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プロローグ

どうも、こんびーふ と申します。

皆さんにこの作品を読んでいただければ嬉しいです。

ブクマ&評価&感想お待ちしております。

あなたの感想、評価が執筆の原動力になります!

がんばります!

関東近郊の山に辺りを囲まれた高校の校舎2階西端の教室。

窓際の一番後ろの席、そこから外を眺める少年がいる。


かなで...奏」


真っ黒な肌にタンクトップの熱血教師が呼んでいるが少年は聞こえていない。


(退屈だ。毎日同じことをしているだけの生活は。かといって何か新しいことが起きて貰っても面倒くさいから困る。このジレンマ、どうすれば...)


「おい!奏 透《 かなで とおる》!聞こえているのか返事をしろ!」


熱血教師が怒鳴る。

少年はようやく呼ばれているのに気付き立ち上がる。


「ひゃい!」


あまりの勢いで声が裏返る。周りの連中が横目でこっちを見ながらクスクス笑っている。


「出欠確認ぐらいしっかりしてろよ。それと立たなくてもいいぞ」


「はい。すみません」


そう言って少年は座る。教室内はいまだ笑い声で微かに騒がしい。


(俺の名前は奏 透«かなで とおる»。どこにでもいる高校2 年。友達は此の方17年いない筋金入りのボッチだ。消してハブられている訳では無い。自ら作ろうとしないのだ。なぜかって?それは俺は3歳のとき両親に捨てられた。そのときから人を信用することが出来ないし、交わりたくないと思っている)


鐘がなり朝の主欠確認が終わった。

15分程経ち、時刻は8時40分。今度は授業開始の金がなる。しかし周りの生徒はそんなもの聞こえていないかのように話続けている。


「こら!授業始まってるんだから席についてなさいよ」


髪を三つ編みにしてメガネをかけたTHE 委員長の見た目の女生徒が注意をする。ちなみにこの生徒は委員長ではない。


(なんか、トイレ行きたくなってきた。8時42分か。まだ先生も来てないし行ってくるか)


透は席を立ち扉の方へ歩く。


「ちょっと!奏君。どこ行くの?授業始まってるよ」


また三つ編みの女生徒だ。こいつはいちいちうるさい女だ。


「...トイレ」


そう言って俺は教室を出た。周りが俺を見て何かこそこそと話していたがそんなことよりトイレの方が俺にとっては重要だ。

授業中の廊下は静まり返っている。聞こえるのは壁越しに微かに聞こえる他クラスの授業と廊下を歩く俺の足音だけだ。トイレは校舎の反対側なので遠い。

トイレに向かい歩いている最中突然俺は激しい頭痛と吐き気に襲われた。


(なんだ?急に頭痛と吐き気が...なんか視界も歪んできたし...焦点も合わねえ...)


そう思っているうちに視界は暗くなり意識は遠くなっていく。

そして、奏 透はトイレにたどり着けずその場に倒れた。

(何だろうこの全身がチクチクする感じは。それになんか糞の臭いもするな...え?まさか....)


ふと目が覚め勢いよく飛び上がる。そして、パンツの後ろに手を突っ込んだ。

幸いにも漏らしてはいなかったようだ。透は胸を撫で下ろした。


「じゃあ、なんでこんなに臭いんだ?」


辺りを見回す。


「え?」


なんと透がたったいる場所は牛舎だったのだ。地面には山のように積まれているい草。壁は木の板で出来ているものの隙間だらけ。そして牛舎なので当たり前だが牛がいる。こいつがさっきからブリブリと糞を垂らしているのだ。


「おえっ」


視界に糞を入れてしまった。透はとりあえず走って牛舎を出た。牛舎の外は草原が広がっていた。


(どういうことだ。俺はさっきトイレに行こうとして、それで突然頭痛と吐き気に襲われて...そうだ意識が遠くなって倒れたんだ。目が覚めた場所が保健室が病院ならわかるが牛舎だぞ。うちの学校は農業科なんてないからまずありえない。そもそも俺はどのぐらいの時間倒れてたんだ?)


透は左ポケットから銀色の懐中時計を取り出し時間を見る。


(8時48分。約6分程気を失ってたのか。そうするとますます謎だな。学校近辺に牛舎はないから6分未満で移動するのは不可能だ。あれか?ラノベで流行ってる異世界転生とかってやつか?ははは、笑わせないでくれよ...とりあえず数百メートル先に見える民家らしきところに行ってみるか)


透が歩き出そうと1歩目の右足を地面についたとき、なんと足が地面に吸い込まれたのだ。


「え?ちょ...まっ...」


そのまま前のめりに転ぶように地面に吸い込まれた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


下に落ちていく。そして透は4~5m程落下し、地面に落ちた。


「いてててて...なんだ落とし穴かよ。それにしても深いな。登れそうにない。助けを呼ぶべきか」


大きく呼吸をし、腹に力を込めて叫ぼうとしたそのとき、穴からこちらを覗く少女がいた。


「助けてください」


そう透が言うと、


「駄目。この落とし穴に落ちる奴は魔物。魔物は殺さないといけないから」


淡々と少女は話す。


「魔物?俺は魔物じゃない。人間だ」


「いいえ。あなたは魔物。人型の魔物は皆そういう嘘をつくわ。それにその上下黒い服はなに?厚手の生地に謎の紋様の入った金色のボタン...怪しい」


(少女は完全に疑っているな。諦めたら殺されるだろうから諦めるという選択肢はないな。勝負に出るか)


「俺が魔物だって言うならなんか危なくない術でも掛けてみろよ」


喧嘩腰だけど怪我はしたくないので少し弱気だ。


「別に術式は使用しなくても判断はできる」


(え?あまり暴力的な子じゃないのかな?)


「どうすれば判断出来るんだ?」


そう尋ねると、穴から光を反射しながら降ってくる鋭い物がある。それは透の足元の柔らかい土の地面に突き刺さった。見たところ剃刀のようだ。


「それで体のどこかに切り傷をつけて血を見せて貰えればわかる」


「そうか、そんな簡単な方法なのか。でも何で血を見れば魔物かどうか判断できるんだ?」


「この世の生物の血の色は赤。でも魔物の血の色は紫色」


「そうか。じゃあ切り込みいれるぞ...」


そう言って剃刀を手に取る。左腕に刃を添える。透は生唾

を飲んだ。

少女は穴からただ覗いてるだけだ。


(そんなことできるかよ!いきなり剃刀渡されて『血を見せて』なんて言われても『はい。わかりました』なんかでできないだろ!どうする...腹くくるか...)


「どうしたの?やらないの?」

少女は問う。


「や、やるよ。別にビビってる訳じゃないからな!」


そうは言っても剃刀を持った手は震えている。

そのとき何かが腕を流れる感覚がした。左腕に目をやると赤い血が左腕から出ていたのだ。


(さっきから手が震えてたからそれで腕を切ったのか。ラッキー!)


「赤い血...人間...ごめんなさい、疑ったりして。今ロープを降ろします」


少女はそう言ってロープを降ろしてくれた。

そのとき透は再び激しい頭痛と吐き気に襲われた。


(うっ...また頭痛と吐き気が...視界が歪んで焦点も合わないし、意識が遠くなってきた...だめだ...)


そうして透は再び意識を失った。














どうだったでしょうか?楽しんでいただけたでしょうか?

まだ異能力等は出てきていませんがこれからゴリゴリ出していく予定です。

しつこいかも知れませんが、評価&感想&ブクマしていただければ嬉しいです。

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