本を買おう
本を買いに街へ行くことになった。
今まで外に出ることは無かったので楽しみだ。
家族全員で出掛ける。
「あれなにー?」
「あれはお肉屋さんよ」
ルイアは元気いっぱいだった。
まぁいつも元気いっぱいだけど。
元気がありあまっているぐらいだからもっと積極的に外に行かせた方がいいと思う。
本屋に着いた。
中に入ると俺たちを拾ってくれた老夫婦がいた。
じいちゃんの方は「キャロル」、ばあちゃんの方は「ダーナ」という名前だ。
2人が本屋をやっているらしい。
他に客はおらず、ウィーテと店内を見て回る。
目標は地図と魔法に関する本だ。
何日かかけて図書室内を探したがこの2種類だけ見つけられなかったからだ。
地図は簡単に見つかったが魔法の本が見つからない……
そういえば本の量はなかなかのもの、製紙技術はそれなりに発達しているようだ。
前世の魔法にも本をまるごと写す魔法があったがそういうものがあるのだろうか?
結局見つからなかったのでじいちゃんに聞くことにした。
「じいちゃん」
「ん?なんだいロウ」
「魔法の本ってどこにあるの?」
「……魔法の本が読みたいのかい?魔法の本は本屋ではなく魔道具屋にあるんだよ」
それにロウにはまだ早いな、と笑われてしまった。
そうか魔道具屋があるのか……行ってみたいな。
「父さん、母さん、魔道具屋に行きたいんだけど」
「魔道具屋かい?ロウにはまだ早いかなぁ」
「魔法は6歳になってからね」
「6歳になると何かあるの?」
「精霊との契約があるんだよ」
精霊との契約!なんて面白そうな響きだ。
その日は魔法の本は断念し、地図だけ買ってもらった。