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三人の転校生

琴美はなんちゃってお嬢様の茂の恋愛部分を修正しました。

 俺のニコ退学騒動から数日が経ったある日、俺のスマホに予想外の人から電話が掛かってきた。


「姫星会長、この度は色々とありがとうございました。本日は何の御用でしょうか?」

 スマホに表情されたのは姫星財閥会長の姫星志知勇さん。

 洒落にならない財産と権力をお持ちの怖いお方。


「茂君は相変わらず真面目だね。君は琴美と琴理の大切な友達なんだから、もう少し私にも親しみをもってくれたら嬉しいんだけど…話は二つ、雲知親子の事と星空学院の準備に関する事だよ」

 友達の部分を強調しているのは男親ならではの心配なんだと思う。

 でもそれは杞憂ってやつだ。

 あの二人は俺を選ぶ程、男の趣味は悪くない。 


「…会社は大丈夫なんですか?」

 あの親子がどうなろうと知ったこっちゃないが、会社の社員には罪はないから心配になる。


「ああ、副社長が跡を継ぐから心配はないよ…それに不思議な事に被害者が見つからないんだ」


「まあ、泣き寝入りする人が殆んどみたいですし」

 

「私も最初はそう思ったよ。拓達の証言に矛盾はなかったしね。でもいくら調べさせても被害者のひの字も出てこないし、ビデオにも拓達しか映ってないんだ」

 志知勇さんの話では雲知達は相手を脅す為に、ビデオを撮っていたらしいが映っていたのは虚空にむかって腰を振る雲知達だけだったそうだ。


「マジっすか?クスリをやってたんじゃないですよね?」


「それも調査済みだ。撮影ミスだと思うけど」

 雲知親は子会社に平社員として出向、雲知息子は本人希望で仏門に入るらしい。


「なんか変な話ですね」

 話を握り潰すにしても、もっとうまくやる筈だし。


「雲知…ああ、親の方だけど前は凄く真面目な奴だったんだよ。拓も昔から知っているけど大人しい子だった。高校に入った途端、人が変わったみたいに横暴になったそうなんだ」

 志知勇さんの声には悔しさと虚しさと怒りが入り混じっていた。 

(誰かに操られていたとか…まさか、ゲームじゃないんだから)


「もう忘れましょ。被害者も蒸し返されたくないでしょうし」

 いくら罪を償われても傷は癒えないんだし。 


「そうだね…茂くんの制服はウチのデパートでサイズ合わせを出来る様にしておいたから」

 姫星デパート、展庭市に本店を置く全国規模のデパート。

 俺は売っている物が高過ぎるから利用した事がない。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 背後から忍び笑いが聞こえてくる。

 試着室の鏡を見ると、金髪の美少年(ゆうじ)が口に手を当てて笑いを堪えている。

 俺が星空の制服を合わせに行くと言ったら、何時ものメンバーで来る事になった。


「有詩、笑いたきゃ笑え。どーせ、俺はこんなお洒落な制服は似合わねえよ」

 星空の男子の制服は深紅のブレザーに濃紺のパンツ、真っ白なワイシャツ。


「いや、悪い、悪い。なんか電気屋の店員みたくてさ…よっ、パンダ店員」

 有詩いわく俺はパンダに似ているらしい。

 確かに柔道をしていたから体はがっしりしているし、どっちかと言うと丸顔…ついでに垂れ目気味。

 

「俺が着ると制服が法被(はっぴ)に見えちゃうの?安売りの鉢巻きを巻いて星空に通うぞ」

 ちなみに琴美達は男の試着室近くで待機するのは流石に気まずいらしく、少し離れた所にいる。

 

「茂さん、着替え終わりましたか?そんな、みんなが落ち込んでいるからって、体を張ってまで笑いを取りにいかなくても良いんですわよ」

 わざとらしくハンカチで目頭を押さえてみせる琴美お嬢様。

 

「琴美、なんで制服を着ただけで体を張った事になるんだ?」

 確かに似合わなすぎて精神的なダメージは大きいけど。


「茂、正直寒いよ」

 何故か、俺の肩を叩く小夏姉さん。


「姉さん、笑いは取りにいってないから。制服着ただけで滑るってなに?」

 

「ぼ、僕はそんなに悪くないと思うよ。ねぇ、そうだよね、琴理」


「えっ、私も似合ってると思いますよ」

 朋子のキラーパスに目を泳がせる琴理ちゃん。

 まあ、俺を弄って盛り上がるのは何時もの事。


「そうですよ、ゆるキャラみたいで可愛いと思います。えーと、なんて言うんですっけ?キモ可愛い?」

 みんなが固まるが、早紀さんは何があったか分からずにニコニコしている。


「シゲ、すまん。姉に代わって俺が謝る。悪気はないんだ、悪気は」


「天然爆弾って悪意がない分、ダメージが大きいよな」

 多分、早紀さんはキモ可愛いの意味を分かってないと思う。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 姫星転校初日、まさかの事が起こった。


「今日はクラスに三人の転校生が来ました。薬成(くすなり)(しゅう)君、菊谷(きくたに)晴夏(はるか)さん、蒲田茂君です」

 薬成君は優しい顔立ちをした見てるだけで元気が出てくる少年。

 菊谷さんはショートボブで明るい笑顔が目を惹く。


「シゲー、今日から同じクラスだからよろしくな!!」


「茂さん、幼馴染み三人が一緒のクラスになるなんて不思議な偶然ですね」

有詩と琴美は俺と同じクラスになったのが嬉しいのか手を振っている。


(おいおい、初対面なのにめっちゃ睨まれているよ!?)

 そして何故か薬成君と菊谷さんは俺を思いっきり睨んでいた。


感想お待ちしています

占い師を出したい、しかしあの人が出たら全てを持っていってしまう。

師匠を分からない人も読んでくれているんだし

人気投票をしたら占い師に固定票がでる予感が

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