男の馬鹿話
後書きに人気投票の結果を乗せました。協力してくれた方に感謝いたします
姫星七知勇、世界的財閥である姫星財閥の会長…早い話が滅茶苦茶金持ちで物凄い権力を持っている人。
その七知勇会長からある頼み事をされた。
ぶっちゃけ、逆らっても一文の特にならない所か下手したら一家離散になりかねない。
しかし、庶民と言えどプライドと言う物がある。
「シゲ、青い顔をしてどうしたんだ?」
「そうだ!!有詩、俺にはお前がいたんだ。親友と信じて頼みがある…頼む、大人用オムツを売ってくれ」
有詩の父親は医療法人を経営しているから、大人用オムツも簡単に手に入る筈。
「お前、まさか前世で赤ちゃんプレイをしてたのか!?」
「するかっ!!俺は由緒正しいおっぱい星人だが、断じて赤ちゃんプレイ派ではない」
ちなみに有詩に余計な知識を与えたのは何を隠そう俺だったりする。
「まあ、中身がおっさんなお前がそんな事をしてたらドン引きだけどな。それでどうしたんだ?」
「ちなみに良い年したおっさんの方がはまるらしいぞ、特に社会的権力がある人とかがな…いや、七知勇会長から庶民代表として新しく出来た遊園地のモニターを頼まれたんだよ」
その名もプリンセスランド、名前は可愛らしいが中味に問題があった。
「遊園地?オムツ?…まさか、お前漏らした事があるのか!?」
有詩が引いているのが分かる。
「あー、漏らしましたよ。前世でジェットコースターに乗って漏らしましたよ。しかも、デートで漏らしましたよ。ちなみに、回らないジェットコースターで泣いた事もあるんだぜ」
そう、プリンセスランドは絶叫マシンが充実しているのだ。高所恐怖症の俺からしたらジェットコースターとかの絶叫マシンは狂気の沙汰でしかない。
「うわっ…だっさ」
「ダサくて結構。何が悲しくて金を払ってまで怖い思いをしなきゃいけないんだ!!彼女にハンカチで涙を拭われた男の気持ちを考えろっ」
ちなみに俺が何かをやらかしたりすると、かこにジェットコースターの刑に処せられた。
「はっはーん。朋子ちゃんも招待されたから断れなかったんだろ?確かに漏らしたりしたら兄貴の面子が丸潰れだよな。よっ、お漏らしパンダ君」
「なに、その知育ぬいぐるみは?朋子に甘えてもらえなくなったらお兄ちゃんは寂しくてやる気が減退しちゃうんだぞ」
ただでさえ空さんとのラインに夢中で兄妹の会話が減ってるのに。
「いい加減妹離れしろよな。ちなみに将軍と姫は殆んど招待されてるぞ…早い話が朋子ちゃんは空さんに夢中でお前を見てないと思うから安心して漏らせ」
「うん、それなら安心だねって…言う訳ないだろっ!!そうだっ、文郎を巻き込んでやる」
文郎と回れば漏らしても周りにはバレない。それに彼奴も庶民だから、七知勇会長も納得してくれると思う。
「残念ながら文郎は伊庭先輩が誘っているんだぜ。ちなみにソースは姉さんだから確実だ」
伊庭先輩と早紀さんは仲が良いから確かな情報だと思う。
「って事はお前にも招待が来てるのか?有詩頼む、俺の隣に座って手を握ってくれ!!」
「キモいわっ!!オムツはちゃんと手配してやるから安心しろ」
当日は水分を取らない様にしなければ。
「しっかし、伊庭先輩が誘うなんて以外だな。言っちゃあれだけど、文郎はお世辞にもイケメンじゃないぞ」
俺も人の事は言えないけど。
「ほら、伊庭先輩って、いつも頼られる側だったろ。文郎は兄弟が多くて面倒見が良いから、逆にそこが良かったらしいぞ」
文郎は8人兄弟の長男だから面倒見が良いのは分かる。
「その理論でいったら中味が大人な俺の方が有利なんじゃないか?」
「お前、伊庭先輩に興味がないだろ?伊庭先輩が文郎に興味を持った切っ掛けは、文郎の一途なアプローチなんだぜ」
ニコのクラスメイトから聞いた話では、文郎は和服に関する本を読みまくっているそうだ。
「そういや文郎の奴、簿記やエクセルを勉強してるって言ってたもんな。青臭い一途さは若さの特権だな」
大人になると恋よりも仕事を優先してしまう。
「正体バラしたら親父化が凄いな。お前も昔は一途だったんだろ?」
一途じゃないからと言って、浮気したり色んな女に手をつける気は毛頭ない。
恋よりも優先して叶えたい目標が出来ただけだ。
「一途だったよ。でも、俺は恋よりもパン職人である事に一途なのさ。今となっちゃ一流のパン職人になる事は俺にとっての宿願だよ」
それは前世からの願い、これを無くしたら前世での努力も無駄にしてしまう。
「シゲはどんなパン職人になりたいんだ?やっぱり世界一うまいパンを作りたいのか?」
「聞いても笑うなよ。かこにも、誰にも言ってないんだからかな」
我ながら青臭さ過ぎて恥ずかしい目標なんだよな。
「お漏らし話で充分笑わせてもらったから大丈夫だよ」
「よく懐かしい匂いを嗅いで昔を思い出したって話があるだろ?そんな昔を思い出させる様なパンを作りたいんだよ。親にねだって食べた優しい思い出、片想いしていた女の子と食べた甘酸っぱい思い出、友達と馬鹿話をした楽しい思い出、仕事で頑張っていた誇らしい思い出、自分の子供と過ごしていた温かな思い出。凄く美味いパンじゃなく変わらない美味しさのパンを作りたいんだ」
答えはないけど、久しぶりにパンを食べてくれたお客様が昔を思い出して懐かしかったですって言われたい。
「充分、青臭いじゃないか。お前は恋より夢に一途なんだな。俺も負けないで患者を元気にする医者を目指すよ。怪我や病気を治すだけじゃなく元気になってもらえる医者になるよ」
「お前なら大丈夫だよ。先生、ジェットコースターに乗って漏らさない方法を教えて下さい…いや漏らす覚悟は出来てる周りにバレない方法を教えてくれ」
有詩が当直の時に俺が作ったパンで、こんな馬鹿話を思い出してくれたら嬉しい。
川の向こうは恋愛ゲームな世界人気投票の結果です。 投票者14人
1位蒲田茂13人票
一応、主人公な茂が1位でした。作者は狙っていませんでしたが、不器用さかが良い言う意見が多かったです。
2位姫星空琴美8票
メインヒロインですので。女性人気が高かったです。
2位謎の占い師8票
出番を考えればある意味で断トツ人気。作者は毎回スーツネタに悩みます。ちなみに占い師が言った茂がウィルスは大事なワードです。
4位七竹・アークイラ・有詩3票
今回の話は茂と有詩の掛け合いが好きだって意見を元に作りました。
5位来部蘭2票
アイドルで僕っ子って事より、琴美の友達として評価されていました。
5位渡辺文郎2票
意外な事に2票も入りました。ちなみに出番が増えます。
7位レビィアターノ・スコルピオー
この人もある意味でネタに苦慮してます
7位菊谷晴夏1票
ある意味で茂の影響で変わっていく菊谷さんです
7位自称神1票
今作の黒幕でバットエンド待ちかも




