新しい家族
拾われてから2年が経った。
俺と相棒は老夫婦の娘のところに引き取られた。
そこで俺は「ロウ」、相棒は「ウィーテ」と名付けられた。
ちなみに家名は「ラフキンド」だ。
養子としてもらったらしく本当の息子のように扱ってもらっている。
老夫婦の娘である母親は「フルア」、父親は「ラルガス」、そして姉が「ルイア」だ。
それぞれ母さん、父さん、ルイアと呼んでいる。
この2年で言葉はだいぶ学べた。
文字もほぼ完璧だとは思うが……まだ絵本しか読んだことがないので日本語でいう平仮名のみマスターした状態なのかも知れない。
ということで、普通の本を探してみたいと思う。
恐らく父さんの書斎かなんかがあると思うのだが何処にあるのかが分からない。
この屋敷は結構な広さがあるのでまだ全容は把握出来ていないのだ。
ってなわけで毎日フルアさんの監視を掻い潜りながら本を探している。
ちなみに本を読みたいと言ったら絵本しかくれなかった。
屋敷は2階建てで1階は探索を終えている。
「じゃあ、登るか」
「うん」
2人で階段を登る。
特に苦労することなく登ることが出来た。
階段の先をある程度歩くと扉の中に本棚を見つけた。
「見つけた!」
「おー」
本棚だけが置かれた図書室だった。
「すげぇな、まさか図書室があるとは……」
「広さ的にはそう大きくないけど、私達には充分かな」
ウィーテが大きな本を1冊取る。
「タイトルは『大森林の植物図鑑』だって」
「図鑑か、いいな。あとは地図みたいなのがあるといいんだが……」
図書室を散策し、地図を探す。
手の届く段には地図は見つからなかった。
試しに植物図鑑を開いてみたが約3割読めない文字があった。
やはり漢字と平仮名みたいに分かれているのかも知れない。
「ねぇ、これ見て。『世界の歴史と4種族』だって」
「歴史書か、読もう」
歴史はその世界を知る上で重要な情報が詰まっている。
早速読んでいくことにした。