リスタート!
初めましてO°-micoと申します
割と王道展開、をモットーにこれからこのお話を書いていきたいと思います
「ただいま〜」
「おかえりなさい」
夫の帰宅、妻の出迎え、どこに行っても見ることの出来る、普通の光景。
ただし、このケースは特別だ。
理由は簡単。
この2人が21世紀の日本に生きる「魔法使い」だからだ。
「英国から追手が来てた」
「ほう、それはそれは」
加えて世界各国から狙われる大罪人であり。
「100人ぐらい来てた。前に言われた通り、近所に迷惑をかけないように消した」
「上出来。褒めてあげよう♪」
精鋭100人程度なら赤子の手を捻るが如く消すことの出来る実力者だ。
魔法使いの世界において「人間兵器」とまで言われた最強がこの2人だった。
「そっちはどうだった?」
「何とか見つからずに行けた思う。目的も達成出来た」
そう言って小さな紙を取り出す。
そこには奇妙な魔法陣が描かれていた。
「そう、ならいいけど」
「もしかして心配してくれてる?」
「もしかしなくてもそう」
「可愛いヤツめ」
くしゃくしゃと夫が妻の頭を撫で、妻は目を細めてそれを受ける。
微笑ましい光景だった。
しかし。
次の瞬間、全てが消えた。
日本の一都市の全てが。
「どうせ手に入らない最強なら消してしまおう」と、手を組んだ諸国の魔法使いたちによって編まれた、《壊天》という禁忌の術によって。
だが2人にとってこれは終わりではなく、ただの新たな始まりに過ぎなかった。
夫は笑う。
「ちょうどいい機会だ。何も無い世界から逃げ出してみよう」
妻も笑って答える。
「私は、あなたについていく」
こうして2人は手を取り、魔法陣に触れて叫ぶ。
「「リスタート!」」
と。