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学園祭の準備は大忙し?

 やっぱり、この学校はおかしい…。

 生徒会では学園祭の会議を開いているんだけど。


(学際でクラシックコンサート?しかも外国からプロのオーケストラを呼ぶのかよ?)

 まず予算が桁違い。

 何より出店が予想の斜め上を行ってくれた。

 食い物系は殆どなく展示系や実演系が多い。

 実演系を担うのは外様の生徒達。

 中でも異質なのは異種格闘技トーナメント。

 ここで優秀な成績を残すと私設ガードマンにスカウトされるとの事。

 芸術系の外様生徒は展示に力を入れてパトロンを探すらしい。

 学園祭とは名ばかりの青田買いシステム。

 俺はパン職人を目指すから関係ない…関係ない筈なんだが。


「なんで生徒会でホットドッグを売るんですか?完璧に俺がメインですよね」


「蒲田君のホットドッグを食べたいって陳情が沢山来たんだよ。それを姉さんが聞いて」

 空さんが申し訳なさそうにこっちを見てくる。


(陳情って…政治家に掛かれば機会があれば食べてみたいって話も陳情扱いになるのかよ)

 何しろ、俺に直接頼んだで来た人は一人もいないんだから。

 朋子からまた作ってって言われた位。


「まさか…俺に売り子もしろって言うんじゃないですよね」

 生徒会で外様は俺しかない。

 つうか接客業をやれるのが俺しかないないと思う。

 将軍や姫に売り子をさせたら大騒ぎになるだろうし。


「蒲田君はパン屋さんでアルバイトをしてるから慣れてるよね。他の人は部活の発表会で忙しいんだよ」

 ニッコニコの笑顔で説明をする海会長。

 一見すると無邪気な笑顔だけど目は笑ってない。


(あれ位、狸じゃなきゃ政治家にはなれないんだろうな…海さんならさしずめ豆狸って感じだよな)


「それと出来たらケチャップとかを使わないんで欲しいな。来賓者の洋服が汚れたら大変でしょ」

 狸二号もとい空さんからの追撃。


「ケチャップ禁止!?それじゃマスタードも駄目なんですか?」


「ソース類は垂れない様に工夫してね。蒲田君なら出来るよ、大丈夫」

 パッと思い付くのはケチャップの粘度を上げる位。

 チョリソーみたいにソーサジ自体に味が着いてる物を使っても良いが、物足りないと思う。


(そういや礼緒ちゃんはホットドッグをナイフとフォークで食べようとしてたもんな)


「中等部の生徒会に手伝いをお願いしたら駄目ですか?」

 朋子なら用事を頼みやすいし、琴理ちゃんも手伝ってくれると思う。


「し、茂さん、中等部の生徒会も計画している事があると思いますから邪魔をしたら駄目ですよ」

 反対意見を述べたのは、お嬢様バージョンの琴美。


「マジか…そうだ!!レヴィン姫に頼んでみるか」

 ちなみにレヴィンの呼び方は姫が大好きゲームに出てくるナンパな風の王子様である。

 俺もそのゲームが大好きだったから、話が盛り上がった。

 ちなみに俺のお気に入りはアー○ン。


「あれー?琴美ちゃん、蒲田君があんな事を言ってるよ?」

 ニヤニヤを全く隠していない海会長が琴美を煽る。


「留学中のお姫様に売り子なんてさせたら国際問題になるわよ。少しは考えなさい、このバカ茂!!」 


「大丈夫。レヴィン姫は漫画に出てくる学園祭に期待してるから問題ない」

 外国の姫様がソース煎餅や鈴カステラを知ってたのには驚いた。


「残念でしたー。レヴィアターノ姫は仮装ダンスパーティーに参加されるから無理なのよ。まっ、茂がどうしてもって言うなら私が協力してあげる」

 レヴィン姫の仮装ダンスパーティー…参加条件を満たされる生徒はいるんだろうか?

 きっとナ○トやテニ○リはアウトになるだろう。

 それよりは今は…


「琴美さん、手伝いをお願いします」


「やっぱり茂さんは私がいないと駄目なんですね。そうですね…後夜祭のダンスパーティーで私を満足させるのが条件ですわ」

 星空のダンスパーティーは当然フォークダンスではない。

 ワルツやタンゴを踊るらしい。 


「琴美、リードしてくれる?」

 しかし、俺はリズム感が皆無でボックスもまともに踏めない。


「仕方がないわですわね。納豆チャーハン五食で手を打ってあげますわ」


「琴美お嬢様、あざっす」

 恐るべし…豆狸海会長、いつの間にかホットドッグを売る方向に持っていかれた。


―――――――――――――


 ある日の休み時間、俺は夜鬼先輩から呼び出された。


「シゲ、お前何をやらかしたんだ?夜鬼先輩が男を呼び出すなんて滅多にないんだぜ」


「俺みたいな小市民が将軍の先輩に失礼な事をする訳ないだろ」

 社会人経験者に隙はない筈…。


「顔が不快とか白黒の毛皮が暑苦しいとかじゃね?」


「白黒の毛皮ってパンダだよね?確かに暑苦しは自覚があるけど、酷くない?」

 有詩は未だに俺をパンダ扱いしてくる。

 お陰でレヴィン姫から早○女玄馬とか言われる…ら○ま二分の一まで知っているとは。


「なんかあったら俺も一緒に謝ってやるよ。呼び出し場所は、屋上だろ?さっ、行くぞ」

 俺を弄りなからも着いてきてくれる有詩が有り難い。


「蒲田、頼みがある。レヴィアターノ様の好きなキャラを教えてくれ」

 屋上に着くなり夜鬼先輩が頭を下げて来た。


「えーと、それじゃ変態○面とか…」


「シゲ、それやったら先輩が捕まるから!!」

 流石はレヴィン姫の相手を務めている有詩、分かってくれたか。


「でも先輩どうしたんすか?まさか先輩、隠れオタだったりします」


「一目惚れなんだ。本気で好きになったんだよ。身分の違いは分かっている…一曲だけでも姫とダンスを踊りたいんだ」

 その為に夜鬼先輩は何人もいた恋人と別れたらしい。


「それじゃ鉄腕ア○ムで」


「シゲ、アウトー!!」

 これも考えなきゃ駄目?

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