコーディネートも自由がきくし、見ていて楽しいなとも思った


これが今、役に立つなんて思わなかった、しかも今度一緒に買い物行こうと誘われた

一見、男が女物の服を知ってたところで役に立たないと思いきや、女の子をほめるのに役立つ、しかも次回のデートの約束まで出来る、これぞまさしく一石二鳥ってやつだ、喜んでもらえて嬉しい


それからというもの篠田さんはいつもの調子に戻ったのか、遊園地に着き次第いろんな乗り物へと乗った、待つときの表情や絶叫で怖がる表情、その表情を見てるとこちらもさらに楽しくなってくる


楽しい故に休むことを忘れて熱中する、疲れたことすら気づかないものだ

たまに休憩もはさまないと後で辛くなる

「ちょっとお土産見ようか」


「そうだね、少しゆっくりしよう」



お土産を見終わると再びアトラクションによる楽しい時間が始まった

楽しい時間というのはあっという間で気がつけば夕暮れ時になっていた

俺たちは最後の締めに観覧車に乗った、彼女と向かい合い2人きり


「なんかさ、締めに観覧者って恋人同士みたいだね」


その一言を言ったせいか、目線が合うたびに段々と恥ずかしくなってきた

お互いに今日の感想を言いあって、誤魔化そうとするも誤魔化せなかった

やっぱり恥ずかしくて下を向いてしまう

このままじゃダメだと思い勇気を振り絞った


「あ、あのさ今日の記念に写真撮ろうよ」


篠田さんは驚いたように顔をあげた、俺はその隣へと座る、携帯電話のインカメをむけた

そっと肩を寄せて、顔を近づける、夕焼けに照らされて彼女の頬は赤く染まっている


「じゃあ撮るよ」


そして、パシャと写真を撮る音が響く、今日の出来事のように綺麗な写真が撮れた

少しだけ、篠田さんに視線を寄せる、少し頬を赤らめながら嬉しそうに笑っている


「あ、あと、手だして」

篠田さんは不思議そうに細い手をそっと差し出した、俺はこっそりと買った黄色いブレスレットを付けてあげた


「幸福のブレスレット、これを付けてると幸福が訪れるって」

お土産屋の宣伝文句を付け加えると胸にしがみついてきた、その姿はずっと抱きしめていたくなるくらいに可愛かった


「もう来てるよ、すごく嬉しい、ありがとう」


そう言って篠田さんは満面の笑みで笑った、このまま観覧車がずっと回り続けてほしい、このままずっとしがみつかれていたいと思った

この後の帰り道もずっと寄り添いながら、笑いあいながら歩いて行った

すごく楽しかったし、思ってたよりも距離が縮まって大成功という感じで今日は終わった、何よりも次に繋げることが出来たのが何よりよかった

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