追跡
ルイアを担いだ男たちは街の人目につかない道を通って近くの森へと入っていった。
《空間魔法》で追跡は楽だが、あまり奥まで行くと帰る時面倒かも知れない。
だが子どもの足で大人に追いつくのはかなり面倒だ。
結局相手が止まるまで追いつけなかった。
男たちが止まったのは寂れた小屋だった。
「ここがアジトなのかな?」
「そうっぽいな」
とりあえず小屋の中には男たちがあと5人いる。
「中には7人とルイア」
「ルイアが寝てるなら魔法使って殺しちゃった方が良さそうだね」
「それで行くか」
普通にドアから入る。
「誰だお前ら!」
「ガキ!こんなところに何の用だ!」
ルイアは寝ているようだった。
だったらさっさと終わらせよう。
「光の軌跡、《ライトニング》」
光を空間に漂わせる魔法を使って魔法陣を描く。
「!?なんだコイツ!」
「おい!コイツ殺すぞ!」
描いた魔法陣を《空間魔法》で7つに増やし、微妙にそれぞれを調整して力を込める。
「《ファイアランス》」
7つの魔法が生んだ炎の槍が男たち7人の胸を穿つ。
「うがっ」
「なんだ、これ……」
全員が倒れ、《空間魔法》で死んだのを確認してからルイアに駆け寄る。
手を縛っている紐と目隠しを外して担ぐ。
小屋から出ようとした所で外に子どもが立っていることに気付いた。
「外に誰かいるな」
「えっ、こんなところに?」
こっちに近寄ってきている。
ガチャリ
ドアが開くと、エルフの少年が立っていた。
「お前凄いな、何者だ」
使用した魔法に関する解説は章の区切りごとに行いたいと思います。